⑩リサイクル店のCD確認の儀式の件
リサイクル店に行って、一枚100円くらいのCDを5枚買った。
二枚組のものもあって、かなりお得だなと感じた。
5枚買うと、さらに安くなる、みたいな感じだったと思う。
選び抜かれた5枚を持って、レジに向かった。
レジで、店員さんにCDを渡すと、一個一個、封を開けていた。
ちゃんとCDが入っているのか、確認するためだろう。
店員さんは、CDケースを開けると、CDを指で持ち上げた。
そして、CDの何も書いていない銀色の部分を、こちらに見せてきた。
そして、傷がないかなどを、確認するように言われた。
ちゃんとしているな、と思ったが、見せる時間が長く、その空間は無音で息が詰まった。
こちらも、テキトーに確認していると思われたくないから、しっかり見てから、大丈夫です、と言うようにしていた。
これが、あと4回続くと思っただけで、ため息のようなものが出た。
あの、時間が止まったような確認の時間。
あの、こちらがオーケーを出さなければ、一生続いていくかもしれない、恐怖感。
もう、耐えられない。
ひとつは二枚組で、ひとつはDVD付きだったことに気が付いた。
5回確認だと思っていたものが、7回確認になったので、さらにキツくなった。
5枚も買うんじゃなかったと思った。
今からこの失敗の対処法を考えてみようと思う。
①気持ちを、CDシルバー部分確認ロボットに変換してから、確認に挑む。
②そこで流れていた曲に、少しでも気持ちを移してから、確認に挑む。
③5枚買うと安くなるが、我慢して一日一枚にしてみる。
色々と方法を考えてきたが、無になることが一番で、銀色確認に気持ちを入れすぎないことが、大事であると、結論付けた。




