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魔法少女が変態でした。  作者: 三色ライト
本編

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89話 パンケーキとキスの味

「いらっしゃいませ〜」


 うわ…店員さん可愛い!やっぱりパンケーキのお店って可愛い子しかバイトできないのかな?


「ご注文はお決まりですか〜?」


「この…[カップル限定:ハートのパンケーキ]をお願いします!」


「えっと〜…これはカップル限定のメニューでして〜…」


「か、カップルです!」


 ヤバっ。口に出すと恥ずかしい…。


「えっと…女性ですよね?」


「はい」


 店員さんが輝夜ちゃんに質問して…


「女性ですよね?」


「はい!」


 流れで私にも質問してきた。


「あら〜」


 腕を組んで何か悩んでいるみたい…ひょっとして私たちが女同士だからって提供できないかもしれないの?この多様性を認める時代になんて古い価値観なのさ!


「あの〜、ウチではカップルの証明のためにキスをしてもらう決まりなのですが大丈夫ですか?当然深い方じゃなくていいので」


「キキキ、キス!?」


 何そのルール!セクハラじゃないの!?


「ご、ごめんね輝夜ちゃん。さすがにそれは嫌だよね…」


「キスすれば私たちでも食べられるんですよね?」


 輝夜ちゃんが立ち上がって店員さんに近づく。


「あ、はい〜」


「そうですか。では…」


「ほへ!?」


 そっ…と私の唇に輝夜ちゃんが口づけてきた。


「$%¥〆☆€%#$*〆!?」


 言葉にならない驚き…でもそれ以上に…幸福感を感じていた。あぁ…幸せ。事故でキスしてしまったスキー教室の日と違って、今日のキスは暖かくて、恥ずかしくて、良い感情全部が混ざったみたいな感じ。


「ップァ…これでいいですか?」


「は、はい〜失礼しました〜」


「・・・か、輝夜ちゃん…」


 緊張しすぎて息が切れる…。


「こ、これでハートパンケーキ食べられますね!」


「う、うん…」


 5分後くらいにハートパンケーキが来たけど、今の私に甘酸っぱい味という以外に感想は抱けなかった。


「・・・おまたせ。なんかあった?」


「い、いえ…」


「な、なんでも…」


「・・・そう?」


 言えない…お店でブチュッとキスしました…なんて。気まずい…でも幸せ。


「じゃあ次はどこに行く?」


「うーんと…じゃあゲームセンター!」


 というわけでやってきました!一年前くらいに輝夜ちゃんと一緒に来たゲームセンター!

 ゲームセンターって好きだけどなんだかんだ行く機会ないんだよねぇ〜。


「うっ、何このうるさい空間…」


「ブラッディはゲームセンター初めて?」


 うんうんと頷くブラッディ。たしかに初めてだとうるさく感じるかも。ジャラジャラ言うし、リズムゲームだってそれに負けじと大音量で音楽を流すしね。


「輝夜ちゃんの腕前は凄いんだよ!輝夜ちゃん、なんかクレーンゲームやってみて!」


「は、はい!」


 輝夜ちゃんはとりあえずすぐそばにあったネコのぬいぐるみのクレーンゲームを選択。手慣れているわけでもないのにベスト位置へアームを持って行って…。


 ゴトッ!


「取れました〜!」


 うーん。一年前と変わらずお見事。ゲームセンターの店員さんも向こうで唖然としてるよ…。


「あっそうだ!そのぬいぐるみお揃いで持ってみたい!ねぇ、あと2つ取れる?」


「やってみます!」


 そういうと輝夜ちゃんは100円を投入して…ゴトッ!

 また100円を投入したと思ったら…ゴトッ!


 えぇ…なんか神様的な力を受けてるでしょこれ。店員さん怯えて震えだしてきてるよ。


 とれたネコちゃんぬいぐるみは黄色、白色、青色。まぁ私の勝手なイメージカラー的に…。


「私黄色がいい!」


「はい!ブラッディはどちらがいいですか?」


「白」


 これでお揃いになりました!何かお揃いの物を持つってなんかリア充っぽい!


 その後はゲームセンター内でリズムゲームをやったりエアホッケーをしたり1時間半くらいは遊べたかな。リズムゲームでブラッディがあたふたしてたけどその様が修学旅行で鹿に襲われた時そっくりだったのは内緒の話。


 さてと…時刻は18時55分。ちょっとどこかへ理由つけて離れないとな…まぁトイレが無難かな?


「ちょっと私トイレ行ってくるね!」


「はい。私は飲み物を買ってきます。ブラッディはここで待っててください」


「・・・うん」




「『マジカルインストール!』」


 ふぅ。なんか魔法少女の日に限って予定あったりして焦るなぁ。


 ・・・1人になって急に思い出してきたけど私シンプルに輝夜ちゃんとキスしたんだよね…。サラッとしてきたけど輝夜ちゃんにとってはなんでもないことなのかな…。私にとってはとんでもないことなんだけど…。


 そんな考え事をしている間にブワッと冷たい風が吹いた。いけないいけない。私は今から人類の未来をかけた行動をとるんだから!しっかりしないと!


 固く意思を持ってゲームセンターを飛び出す。…しっかりしようと思ってもやっぱりどこか心で引っかかるのは、もう仕方がないのかな、と諦めたりしながら。

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