85話 黒い天使×2
「思えば貴女と戦うのは初めてかしら?」
「そう・・・ですね」
「ちょっとだけ楽しみよ。貴女ほどの強い魔法少女は限られているもの。だからーーガッカリさせないでね?『エンジェルフェザー!』」
「来ますよ!」
さっきも見た白い羽の爆弾!今度は…10枚くらい一気にばら撒いてきた。
「『サンダーウィップ!』」
浮遊する羽を雷のムチでぶっ叩く!ムチに触れた瞬間に羽が爆発してちょっと手がピリピリしたけどファインプレーじゃない?
「あら…ウィップ系はやっぱり天敵ね。それと…貴女もね」
「あっ!」
よく見たらナイトが電柱を登って【イヤーエンジェル】の背後に!いつのまに…。
「武器[熾天使]スキル発動『虹玉輪!』」
「武器[名槍:月姫]スキル発動『三日月!』」
光り輝く天使の輪と美しい槍。双方の光がぶつかり合う様を見るしかない私は…やっぱりまだ弱いんだ。
でもだからって諦めてられるか!
「『アイス付与』うりゃ!」
通常攻撃を【イヤーエンジェル】へ!完全にナイトに気を取られていた天使は…。
「うきゃ! そういえばいたわねあんな子。ちょこまかされても面倒ね…『堕天!!!』」
「ランプ!下がって!」
「ほへ?」
辺り一帯に黒い波動が駆け巡る。
「『パワーシールド!』」
ナイトは盾の魔法で防いだけど…私は…逃げられない!直撃するとHPが約70近く削られた。範囲、威力共にとんでもない…きっと彼女の代名詞的な魔法なんだろう。
「あら?倒しきれなかったのね」
黒い波動が収まり、目の前に立っていたのは…黒い天使?
「『フレイムボール!』」
「ナイト!」
ナイトが目の前の黒い天使に向かって魔法を放つ。
「あら残念。『堕天:エンジェルフェザー』」
さっきも見た白い羽…ではなく今生えてきたのは何色か数え切れないほどの色をした羽。なんか年末歌合戦の小林○子さんみたいに派手な見た目に圧倒されてる間にナイトの放った火の玉をその羽で吹き飛ばした。
「はぁっ!」
その間に距離を詰めていたナイトが槍を振り回して黒い天使に襲いかかるも軽くステップを踏むように避けられ、決定打を与えることができない。
「・・・ランプ、私への指揮とサポートをお願いします」
「え?」
「『イグジストナイトメア!!!』」
小さくて黒い立方体の粒子がナイトの身体にまとわりつく。ナイトの代名詞になる魔法だけど…確かHPが強制的に1になるはず。
「わかった。攻撃はお願いね、ナイト!」
「はい!」
「なんかいい話風だけど現実はそう上手くいかないことを教えてあげるわ。『堕天:アイスボール』」
黒い氷の球を私たちめがけて撃ってくる。
「ナイト!」
「『フレイムボール!』」
ナイトは黒い炎の球で応戦する。私は…
「『ショットガンランプ!』」
お待たせしました私の攻撃魔法のエース! これさえ上手く決められれば…!
2つの黒い球はぶつかり合い…相殺される。辺りには黒い煙が充満して煙幕になる。ここが、チャンス!
「くらえ!『ショットガンランプ』発動!」
煙が晴れて【イヤーエンジェル】の姿が見えた瞬間に発動!
「ナイト!盾!」
「はい!『パワーシールド!』」
ペアを組んでいるとはいえシステム上は敵。『ショットガンランプ』が1発当たっただけで倒れるナイトは安全に配慮しないとね。
「甘いわよ。『堕天:パワーシールド!』」
漆黒の盾が召喚されて『ショットガンランプ』を完全に防いだ。なら…
「ジャーーーンプ!」
「ふん!わざわざ射程に入ってくれるなんて、親切じゃない!」
「喰らえ!私のとっておき!」
【イヤーエンジェル】が身構える。でもちょっと考えてみてほしい。私はかなり魔法を使ったからもうMPはすっからかん、だから…
「おいで![スチールソード!]」
当然魔法は使えっこない!剣一本で勝負!
「貴女まさか…嘘付きね!許さないんだから!」
「うりゃ!そりゃあ!」
ただの剣で攻撃!でもパワーアップしたらしい【イヤーエンジェル】に当たるわけもなく…。
「残念でした!『堕天:エンジェルフレイム!』
黒い炎の壁に呑まれる。勝ちを確信したのか【イヤーエンジェル】はナイトの方へ向かおうとする。でも私には『ハニーコーティング』がある!透明な羽織に身を包まれてHPは50をキープする。
「うりゃぁぁあああ!」
「なんですって!?」
私がまだ戦えることに驚いた【イヤーエンジェル】が驚愕の声をあげる。その隙に彼女に抱きついて身動きをとれなくする。
「ナイト!!!」
「ありがとうございます。ランプ。『ネイベルスナイパー!』」
必中の矢に黒い立方体の粒子を絡めてナイトが射った。
「くそっ!どきなさい!貴女もやられるわよ!?」
「残念でした。私はーー」
漆黒の矢が私と【イヤーエンジェル】を貫いた。
「私は、HPが1だけ残るからね!」
これまで有効な攻撃を当てていなかったからか天使はギリギリ耐えたようでまだ消えてない。
「ナイトごめん!いいとこ取りしちゃうね!」
「まぁ、仕方ないですね…」
「えいっ!」
スチールソードでひと思いにザクッと斬った。うん、私たちの勝ちだぁ!
「・・・1人じゃ絶対無理だったなぁ」
いつか1人で倒す……いやそんな日来るかなぁなんてブルーになったり…。




