79話 強者ガールズトーク
頭が追いつかない! 勉強会で疲れたのもあるけど元から頭が悪いわたしには理解できる余地がなかったんだけど!
「ナイト!どういうことなの!?」
「落ち着いてください。別に本当にディスポンを抹殺するわけではありません。大事なのは取引の最後です」
「最後…?半年かかるってやつ?」
「はい。それだけの期間があれば他の魔法少女にもこの件を伝えることは可能でしょう。そうすれば聖王国と手を組むのか、私たちだけで魔道国を相手にするのか選べます」
「おお!」
なるほど…!つまりナイトは私たち魔法少女が一致団結するための時間作りをしてくれたってことか!
「でも…別に聖王国と手を合わせて戦えばよくない?」
単純に考えて仲間は多い方がいいし。
「・・・あなたは人類の未来をあの餅に託せるのですか?」
「・・・いや…ちょっと考えさせて」
たしかにちょっと状況が悪くなったら「残念だったお☆」とか言って寝返りそうだもんあの餅。
「それに…私の仮説では…」
「ん?」
「いえ。なんでもありません。それでなのですがランプ」
「はっ、はい!」
やっぱりランプ呼びはまだちょっとドキッとしちゃう。
「これからの半年間。私たち二人で行動しませんか?【ティクルグラント】さんや【リックキャンディ】さんのように」
え、えええ!?
「わ、私とナイトが…タッグを組むってこと!?」
「別にルールの範囲内なので問題はないはずです。一人でちゃんと他の魔法少女たちに説明ができますか?」
「うっ! それを言われると…」
たしかに無理だ。理解してないのに人に説明なんてできっこない。
「それにメリットもあります。もう説明するまでもないでしょうが、魔法少女たちは知っての通りくせ者揃い。あの子達がちゃんと話を聞いてくれると思いますか?」
「それは・・・ないだろうね」
特に中二病娘の【ペインバタフライ】や天真爛漫な【スニフマリー】なんかは話を最後まで聞いてくれないだろうなぁ。
「ですからボーナスタイムの時間なら確実に拘束できるので説明がしやすい。そこで二人で組むことで勝率がぐんと上がる。どうです?」
「す、すごい!けど…半年でしょ?それだと6人にしか伝えられなくない?」
「お忘れですか?私たちには2月まで猶予がある。それならクリスマスの日にたくさんの魔法少女に伝えることが可能でしょう」
「ほ、本当だ!…あれ?それだとクリスマスの日だけ組めばよくない?」
「逆です。クリスマスの日にはランダムで転移されますから。その日までの4回で魔法少女に伝え、その4人にクリスマスでは一人で可能な限り大勢の魔法少女に伝えてもらう。そうすれば…」
「そっか!それならほとんどの魔法少女に行き渡る!」
「そういうことです」
すっご…どこまで頭が回るのこの子!うちの学校の生徒なんだろうけど頭いい順に探してみたらすぐ見つかるかも?
とりあえずこの半年の動き方が決まったね!まぁそれはそれとして…
「きょ、今日はどうする?」
「今日は…もうあと30分ほどですか。戦います?」
「できれば戦いたくないなー…なんて…?」
「そうですね。私もそんな気分じゃありません」
よかった…まだまだナイトとタイマン張れるほど強くはないしね。
「じゃあどうしよっか?」
「そうですね…その…おしゃべりというのは…どうですか?」
な、ナイトがちょっと頬を赤らめてる!?
「う、うん」
吊られてきっと私も赤くなってるよ…!
「来月からの待ち合わせ場所も決めなきゃだね。どこにしよっか?」
「そうですね…ここはどうですか?」
「ここって…学校!?」
「はい。この近辺には多くの魔法少女がいますから」
「うん!わかった。この時間になったらすぐに学校に向かうね」
ここで一度会話が途切れる…。ど、どうしよ!?どんな話題を出せば良いの…?
「あ、あの…好きなタイプはどんな方ですか?」
「へっ!?」
ちょっと意外なことを…。
「えっと…真面目で誠実な人だけど、完ぺきってわけではなくて支え甲斐がある人…かな?」
なんかすごくマジで答えちゃったよ…。
「そ、そうですか…真面目で誠実…」
「そういうナイトはどんな人がタイプなの?」
「へぇ!?わ、私ですか!?」
おぉ…今まで何回もナイトに会ったけどはじめての表情だ…! 照れ困惑な顔も綺麗で…イイ。
「わ、私は…明るくて引っ張ってくれる人。でも欠点も多くて…二人で障壁を乗り越えていける人がタイプです」
「な、なるほど…明るくて引っ張る…」
ちょっと意外。もっと物静かでキリッとした人が好きなのかと勝手に思ってた。私にも…ワンチャンあるってことなのかなぁ?うぅ…聞きたい!現実のナイトがフリーなのか!
案外普通なガールズトークをしているうちに30分が経過し、景色がコンビニのトイレに移った。
「あ・・・またね。くらい言えばよかった…」
ヤバいヤバい!バトルじゃなくてちゃんとお話ししたらもっと好きになっちゃった…!
とりあえずお菓子を急いで買って、輝夜ちゃんの家に戻るのでした。




