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魔法少女が変態でした。  作者: 三色ライト
本編

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78話 愛と希望の使者

「・・・話?」


 意外にも魔法少女たちは襲いかかってくることはなく、ただ冷静に私を見つめていた。


「いいでしょう。ただし、何か変な行動を起こし次第すぐにこちらの管理者を呼びます。よろしいですね?」


 青黒い方の魔法少女…確かナイトと呼ばれている方は乗り気のようだ。


「それで?話って何?」


「ここで立ち話もなんだから、ついて来て」


 そう言って歩き出すと素直について来た。ついて来てと言っても土地勘はないから学校に向かうしかない。


 とりあえず学校に到着してから二人を座らせた。どこか授業のような感じになる。


「話の内容はただ一つ。取引をするつもりはない?」


「取引…?」


「具体的には?」


 食いついた! 正直聞いてもらえるとは思っていなかったから意外…。


「まず私の正体は・・・[デスペラード魔道国]四天王が一人【吸血姫】」


「やはり…」


「え?何それ?」


 ランプと呼ばれる魔法少女は魔道国についての説明を受けてない…?ずいぶん舐められたものだ。


「あなたも聞いたことがあるでしょう。私たちはお互いと戦う前に魔獣と戦っていました。その魔獣を送り込んでいたのが[デスペラード魔道国]です」


「ええっ!? じゃあ敵ってこと!?」


 ランプが一層警戒して私を見てくる。逆にナイトの方は何も動じていないようだ。


「・・・驚かないの?」


「なんとなく察しはついていましたから」


 すごく有能なようだ。まるで輝夜みたい。ランプのほうは…理解が追いつかず混乱している。なんか灯みたいだ。


「本題に戻る。魔道国は人間界を征服しようとしている。私たちは三年間力を蓄えていた。このまま侵攻してもいいけど幹部同士で(いさか)いが起き始めた」


 当然こんなの真っ赤な嘘である。幹部なんて私以外逃げたし。ここで魔道国の強さを誤認させることができれば、付け入る隙は生まれる。


「なるほど…」


 よし、信じた。


「そこで、あなたたちには私の勢力以外の幹部の弱点を教える。これが私の取引材料」


「・・・それで?私たちは何をあなたにもたらせばいいのですか?」


「私が望むのは…あなたたちの管理者[愛と希望の使者]の抹殺。もしくは無力化」


 そう。あの聖王国四天王のうち最強の奴さえ退場させられたら作戦の立てようによっては私たちの勝利もありえる。人間たちにとって聖王国など関係のない話。それを売っただけで脅威の対策が打てるなら安いもののはず。


「いいでしょう。ただし、それ相応の時間はかかります。期間はおよそ半年ほど。その間人間界に何もしないと約束できるのなら応じます」


「え!? ナイト!本気!?」


「人間界を守る可能性が上がるなら十分でしょう。私たちには何のデメリットもありません」


 ナイトはやはり優秀な脳を持っているようだ。だからこそ、騙しやすい。


「・・・わかった。半年後、また来る。『(アーラ)』」




 そう言い残して飛翔。なんとか誤魔化せたし時間も稼げた。作戦は成功。・・・よしっ、あとは適当なところで時間が過ぎるのを待って灯に勉強を教えないと…。


「どこへ行くつもりだお☆。【吸血姫】」


 ぞくっと背筋が凍る感覚に襲われる。振り返って見ると手のひらサイズの餅が喋りかけてきたのだとわかる。


「その雰囲気…あなたが…」


「そう。僕が愛と希望の使者、ディスポンだお☆」


 ・・・最悪だ。まさかここで遭遇することになるとは…ナイトがいち早く連絡した…?いや、そうは思えない。さっきのナイトの目はこの餅に対して好意的な感情は抱いていないとわかるものだった。あれほどあっさり切捨てる可能性も見せたのだから違う。


「・・・初めからつけていたの?」


「いや。さっき偶然見つけただけだお☆。でもようやく尻尾を掴めたお☆。ここで…終わらせるお☆」


「・・・『(エスパーダ)』」


 血色の剣を召喚。手加減はしない。一瞬で、終わらせる!


「やれやれ。ひょい☆」


 なっ、避けた!? 的が小さくて当てづらい…。


「このままの姿じゃ戦いにくいお☆…仕方ないお☆。『メタモルフォーゼ!』」


 バフンッ!!という効果音と共に餅が白い煙に包まれる。


 煙が晴れてさっきまで餅がいた場所には…一人の少女が立っていた。


「いやー、久っさしぶりだお☆! テンション上がってくるお☆〜〜!」


 腰まで伸ばした虹色の髪が目にチカチカとして痛い。眼球にも☆があり活発な印象を受ける少女。あれが愛と希望の使者の戦闘態勢か。


「んじゃ早速、『レインボーシャワー!!!』」


 虹色の髪が光り輝き魔力を放出する。上空に打ち上がった虹色の魔力は細かく分散し雨のように降り注いだ。


「『(エスクード)』」


 血色の盾を上に発動して防ぐ。が、虹色の雨はおかまいなしに盾を貫通してきた。


「何!?」


 とっさに翼で防ぐがダメージが大きい。早めに反撃にでないと狩られる…!


「『(バーラ)』」


「ひょい☆ひょい☆だお☆」


 なぜだ…なぜ当たらない!普通に目視で避けられるような速さじゃないというのに!


「あ〜〜!つまんないお☆〜。せっかくこの姿になったのに張り合いってものが無いお☆。もういいお☆。『レインボーフォレスト!』」


 その言葉と共に虹色の植物がはるか下の地面から生えて迫ってきた。その規模が…おかしい!

 その大きさは優に400mを超えている。そんな化け物が7本も生えてきた。


「バイバーーイ。だお☆」


 その合図と共にムチのようにしなった植物が襲いかかる。ダメだ。処理できて1本が限界。ここまでか…。


「ウチの者が世話になったようじゃの」


 その声に呼応して、虹色の植物たちは一斉に枯れ果てた。


「魔道王…さま…」


 その声が届いたのかもわからない。ここで私の意識は途切れた。

少し下にある☆から評価されると…嬉しいです。

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