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魔法少女が変態でした。  作者: 三色ライト
本編

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71話 2年2組

「それで…?どうするの?」


 私とナイトで【吸血姫】を相手にするといってもただ戦うだけだと絶対に勝てない。リスクが大きすぎて簡単にはあの黒い状態にもなれないだろうし…。


「前回と同じです。各々やれる事を、全力で」


「え?」


 そう言ってナイトは全速力で【吸血姫】に向かっていった。


「ちょ!待ってよ!」


 慌てて追うけどナイトのが速い!スキルか…!


「はぁ!」


「・・・甘い。『(エスクード)』」


 血色の盾でナイトの槍を防ぐ。私はどうしたら…。いや…上からの攻撃ならいけるか!?

 なら、ジャーーンプ!


「『サンダーボール!』」


 上空から雷の球で攻撃! 盾の範囲外からならイケるでしょ!?


「『変身(カンビオ)』」


「「なっ!?」」


【吸血姫】が白いコウモリになって飛び立った!? ナイトもこれには唖然と見守るしかできない…。


「ナイト! ちゃんと作戦を立てようよ!あんなのに無策じゃ勝てないって!」


「・・・」


 これだけ言ってもナイトは無言…ちょっとだけイラッとしてきた、、、


「ちょっと!聞いてるの!?」


 当然そんなことを叫んでる間も【吸血姫】は待ってくれない。白いコウモリからすぐに人型になった後私たちの前に舞い降りた。


 うぅ…勝てるわけない…。ナイトはなにを考えてるの? わたしには見えてないことが見えているんだろうけど…ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ…。それとも、私には言う必要もないって思ってるのかな。


「消えなさい…(バーラ)


 赤い光線を両手から二発!私とナイトに撃ってきた。私はギリギリのところでかわして、ナイトは槍を使って受け流した。


「ランプさん!前!」


「え?」


 体勢を立て直して…というところでもう目の前に【吸血姫】が・・・!


「うぐっ!」


 首根っこを掴まれた!? 遠目にナイトが駆け寄ってくれてるのが見える…でも…間に合わない!


「前と一緒。ここで…終わり。『血の薔薇(サングレ=ロサ)


 構えていた剣から血の滴るツタと棘が飛び出して私の腕に絡みつく。どんどんHPが削り取られて…これ…ヤバイ…。


「ランプさん!!」


 ナイトが駆けつけてくれた。でも…


「『(アーラ)』」


「あガッ!!!」


 血色と黒色の大きな翼ではたき落とされた…。このままじゃ…なにもできずに終わっちゃう…。やっとナイトと少しだけ並び立てたと思ったのに…。


 HPが残り70・・・60・・・どんどん削れて…。

 残り・・・50!


 シュンッ!!という音と共に私の真上に魔法陣が生まれる。


「え!?」


 その魔法陣から私に降りかかってきたのは…ハチミツ!?

 それを確認した次の瞬間、私の目の前にシステムからのメッセージが表示される。私の目に映し出された文字はーーー


≪『ハニーコーティング』自動発動≫


 上空から降りかかるハチミツを受け…私のピンク色の衣装は金色に輝きだし、防御の甘かった腕や背中にまで透き通ったハチミツが凝固して透明な羽織のようになる。


 いち早く察知した【吸血姫】はさっさと避けたから無力化はできなかったけど…なんか防御力がすごく上がった気がする!


「そういえば新しくゲットした魔法の効果、見てなかったなぁ」


 HPは50でキープしている。あれ?ツタと棘が腕に絡まってたはずだけど…。下を見るとツタだったものが溶けてドロドロになってる。そういえばハチミツには消毒作用があるんだっけ?それに関係してるのかな?


「・・・さぁ、決着をつけようか!」


 正直言ってパワーアップした今も勝てる未来は見えない。でも…ちゃんとナイトと協力できれば、可能性は0じゃない!


「ナイト!後ろに回って!挟み撃ちにするよ!」


「!? 」


 すごく驚いた表情で私を見る。でもすぐに涼しい顔に戻って


「はい!」


 そう…言ってくれた。やっぱり・・・ナイトはあまり人に慣れてないだけだ…。私と協力したくても接し方がわからなかっただけなんだ!


「そんなこと…無駄だと理解できない?」


【吸血姫】は眉ひとつ動かさない。圧倒的強者の余裕ってやつ?を感じる。


「『フレイムボール!』」「『サンダーボール!』」


 同時に魔法を発動!


「『(エスクード)』」


 私の魔法は盾で、ナイトの魔法は翼で防がれる。そんなことは予想通り!


「ジャーーーンプ!」


 防御に使う盾も翼も使った今、上はガラ空き!変身したって通常攻撃の弾幕は避けきれないでしょ!?


「うりゃうりゃうりゃうりゃあ!!!!」


 対空時間中に撃てるだけの通常攻撃を撃つ!そこそこMPが回復してるから当たってはいるみたいだね。


【吸血姫】はまた変身したみたいで白いコウモリが煙の中から空へ飛んでいった。すぐ人型に戻って空に滞空してる。…よし、今のうちだ!


「ランプさん!」


 ジャンプで向こう岸のナイトとも合流できた。さぁ、ここからだよ!


「ナイト!弓出せる?」


「はい。[ブライトアロー]」


 [星一祭]の日の戦いに見た弓を召喚。よし、あの技で決める!


「『ショットガンランプ』」


 武器を捨てて手持ちランプに持ち替える。


「『ネイベルスナイパー!』」


 必中の矢を構える。そこの矢尻にちょっと失礼。


「な、何を!?」


「いいから信じて。ね?」


「は、はい…」


 ちょっと顔が赤い?厳しい戦いで興奮するタイプなのかな?

 矢尻に手持ち部分を引っ掛けつつ…『ハニーコーティング』で得たハチミツをちょっと塗れば…うん、くっついたね!


「ナイト!お願い!」


「はい!せやぁ!」


 必中の矢を放つ!青白い光と共に放たれた矢は旋回して様子を見ていた【吸血姫】目掛けて追い続ける。


「・・・厄介な…『(エスクード)


 血色の盾で必中の矢も完全に止めきる。でも…矢尻が本命!


「『ショットガンランプ』発動!!!」


 それと同時にジャーーンプ!


「こんなもの…防げないとでも思った?」


「うん、わかってたよ」


「なっ!?」


 驚愕する【吸血姫】の翼をがっちり掴む。絶対離してやるもんか!


「ランプさん!!!」


「くそ!離せ!」


 ブンブン身体を捻って振り落とそうとするけど残念!粘度高めのハチミツでくっついてるからそうそう離れないよ!


「『ハニートラップ!!!』」


「なっ!?」


 全身からハチミツを噴出!さっき通常攻撃でMPを稼いでなかったから発動できてなかったけど…油断したね!


 翼の自由を奪われ、体も硬直されられた【吸血姫】は飛べずに落下する。


「あとはお願い!ナイト!!!」


「私もMPはないですが…『イグジストナイトメア!』」


 ナイトが漆黒の服を纏い黒い立方体を散らばらせる。もう、地面に着く!


「『フレイムボール!』」


 黒炎の球に包まれ、【吸血姫】は姿を消した。そして私も…こりゃ巻き添えだぁ!


 ・・・あれ?HPが1残ってる…?


「ランプさん!」


「うぉ!?」


 ナイトが抱きついてきた!?突然のことすぎて色気ない声を出しちゃったよ…「うぉ」って…。


「ちょナイト?落ち着いて?」


「あっ、す、すいません…」


 い、意外だなぁ…こんなにも感情豊かだったんだ。


「なんで私まだ負けた扱いじゃないんだろ…?」


「その羽織のおかげじゃないですか?」


 そういえば『ハニーコーティング』の効果を見てなかったね。『マジカルボード』を取り出して…なになに


『ハニーコーティング』

 ①この魔法は通常発動ができない。

 ②HPが50を切ったタイミングで自動発動する。

 ③HPが0になる威力の攻撃を受けた時1度だけHPが1残る。

 ④消毒作用あり。


 ・・・? ちょっと文章量多くてよくわかんない…。けど強そうってことだけはなんとなくわかる…これ消費MP0だし。


 ナイトは…敵っちゃ敵だけどいっか。見せちゃえ


「どう?これ。強い?」


「これは…とんでもなく強い魔法じゃないですか…大当たりですよ」


「やっぱり?やったぁ!」


「おめでとうございます!」


 ・・・なんかナイトと普通に会話してるけど…これ戦闘中だったよね。


「えっと…私たちは…」


「私はもうHPもMPもありません。戦うつもりはないですがランプさんがその気ならいいですよ?」


「遠慮させていただきます!」


 あんなに強い敵と戦ったばかりなのにまた強敵と戦ってられるか!


「両方ともHP1だよね?これボーナスタイムどうなるんだろ」


「両方同じなら引き分けですね。私たちは【吸血姫】にだけボーナスタイムを施します」


「あっ、そうなんだ〜!」


 それから待っても待っても【吸血姫】は現れることは無かった。

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