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魔法少女が変態でした。  作者: 三色ライト
本編

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67話 修学旅行の夜

「・・・ただいま」


「遅い!どこほっつき歩いてたの!? 心配したんだよもー!」


 ブラッディが帰ってきた…けどもう21時!2時間もどこに行ってたんだろ…。


「もうちょっとで先生に相談するところでしたよ…。気をつけてくださいね」


 無言のままコクンと頷いた。こんなところ…って言ったら失礼だけど何もないのによく2時間も外出できたね…。


「さぁ!夜はまだまだ長いよ!」


 こっそり持ってきたトランプを取り出す。輝夜ちゃんはにっこり笑ったけどブラッディは「?」という表情。ルーマニアにトランプは無かったのかな?


「ブラッディは初めてみたいだから…簡単なババ抜きでいいかな!」


「いいと思います。ブラッディさんにはルールを教えますね。灯はカードをシャッフルしてください」


「はーい」


「・・・『灯』?」


 ブラッディが不思議そうな顔で私たちを見てくる。気づいたの!?意外と私たちのことを観察してたんだねこの子…。


「あぁ…呼び方を変えたんですよ。ね?灯」


「う、うん!」


 まだちょっとドキッとする。それは輝夜ちゃんも同じなようでちょっと頬を赤く染めていた。


「そう・・・なんか甘いというか…体が痒くなるというか…そんな波動を感じる」


「「・・・?」」


 ブラッディの言ったことはよくわからなかったけどまぁいっか。

 ババ抜きは序盤は私が勝ってたのに後半からはブラッディが謎の無双を始め…。気づけばもう22時でした。


「あっ!お風呂入ってない!」


「そういえば忘れてましたね…」


 今回は大浴場ではなく各部屋に付いているお風呂に勝手に入れスタイル。テキトーな…。


「じゃあ今のババ抜きの順位で入ろっか。ブラッディ行ってらっしゃーい」


「・・・お風呂?」


「お風呂という文化はないですよね。シャワーもあると思うので大丈夫ですよ」


 ニコッと輝夜ちゃんが笑いかけてあげる。それでもブラッディはまだ「?」という表情で…


「シャワー?」


「「え?」」


 さすがに私も輝夜ちゃんも固まってしまった。これは…予想外な…。


「ル、ルーマニアにはシャワー無かったの?」


「無い」


「そ、それは知りませんでした…。とりあえずシャワーというのは体をお湯で洗うものです。サッパリしますから体験してみてください」


「・・・うん」


 ふら〜っとシャワー室へ入っていく。と同時に輝夜ちゃんと目があった。


「・・・ブラッディってもしかして今までシャワーもお風呂も入ったことない?」


「ま、まさか…」


「だよね…シトラス系のいい匂いするし」


 だとしたらあれは「無知だよボケ」だったのかな…ツッコミ待ちだったら申し訳ないな…。


「さりげなく嗅いでるんですね…」


 ちょっとジト目で見てくる。やっぱり呼び捨てになったから心の距離も縮まったのかな? 遠慮がなくなった気がする。


 ドカーーン!っとすっごい音が近くでなった!


「え、な、何!?」


「お風呂場の方から…ブラッディさん!」


 輝夜ちゃんと私が全力でお風呂場へ向かう。


「ごめんブラッディ、開けるよ!」


 ガラッとお風呂場の扉を開けると…


「「・・・え?」」


 ブラッディが幼女を抱えてお風呂に入っていた…。





「・・・で、誰?その子」


「その子とは何だ!その子とは!妾はまど…むぐっ!!」


「・・・親戚の子」


 とりあえずホッとした…その辺の子を誘拐して連れ込んだわけじゃなくてよかった。なんか幼女はジタバタしてるけど。


「親戚の子を修学旅行に連れてきたんですか?」


「この近くに家があるから。宿だけでもと」


 これまた自由だなぁ〜。普通連れてくるかね…。


「まぁ先生には黙っててあげるから、ちゃんと明日の朝には帰してあげるんだよ? 君、名前は?」


「誰に向かって君などと問うか!妾はま…ムググ!!」


「この子はマオ。よろしく」


「よろしくね、マオちゃん!」


「マオさん。よろしくお願いします」


「モガモガーー!!!」


 なんで口を手で塞いでるんだろ…。あえて聞くのはやめとこう…これ以上はお腹いっぱいだよもう。


「じゃあ次は輝夜ちゃんがお風呂どうぞ! マオちゃん、私とブラッディと3人でトランプしよ?」


「・・・ルールは私が教える」



 今日はこの後消灯時間までトランプで盛り上がりました!




 ーー-----------------------




 消灯時間なるものが来たら灯と輝夜はすぐに寝静まった。


「おい!いつまでこうしているつもりだ!」


 とりあえず魔道王を抱きかかえる体制でベッドに入ったが…あいにく私は夜行性だから眠らない。


「ちょっと魔力を吸わせてください。日光に当たりすぎて限界なんで」


「うぉ! ちょ…あっ、んっ!」


 プニプニした幼女の首筋に牙を立てて吸血する。案外色っぽい声を出した王に正直興奮した。


「はぁ、はぁ。ありがとうございます」


「なんて勝手なやつじゃ! 人間界を見てみたいと言った妾がバカじゃった!帰る!」


「待って。夜中帰ったとなると二人に怪しまれる。朝まではいて」


「それまで好き勝手するお主に抱かれて寝ろと!?」


「まぁ…そうですね」


「ムキー!!!」


 ちょっと静かにしてほしい…二人が起きる…。


「妾はこんなところに遊びに来たお主と違って視察に…視察に…ん…むにゃ…」


 ・・・!?

 嘘のように寝落ちした…。むしろ才能。


 それにしても…この感情は何? 初めは人間と必要以上に関わるつもりはなかったのに。なぜ自然に会話に入り、遊んでいる…。


 その答えがわからない上に夜は眠れない体質。長い長い孤独な夜だ。昼はそんなことないのに…。


 その孤独を紛らわせるため、眠っている魔道王をぎゅっと抱きしめるのであった。

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