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54話 煩悩だらけのスキー教室:後編

 お昼ご飯を食べ終わってから4時間ほど滑ったら初日のスキー教室はおしまい。やっぱり初心者コースだから基本的なことしかしなかったね。明日はもう少し上までいくみたいだから楽しみ!


「うへー、疲れたぁ…!」


 普段なら絶対使わないでしょって筋肉ばっかり強張らせていたからパンパンになりそう。


「それにしても輝夜ちゃん超上手だったね。本当は経験あるんじゃないの?」


「確か小学校に入る前くらいまで毎年ソリに乗っていたので滑ることに抵抗がないからかもしれませんね。スキーは本当に初めてですよ」


 ソリ・・・いいね! 二人乗りしたら初めてだから〜ってことにして輝夜ちゃんの後ろに乗れば抱きつき放題じゃん! 来年の冬は絶対にソリに誘おう。


「1組の人からお風呂入っちゃってくださーーい」


「「「「はーーい」」」」


「じゃあ行こっか、輝夜ちゃん!」


「はい!」


 おおっ! 大浴場広い! さてと着替えないと…


「灯ー、美山さーん、お疲れ〜」


 脱衣所で晴香が話しかけてくる…裸で。タオルも巻かずに堂々としてるけど恥ずかしくないのかな?部活の合宿とかで慣れてるのかもしれないけど。


「おつかれー、中級コースはどうだった?」


「んーまぁ安全第一って感じだったかな。そっちは?」


「同じ〜。てかリフト一個分しか登ってない」


 脱ぎ終わって軽くタオルを身体に添える。やっぱり私は恥ずかしいや。浴槽に入るときは流石に取らなきゃいけないけど。

 そしていつも通りできるだけ輝夜ちゃんの身体は見ない! 忍耐だ…我慢だぞ私!


「灯さん?どうしました?」


 あっ、やばい。露骨に輝夜ちゃんを見ないようにしちゃってたか…。


「う、ううん!なんでもないよ?」


「そう・・・ですか?」


 チラッと輝夜ちゃんの双丘が見えちゃった…。美しい乳とはよく言ったものでまさしく芸術的なモノをお持ちで。それにひきかえ私は…。


「灯のちっぱいは見たまんまだなぁ。もうちょっと着痩せするーとかベタな展開を期待してたんだけど」


「晴香うるさい!」


「あはは、怒った怒った〜!」


 煽りに満足したのか晴香はちょっと遠くへ去って行った。これで輝夜ちゃんと二人きりになる。


「まったく晴香は・・・輝夜ちゃんも気をつけてね?」


「はい。でも…」


「んん?」


 輝夜ちゃんがジッと私の胸を見つめてきた。


「え? ど、どうしたの?」


「私はそのサイズ、好きですよ?」


「ほへ?」


「さ、上がりましょうか」


「う、うん…」


 浴槽から出る輝夜ちゃんの顔が、ほんの少しだけ赤かったのはお風呂が熱かったからなのか、私には聞く勇気がありませんでした。



 夜ご飯を食べたらあとは寝る時間! 新潟県だからかお米がすごく美味しかった…気がする! お米の違いがわかるほど舌が肥えているわけじゃないけど。


 ちなみに大人数での遠出だからという大義名分で輝夜ちゃんの歯磨きを久しぶりに堪能することができた!あと20夜くらいここで暮らしたい!


 部屋は各3人部屋。輝夜ちゃんと私と、あとは2組の子って聞いてたけど…


「あー! あの時の!」


 なんと童話ファッションショーでお世話になった子だった!


「あー久しぶり〜。同じ部屋だったんだ〜」


「あの時はありがとうございました」


「いいっていいって! ウチの担任も喜んでたし」


 流石に他のクラスの子がいたから輝夜ちゃんとイチャイチャする…は叶わなかったけど、この夜はガールズトークで盛り上がりました! ・・・消灯時間まで。マジメか!




 んー…朝?

 カーテンを開けると一面の銀世界。朝日が雪に反射して眩しい…。


「んん…おはようございます。灯さん」


「おはよー。見て見て輝夜ちゃん!超綺麗!」


「んん…」


「ああゴメン、眩しかった?」


「いえ大丈夫です…本当だ。綺麗ですね」


「ヒューヒュー!いい雰囲気じゃーん!」


 うおっ!びっくりした…


「ちょっと〜、驚かせないでよね〜」


 2組の子が私と輝夜ちゃんの間に入って肩を組んできた。


「もう朝ごはんだよ。行こっか」


 朝ごはんをサラッと食べ、さて二日目のスキー教室! まぁ今日で最後なんだけどね…。


「おはようございます! まずは昨日のおさらいからしましょう!」


 昨日滑れるようになったから楽々といくかと思ったけど案外難しい…。輝夜ちゃんはスラスラ滑ってるけど。なんとか滑りきって下まで到着した。


「はーーい。じゃあ今日はリフトを二つ乗ったところまで行きましょうか!」


 そう言ったお姉さんコーチについてリフトを乗り継いでいく。高いなぁ。地に足ついてないからか背中辺りがかゆい…。なんなんだろこれ。


「おおー広ーい!」


「のびのび滑れそうですね」


 一番スタンダードな滑り場なのかかなり広い!これならコケても大丈夫そうだね。


 お昼ご飯の時間も挟みつつ、ゆっくり滑っていたのがだんだんスピードも出せるようになってきた! なんか楽しさがわかってきたかも!


 ・・・って時に限ってもう終わりの時間が来てしまった。体育とかでもそうだけど慣れてきて楽しさがわかった次の瞬間くらいに終わりが来るのをなんとかして欲しい。


「んじゃ、最後は下まで一気に滑ってもらおうかな〜。一番遅かった子以外にはお姉さんがジュースをおごってあげよう」


「「おお〜」」


 よしっ! 少なくとも一番遅くならないなら可能性はある!


「よーい、スタート!!」


 10人くらいで一斉に滑り出す。輝夜ちゃんにいいところを見せようと私も速度は落とさない。


「あっ!」


 やばい…!バランスが!


「きゃっ!?」


「あっ! 灯さん!」


 転びそうになるところへ輝夜ちゃんが来てくれ…じゃない! 私が輝夜ちゃんのほうに転がっちゃったんだ! ぶつかる!!!


 ゴンッ! という音と共に派手に転倒する。

 いたた…雪とはいえ地面は固いなぁ。…ん?なんか口元は柔らか・・・ってんん!?


 "今年の目標は輝夜ちゃんとキスまでいく"


 この目標は、どうやら2ヶ月半で達成することになったようです。


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