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魔法少女が変態でした。  作者: 三色ライト
本編

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52話 弱った心

 何もない白い空間。ボーナスタイムの控え室に送られるのはこれで何度目でしょうか。


「負け・・・ましたか」


 正直【スニフマリー】さんを見た時は負ける気がしなかった。今日はサラッとポイントを獲得して終わり。だと思っていた…。これが慢心というモノなのかもしれない。


「私も、まだまだですね・・・」


【ハニーランプ】さんに加えて【スニフマリー】さん。魔獣と戦ったことのない言わば第2世代の魔法少女にこれで2度敗北したことになる。5回戦って2勝・2敗・1分の結果は新人相手と考えると限りなく0点に近い。いや、最強格と呼ばれている私なら全勝して当たり前。0点ですね。


 華やかなポールが地面から生え、私を手錠で拘束する。そのまま勢いで上へと引っ張られ…


 気づけば先ほどまで戦っていた場所へ出る。


「待ちくたびれたデス!【ネイベルナイト】さん、覚悟するデス!」


 格上と思っている私に勝てたからか、相当上機嫌な【スニフマリー】さんに思わず表情が緩みそうになる。ただ油断してはいけない。こんなあどけない少女でも魔法少女である以上大なり小なり曲がった性癖を持っているはず。


 ジリジリ近づいてくる【スニフマリー】さん。ちょっと目が怖い…。そのまま私の後ろへ回り込んで耳打ちする。


「早速ですが、この目隠しをつけてもらうデス」


 シュルッと後ろから黒い布で目を覆われる。目が見えなくなった瞬間から一番気になったのは音だ。


 聞いたところによると人間は情報の8割ほどを目から得ている。その目を覆われたことで次に割合の高い聴覚が過敏になったのでしょう。


「ふぅー」


「ひゃ!?」


 耳に息を吹きかけられた。・・・なんて声を…恥ずかしい…。


「ふふ。耳弱いデスかぁ? あむっ」


「んっ…」


 耳たぶを甘噛みしてくる。【スニフマリー】さんの性癖は耳なのでしょうか。だとしたら「あの人」とかぶっていますが…。


「じゃあ前戯はこれで終わりデス。本番、行くデスよぉ〜?」


 私は戦闘中に長い髪を結んでポニーテールにしている。【スニフマリー】さんは私のポニーテールを形成しているゴム紐を慣れた手つきで外してきた。


「ああ…綺麗な髪デス…。【ハニーランプ】さんみたいな中くらいの長さもいいですけど、やっぱり【ネイベルナイト】さんの長い髪はそれより数倍はそそられるデス!」


 ぶつぶつ呟きながら髪をいじってくる。【ハニーランプ】さんも一度ボーナスタイムを受けたことがあるようですね。


「じゃあ失礼するデス」


「なっ!?」


 髪をかき分けてうなじ付近に鼻を近づけている!?


「スンスン…」


「ひっ…!」


 後頭部で匂いを嗅がれると…ひっ、ゾクゾクと…背中がっ…!


「スンスンスン…スゥーー!」


「あひゃ…んっ…」


「んん〜♪いい香りデス!石鹸系の香りデスね!」


 終わった…の?


「じゃあ次はこっちデス!」


「ちょ!?」


 スカートをめくられた? これはルール違反ではないのですか!?


「スゥーーーー。うん!官能的スメルの宝庫デス…癖になるデス!」


「ひぃ!?」


「じゃあもっと奥へ失礼するデス…」


 スカートの中身の上へ上へと【スニフマリー】さんの顔が上がってくるのを感じる。もうーー股に到達するーーーー


 ところで急に視界が復活した。


「ハッ、ハッ……」


 ボーナスタイムで息が切れたのは久しぶりだ。それこそ【ハニーランプ】さんの歯磨きまで遡る…。


『マジカルボード』にポイントのマイナスの告知が表示された。あれだけ反応してしまったため当然ではありますがやはり満点を持っていかれましたね…。


 昨日から散々だ…。灯さんはインフルエンザで休みですし、魔法少女では敗戦を喫しましたし…。無様な声を漏らしてしまいましたし…。


「灯さんに…会いたいな…」


 ベッドの上で自然と体操座りの姿勢になる。落ち込んだ時はこの姿勢になる、と最近気づいた。

 一日会えなかっただけでこれか。いつからこんなに人に依存するようになったのだろう…。


 スマートフォンを取り出す。SNSのトーク画面には初詣の日に撮ったツーショットの写真が写し出されている。


「・・・」


≪灯さん、体調は大丈夫ですか?≫


 無意識にメッセージを送っていた。病人とは思えぬ即既読で灯さんから返信が来る。


≪大丈夫だよ〜。心配してくれてありがとー! 輝夜ちゃんに会いたいよ〜∧( 'Θ' )∧≫


「灯さん・・・!」


 この一言がどれだけ嬉しいか…。私の気もしらないで灯さんはよくドキドキさせてくる。クリスマスの朝もうなじにキスされた。あの時は狸寝入りをしてしまったけどすごく暖かい気持ちになった。


≪お見舞いに行きたいです。明日行ってもいいですか?≫


 ちゃんと考えれば無理なのはわかりきっている。風邪ならともかくインフルエンザにお見舞いは無謀だし、灯さんはきっと止める。


≪嬉しいけど移っちゃうからダメ! 治ったらまた遊ぼうね!≫


 また遊びに行ける…これだけですごく安心する。何より直近ではスキー教室がある。遠出することで灯さんとの距離を近づけるかもしれない。もしかしたら、その先まで・・・。


 ふと【ハニーランプ】さんの顔が頭に浮かんだ。

 ・・・どうして【ハニーランプ】さんの顔が…どうして思い浮かべるだけで胸が苦しくなるの…。


 この違和感をかき消すため、逃げるように早々と眠りについた。

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