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4話 ハニーなトラップ♡

「……どういうことです?」


 確かな手応えを感じていたのか、【ネイベルナイト】は不思議そうにディスポンに尋ねた。


「惜しかったお☆。ランプがスキルで生き延びたお☆」


 さっきまでお腹に槍が刺さっていたけどなんとか生き延びれた。HPは150から45まで減っちゃったけど。


「HP増加スキル……基礎スキルすぎて忘れてました」


「な、なんとか助かったみたいだね……」


 話に付き合ってくれている内に攻勢にでないと!!


「『サンダーウィップ』うわわ!」


 杖から雷のムチがでてきた!バチバチ大きな音を立てるから使ったこっちのが驚いちゃったよ。


「これでも、くらえーー!」


「はぁ。『パワーシールド』」


 ネイベルナイトの出した魔法でせっかくのサンダーウィップが防がれちゃった。


 もう1つの魔法の『インフェルノ』は使いたいけど消費MPが60〜75って表示されてたから、ここぞ! って時に使いたいし……


「通常攻撃は魔力を出すイメージを持って杖を振ればできるお☆」

「うん。やってみる!」


「うりゃ! そりゃ!」


 ぶんぶん! って振り回す。すると杖の先から白いギザギザした球体が出てきて、ネイベルナイトに襲いかかった。


「ふっ! ハッ! ……もういいでしょう。終わりにしましょう。せめて魔法7つ。スキル3つ。武器2つのフル登録にしてからでないと、わたしには絶対に勝てませんよ」


 ふつうに槍を振っただけで攻撃をかき消されちゃった! ど、どうしよう。


 シュババババッ! っとネイベルナイトが槍を振り回す。怖いよ! 絶対殺す気だよあの娘!。


「ディスポン! これって逃げてもいいの?」


「まぁいいけど、多分逃げられないお☆。動きすぎたら他の魔法少女に会うかもだし、一時退却程度じゃないとハイリスクだお☆」


 一時退却……そうだ!!

 思いっきり【ネイベルナイト】とは逆方向へ走りだす。魔法少女の状態だと足も速いしすぐ息が切れたりしない! 楽しい!


「逃がしません!」


「えっ! 【ネイベルナイト】速くない!?」


「スピード向上スキルだと思うお☆」


 追いつかれちゃう……あっ、でもたしか私のスキルって……


「ジャアーーンプ! 大きいマンションを軽々超えてショートカット! これなら大丈夫かな?」


「なかなかやるじゃないかだお☆」


「えっへん!」


 なんとかハイジャンプを繰り返して、私と輝夜ちゃんの通う学校『星乃川第一高校』に到着! 学校に隠れて作戦を考えておこ……


 自然と身体が自分の教室へ誘導しちゃった。さてと、どうしよっかなぁ。


 ずっと悩んでいたこと……それは、今ある100ptの内、50ptをガチャに回すこと。絶対今ならネイベルナイトに勝てない。もしかしたら一発逆転のモノがでてくるかも……


 う〜ん……と頭を悩ませる。

 でもすぐに何かがなんでも良くなってええい! ガチャだ! とヤケになってガチャってしまった。


≪魔法『ハニートラップ』獲得≫


「おお〜すごいお☆。ユニーク魔法だお☆」


 ディスポンのテンションが上がった! 私は全然ついていけないけど。


「何それ?」


「武器にはレアリティがあるお☆。スキルと魔法にはレアリティがない代わりに『ユニーク』がスキルに3つ、魔法に7つ用意されているお☆。『ユニーク』はその魔法少女にしか使えないスキルや魔法なんだお☆」


 じゃあ私専用の魔法ってことなんだ……もしかした超強いかも? どれどれ効果は……なるほど!


 すると突然、窓ガラスが割れる音がした。えっ、明日学校に来たら窓が割れてたりしないよね!?


 おそらく【ネイベルナイト】のモノと思われる足音がする。ま、まぁ多分この教室ピンポイントで入ってくることなんてないよね?


 とか思ってたらガラッと、目の前のドアが開かれた。


「「あっ!」」


 2人の声が重なった。

 ええっー! なんでピンポイントでここに入ってくるの!?


「……『フレイムボール』」


「うわっ!」


 とっさに持ち上げた机でガードできた。私の机が黒こげになっちゃったけど。


「こんな狭くて机がいっぱいあるところじゃ、槍も振り回せないでしょ?」


「確かにそうですね。初戦でこんなところに来る人はあなたが初めてです」


 ジリジリと窓際へ追い詰められる。どうしよう……あっ、もしかしたらここが使いどころかも……


「『ハニートラップ!』」


 手をひらを真上に掲げて叫ぶとドロッとしたハチミツが手から出てきて、床に広がった。


「なっ!」


「えっへへ! 動けないでしょ!」


 ドロドロした琥珀色のハチミツが【ネイベルナイト】の肩から足までとりもちのように絡まる。

 あれ……なんだろうこの気持ち……ちょっと興奮してきた!


 ブンブンの首を振る。いけないいけない! 今はそんな場合じゃない!


 チラッと窓の外を見る。……よし、大丈夫そうかな?

 ネイベルナイトがハチミツを剥がそうとしてる間にそっと窓枠に足をかける。


「じゃあね! 『インフェルノ!』」


 すっごい炎が手のひらから出てきた!

 その爆風の反動で身体が外に投げ出される。2階から落ちたけどハチミツが地面にまで漏れていたおかげでダメージは5くらいで全然余裕!


「うわっ、すごっ!」


 見上げると教室は窓ガラスはバリバリに割れて、教科書で見るような大火事になっている。


「『インフェルノ』はもとから一撃必殺レベルの魔法だお☆。それを密室で使うなんて、エグい考えだね。あっ! お☆」


 あ、ディスポンいたんだ……

 とか思ってるうちに<You win>ってマジカルボードに表示された!


「勝ったんだ! やったーー!」


「初陣で【ネイベルナイト】に勝つなんてビックリだお☆。おめでとだお☆」


 マジカルボードにアナウンス付きで情報が流れる。

<勝利ポイント20獲得>


「えーっ、たったの20? ガチャ1回分もないじゃん!」


 プク〜と自然にほっぺを膨らませる。


「チッチッチッ、忘れていないかいだお☆。勝利者はボーナスタイムに突入できるんだお☆」


「あー! そうだったね。どんなことするの?」


「もうすぐ始まるお☆。あ、きたきただお☆」


 キュイーーン! って音と一緒に黄金色の巨大なポールが出てきた!

 そしてそのポールから伸びた手錠に捕虜のように手を縛られた【ネイベルナイト】が現れた。


「んん!? 何これ!」


 全然情況が掴めないんだけど!


「ボーナスタイムだお☆。今から【ネイベルナイト】に自分の性癖をぶつけて相手と自分が感じた具合によってポイントが増えるんだお☆」


 えっ、


「ええええええっ!?」

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