40話 煩悩だらけのクリスマス:中編
つ、着いてしまった...「ホテル:スター・フォルテシモ」
よく見たら入っていく人たちの中で女の子同士が半分くらい。こっち界隈では有名なホテルなのかな?
「す、すみません!一泊お願いします」
ホテルのフロントの人に受付をする。
「・・・高校生の方でしょうか。学年は?」
「高1です...」
「・・・申し訳ございません。18歳未満の方のご利用はお断りしております」
ええっ!? 18歳未満は利用禁止なの?
「ご、ごめん輝夜ちゃん。18歳未満は利用ダメだって...。たぶん普通のホテルなら泊まれると思うけど」
「じゃあそちらにしましょうか」
トボトボとまた駅前に戻る。はぁ。せっかくヤる気(?)だった輝夜ちゃんに申し訳ない...別に誰が悪いとかじゃないんだけど。
駅前に戻ると普通のホテルがいくらでもある。
「二人で一部屋。一泊お願いします」
「かしこまりました。チェックアウトは明日の朝10時となります」
こっちはあっさりOKでちゃった。まぁ広いベッドだけは要望通りだしいいかな?
「おお...!」
「可愛い...!」
女子二人にオススメの部屋って書いてあったからなんとなくで選んだけど、とにかく部屋が可愛い!
ベッドは大きいものが一つ...シーツがピンク色なせいか普通のホテルなのにエ○い!
「ベッド大きくてよかったです。ふかふか〜」
ゴクリ...輝夜ちゃんはもうベッドに入って横になってる。もしかして私、試されてる!?
「ま、まずはシャワーからにしない!?」
人混みの中を歩いたからそこそこ汚れたはず。
「そうですね。先どうぞ」
ザァァァァァ.....
シャワー音以外に何の音も聞こえない。輝夜ちゃん、もしかしたら本気なのでは?
もしこのまま「その時」を迎えることになったらどうしよう。0時には魔法少女にならないといけないから3時間で満足しなければならない。
「・・・お手入れしとこ...」
ホテルから支給された浴衣を着て部屋に戻る。
「輝夜ちゃんシャワーどうぞ」
「はい、いただきます」
そのままシャワー室へ入っていく輝夜ちゃんを見届け、ベッドに腰掛ける。このまま雰囲気で流されるのか、そういう雰囲気を感じてるのは私の勘違いなのか。
耳をすませばシュル、シュルと布のこすれる音がする。輝夜ちゃんが着替えているからだろう。何度か輝夜ちゃんの着替えに出くわしてはいるけど、何度も言うように裸を凝視したことはない。
ふと机を見てみるとウェルカムチョコレートが置いてあった。二、三個無くなってるところをみると輝夜ちゃんが食べたのかな?
・・・?
不味くはないけど変な味。これが大人な味ってことなのかな?
♪♪♪♪♪♪
「お?」
電話だ。めずらしい。
『お姉ちゃん?』
「桜?どしたの?」
『どしたのじゃないよ!今日泊まってくるって?』
「うん。そうだけど、なに?」
『クリスマスの日に泊まりなんて...なんか進展でもしたわけ?』
桜から問い詰めるように質問される。
「べ、別に特別なことじゃないでしょ? 友達とクリスマスでお泊まり会するくらい」
『ふん。ワンチャンスを期待してるくせに』
ギクッ! それはまぁ否定できないか。
『お姉ちゃんさ...「そういう雰囲気」になったら、するの?』
「な、なにそれ!桜には関係ないじゃない!」
『そ、そうだよね...関係ないよね。ごめん...』
桜が何が言いたいのか、話の核が見えてこない。
そのまま舞台袖に引くように桜が電話を切った。
「何だったんだろ。一体...」
時間にしてものの3分かそこらくらいの電話だったのに体感ではその倍近くに長い時間に感じたのはどうしてだろう。
「そろそろ出てきていいかお☆?」
ディスポンがベッドの下からこんばんはしてきた!
「ちょ!? 今出てきちゃダメ! 輝夜ちゃ...あー、友達がいるから!」
「さっきシャワー入ったばっかりだから大丈夫だと思うお☆」
まったくマイペースな。こっちの気も知らないで...!
「ちょっと『マジカルボード』を呼んでみるお☆」
「『マジカルボード』これでいい?」
ん?よく見たらメッセージが届いてる...
≪クリスマスログインボーナス!≫
・ポイント+50
【ハニーランプ】所持ポイント45[ー5 → 45]
「あっ!すごいポイント貰えてる!」
「300ポイント以下の魔法少女限定であげているお☆。さて0時からの戦闘について説明だお☆。このクリスマス限定の戦闘では[星乃川市]を4分の1ほどにカットして行われるお☆。さらに初期地点が市外からの参戦時と同じ形式、つまりランダムな地点からスタートになるから注意するお☆」
説明が長いなぁ...
要するにいつもよりマップが狭くて初期スポーン地点がランダムってだけでしょ?
「それと、この戦闘はいつもの2倍の最大6時間で行われるお☆。しかもこの狭さ。間違いなく乱闘戦・バトルロイヤルになるから立ち回りに注意だお☆」
怖...ナイトや【ベビーラテラル】みたいな強者に挟まれたらもうTHE ENDってことか。しかもその確率はいつもの何倍も高い...と。
「今伝えることはこれで終わりだお☆。あとは3時間半後、頑張ってほしいお☆」
シュンッとディスポンが消える。その数秒後に輝夜ちゃんがシャワー室から出てきた。間一髪だった...
「輝夜ちゃん、シャワーはどうだった?」
「ほえ〜?良かったれすよぉ〜?」
・・・?
「灯さぁ〜ん。あっついですよねぇ〜」
・・・??
「脱ぎ脱ぎしましょ〜」
え、ええ!?
「ちょ、どうしたの輝夜ちゃん!」
「いつも通りじゃないですかぁ〜」
絶対違う! 顔が赤くて目もトロンとしてて...ん?
「輝夜ちゃんもしかして...酔ってる?」
あのウェルカムチョコレートはウィスキー入りか!
「そんなわけないじゃないれすかぁ〜。まだ未成年ですよぉ〜」
いやこれ確実に酔ってる!あんな微量なお酒で!? ベタすぎないかなぁ!?
「か、輝夜ちゃん!とりあえず夜風に当たろ?ね?」
「いやれす! 脱ぎ脱ぎ!」
「ちょ!?」
輝夜ちゃんが私の浴衣を脱がそうとしてくる!
肩まで一瞬で脱がしてきた!かなりのヤリ手だ。
「うわっ!?」
ヤバイ!ヤバイヤバイ!
ベッドの上で輝夜ちゃんが私を押し倒す姿勢になった。
「美味しそうれすねぇ。食べちゃいたいかも」
こ、これから私...どうなっちゃうの!?




