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3話 ハニーランプの初陣

「じゃあ実戦について説明するお☆」


 ごくり……説明とか勉強とか苦手だけどここはちゃんと聞いておかないと……輝夜ちゃんと結ばれるために!


「戦場はこの[星乃川市]全域だお☆。【ハニーランプ】はここに住んでいるからいいけど、引っ越しても毎月1日の19:00にはここにワープするから安心して欲しいお☆」


 じゃあどこに住んでいる人が相手になるかわからないんだ。


「基本的には市内全域で見かけた相手とタイマンになるお☆。乱入されることもあるけど、この市は大きいから見つかることは少ないお☆」


 結構雑だなぁ〜。理解しやすいからいいけど。


「あの、魔法ってどうやって使えばいいの?」


「それも説明するお☆。魔法だったら叫べば使えるお☆。スキルは常時発動するし、武器の効果も常時発動型の武器を引いたから今回は心配いらないお☆」


「あ〜結構簡単そうでよかったぁ〜。あとは……ボーナスタイムだけかな? よくわからないのは」


「それは勝てた時のお楽しみだお☆。まぁ負けてもお楽しみになるかもしれないけどね。あっ! お☆」


 もうやめればいいのに……その語尾なんか☆が見えるんだよねぇ……


「早速戦場に行くお☆。家から出るお☆」


「はーい」


 窓からヒョイっと外へ出る。二階からジャンプして着地したけど、この身体だと全然痛くない!


 夏といえど19:00なら流石にもう暗いなぁ。怖いなぁ。


「むっ! 早速来たお☆」


「えっ!? どこからどこから!」


「目の前。あ〜あ、ついてないお☆。【ハニーランプ】の初陣、終了だお☆」


「ま、まだ始まってすらいないよぉ〜!」


 まだ全然見えないんだけど……

 少し待っていると、金属と金属が擦れるような音。そんな音が目の前から響いてきた!


「終わりだお☆。魔法少女歴6年のベテラン。実力派の……【ネイベルナイト】だお☆」


 白いフリルと青色のフリフリ衣装が、いい意味でまったく似合わない黒髪ポニーテールの美少女。

 15mくらい離れていても圧倒的な存在感を放っていた。


「魔法少女歴6年って……ええ!! 私駆け出しなのに!」


「あなた!」


 突然大声で呼ばれる。びっくりしたぁ。


「見ない顔ですね……新人ですか?」


「久しぶりだお☆。【ネイベルナイト】」


「ディスポン……3回未満の新規さんですか。かわいそうに」


「【ネイベルナイト】が見逃してあげればいいお☆」


「そんなことするわけないでしょう。貴重な20ポイント。うまくいけばそれ以上のポイントが得れる機会を見逃すと思いますか?」


「相変わらずストイックな奴だ……あっ! お☆」


 どうしよう。全然話についていけない……。


「え、えっと!」


 気まずい雰囲気を壊すため、勇気を持って叫んだ。


「私、戦います!」


 力一杯元気に叫ぶ。ちょっと間をおいて【ネイベルナイト】はクスクスと笑い出した。


「くすっ、それはどうもありがとうございます。私の願いの礎になっていただくこと、感謝します。あなた、名前は?」


「もりっ、あっ! えっと……【ハニーランプ】です!」


 危ない危ない……せっかく魔法少女名があるのに本名言っちゃったら意味ないよぉ。


「そうですか。【ハニーランプ】さん。貴女には関係ありませんが、私は今日非常に機嫌がすぐれません。速攻で、終わらせてあげます」


 なんかよくわかんないこの娘!。

 でも美人さんに凄まれるのもよくよく考えたら悪くない……輝夜ちゃんに明日罵ってもらう遊びしてもらおうかな。


「じゃあもう始めるお☆」


「そのつもりです。では、【ハニーランプ】さん、さようなら。『フレイムボール』!!」


 唐突に試合開始のゴングが鳴り、前触れもなく炎の球が飛んでくる。私はそれを避けられるはずもなく、甘んじて受け入れた。


「熱っ!!」

「ランプ! 上だお☆」


 反射的に上を見る。月を背に【ネイベルナイト】私に飛びかかってくる。きれい……ってそんな場合じゃない! 避けなきゃ!


「遅い。[名槍:月姫]ハァア!!」


 輝く槍が私を突き刺した。

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