28話 煩悩だらけの文化祭案
私たち1組の出し物が【童話ファッションショー】に決定してから5日経ち、それぞれ誰がどの童話の仮装をするか決定してきました!
「やっぱり美山さんは白雪姫のコスプレでしょ!絶対似合うって」
「うう!いいっ...!でもシンデレラも捨てがたい...!」
「あ、あの!私は...」
そんなこんなでまったく議論が進みません。輝夜ちゃんに何を着させるかで迷ってるのは私と、おふざけで付き合ってくれてる友達の晴香だけ。
「そんでー?美山さんはなにがいいのー?」
「わ、私は...余ったもので結構です」
「えっー!!フリフリ系の着ようよー!」
こんな言い合いをしながら5日経っちゃった。
「森野さんや美山さん、早く決めちゃってよね」
「あっ、ごめんごめーん」
流石に怒られちゃったか。家庭部さんと手芸部さんも材料調達があるだろうしね。
「今余ってるのが...シンデレラと白雪姫とかか。なんでこの王道2つが残ってるの?」
みんなこれやりたがりそうなのに。
「いやぁ〜。なんかこの2つはハードルの上がり方がエグいからか、みんな重荷に感じて避けてるんだよねぇ」
なるほど。確かにこの2つはよほど自分に自信がないと立候補するには勇気がいるかも。それこそ輝夜ちゃんクラスの美貌を持ってるなら話は別だけどね。
「シンデレラor白雪姫、どっちがいい?」
「じゃ、じゃあ派手じゃない白雪姫でお願いします」
「はーーい! 材料班さーーん!輝夜ちゃんは白雪姫でお願いしまーす」
「「「はーい」」」
「さて、あとは灯だな」
「あっ、私も仮装するだっけ?」
「当たり前だろ」
「灯さんがシンデレラにしますか?」
「い、いやそれはキツい!」
輝夜ちゃんを差し置いて私がシンデレラなんて...!
「そうだなぁ〜...髪の長さ的にマッチ売りの少女にしよっかな」
「おお〜似合いそう」
「いいですね。可愛いと思います」
ウッ! 可愛いって言われた。もう満足。文化祭編完!
「勝手に終わらせるなよ。決まったみたいだな。じゃああとは体育祭の種目決めだ。一人一種目は出るように」
しまった!体育祭もあるんだ! 運動音痴な私にとって地獄のイベント...
「どどど、どうしよ〜」
どの競技に出ても足を引っ張る未来しか見えない!
...体育祭だけ休んじゃおうかな。
ってダメダメ!体操服&ハチマキ姿の輝夜ちゃんを見るチャンスを逃してどうする!
「100m走なら個人競技ですよ?」
「無理無理ぃ!走るの超遅いし!」
「遅刻スレスレのダッシュはめちゃ早いじゃん」
「晴香うるさい!」
「ハハハ怒った怒った〜」
もう!
「あっ、ダンスはどうですか?」
「いいね! そんなに体力も必要なさそうだし、覚えるだけでいいから楽そう!」
「じゃあ森野さんはダンスにする?」
「うん!」
「あ、あの。私もダンスで」
「あっ、はーい」
輝夜ちゃんもダンスに来るんだ! 体育祭もこれなら楽しめそう!
「ダンスの人たち、今日の放課後少し練習するから。よろしく〜」
「早速だね。輝夜ちゃん、がんばろ!」
「はい!」
〜放課後〜
「ゼェ、ハァ、ゼェ、ゼェ」
「だ、大丈夫ですか?」
は、話が違う! 何あれ?本当にダンス? 幼稚園でやったダンスより超体力使うし頭もめっちゃ使う!
「森野さん大丈夫? 甘々系百合作品ではお見せできない顔してるよ」
「何その独特な状況説明...ありがと。少し休めば大丈夫だから」
みんなすごいなぁ。キラッキラしながら踊ってるよ。私には輝夜ちゃんが一番輝いて見えるけどね。
「キャ!」
輝夜ちゃんが急に転倒した。
「大丈夫?輝夜ちゃん!」
「は、はい...」
「美山さん大丈夫〜?少し休んでれば?」
「あっ、えっとそうします」
休憩組が増えた!一人だと寂しかったんだよね。
「珍しいね輝夜ちゃんが疲れて倒れちゃうなんて」
「は、はい。そうですね...」
・・・なんか最近輝夜ちゃんのテンションがいつもより低い気がする。あとやっぱりまだ他のクラスの子たちとは上手く話せてないみたいだね。
「さっ、私は戻って練習してくるね!」
「はい。私はもう少し休んでます」
「うん!お大事に!」
ちなみに私がまた体力が尽きて倒れるまで15分もかかりませんでした。
〜数日後〜
「衣装できましたーー!!」
うわぁ!超可愛い!ってかクオリティ高!
「すごいクオリティだけど大丈夫?大変じゃなかった?」
「大丈夫だよ〜。部活の時間使ったり、そもそも趣味で作ってたものをベースにしたりしたからすぐだったよ」
すごいなぁ。私も何か一芸が欲しくなってきた。ただし魔法少女に変身できることを除く。
マッチ売りの少女の衣装は赤いフード付きの、あえてボロボロ感を出してある服。
輝夜ちゃんの白雪姫の衣装は清楚なロングスカートが印象的! ってか絶対輝夜ちゃんに似合う!悪い虫がつかないように注意しないと!
「灯さん、試着してみてください!」
「うん! 輝夜ちゃんもね!」
制服の上からそのまま着てみる。
「どうかな?」
「素敵です!すごく可愛らしいですよ」
ぐへへ、褒められた〜。
さてと、輝夜ちゃんの白雪姫は...
「ど、どうでしょう?」
「最高の人生でした。ありがとうございました」
ドテンと後ろから倒れる。破壊力すごいよその衣装...!
「ま、まだ15歳ですよ〜...あれ?灯さんって誕生日いつでしたっけ?」
「あっ、えっと〜...10月の1日でした」
シーーーンっと一瞬静まりかえる。
「ご、ごめんなさい! ごめんなさい!」
こんなに謝る輝夜ちゃんは初めて見ました。




