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170話 こんなところにライバルが!

 チュンチュンチュンチュン……小鳥のさえずり……? 的な音のする目覚まし時計に起こされる。


「おはよ、輝夜ちゃん」


 隣で寝る絶世の美女、輝夜ちゃんにおはようのあいさつ。ちょっと頭痛い……。まぁあれだけシたらそりゃそうなるか。


「う……んん……おはようございます」


 目覚めはあんまりいい方じゃない輝夜ちゃん。そんなところも可愛いんだけど、今日に限っては時間通りに動かないと。


「朝食バイキングだよ。遅れないように行こ?」


「ふぁい……」


 むぅ……まだ眠そうだね。なら……ここは勇気を出して!


「んちゅっ」


「……んん!?」


 背伸びしてキス! どうだ!


「目、覚めた?」


「は、はい……それはもうパッチリと」


 勇気出してよかった……。心臓がドキドキバクバクしてるよ。いやもう何回目のキスだよと言いたくなるけど輝夜ちゃんが好きすぎて何回目でもドキドキする。


 食堂へ移動するとやっぱり受験生でごった返していた。なんとか席は確保して料理を取りに行く。何にしよっかな〜。受験の日だし、消化の良さそうなものにしよ。


 切り干し大根とかを取って席に着くと、ひとりの少女に声をかけられた。


「隣、いいかしら?」


「あ、はい。どうぞ……」


 紫色の髪に童顔の少女。背丈も結構小さい。飛び級かな……とも思ったけどどことなく雰囲気はお姉さん感がある。不思議な子。


「あなたたちはどの学部を受験しているの?」


 意外にも話しかけてきた! すごいな……私には受験日に知らない人に話しかけに行くなんて無理だ。


「私は歯学部!」


「私は法学部です」


「あら本当!? 私も法学部なの! 私は切谷鋏。よろしくね?」


「よ、よろしくお願いします」


 輝夜ちゃんに握手を求める鋏ちゃん。なんか……どこかで見たことあるようなそうでもないような……。


「えっと……切谷さんは……」


「鋏でいいわよ。みんなそう呼んでいるし」


「じゃあ鋏……は、1人で受験に来たの?」


「そうよ。でも大丈夫! 私にはお守りがあるから」


 そう言って鋏が見せてくれたのはカバンについた3つの手作りのお守り。


「妹と親がね。可愛いでしょ?」


「すごーい! いいお姉ちゃんなんだね、鋏は」


「ふふん。どうかしらね?」


 そうは言いつつもドヤ顔の鋏。いいお姉ちゃんを目指してるんだろうなぁ。


「それにしてもずいぶん使い込んだカバンですね」


「中古で買ったもの。貧乏なのよ、ウチ」


 なるほど……たしかに結構ほつれてるや。


「だから特待生で入らないといけないのよねぇ。ここまで勉強大変だったわ。文系は元から得意だったけど理系がさっぱりだったのよ」


 勉強がさっぱりだったけど頑張ったという点では共感できる! 私は文系も昔はダメダメだったけど……。


「あら、話してたらもうこんな時間! パパッと食べて行きましょ?」


 上品なオーラは出ているけどガツガツかき込んだ!? 私はギリギリできるけど輝夜ちゃんはそんなマネできないだろうし……まぁゆっくり行こうかな。


「私たちはゆっくり行くよ。また合格したらよろしくね」


「えぇ。じゃあ私、先に会場で最後の追い込みをしてくるわ」


 そう言い残して鋏はいってしまった。なんだか不思議な子だったなぁ……。


「法学部、楽しそうな人が多そうだね」


「そ、そうですかね……まぁでも、そうかもしれませんね」


 歯学部にはブラッディがいるからいいけど、輝夜ちゃんの法学部には知り合いがいないから心配だったんだよね。輝夜ちゃんって他の子と仲良くしているイメージないし。鋏と仲良くなれたらいいんだけどなぁ〜。


 十数分後、私たちも朝ごはんを食べ終えて部屋に戻る。


「んん〜! さて、頑張ろっか!」


「そうですね。頑張りましょう」


 ちなみに5分くらい前にブラッディからメールが来ていた。


≪いつでもゲートは開ける。合流のタイミングは任せる≫


 何ゲートって! カッコいい! 今度見せてもらおう!


 そんなことを思いつつとりあえず返信返信。


≪あと15分くらいで正門前かな≫っと。


「じゃあ行こうか。忘れ物ない?」


「はい。でも灯……充電ケーブルはいいんですか?」


「あっ 私のが忘れ物しそうだったか!」


 苦笑い……。そりゃ輝夜ちゃんの方がしっかりしているのに私から注意を呼びかけたら意味わからないことになるよね。


「よ、よし! 気を取り直して、出発!」


 今日で決まるんだ……私が[一星大学]に入って、輝夜ちゃんとのキャンパスライフを送ることができるのかが!


「ふふ……忘れ物、ないですか?」


「えっと……な、無いよ!」


 2度も忘れ物はしないよ! ……たぶん!


「ふふ。冗談です。では……」


「うん……」


「行きましょうか」


「うん!」


 私たちの受験、最期の決戦が、始まります!

明日の更新はお休みさせていただきます。


また、この作品の続編となるお話を投稿しました。

タイトルは『(元)魔法少女が(やっぱり)変態でした。』です。


小説検索をかけていただく。もしくは

このページの1番下から作者ページへ飛んでいただき、続編も読んでいただけると嬉しいです。


今日投稿した分は今後のネタバレは含みません。

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