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160話 新年1発目の試練

 新年……あけましておめでとうございます。思い返してみると毎年新年の目標はなんとか達成していると気がついた森野灯です。


 さて今年の目標は……もちろん[一星大学]合格! まぁそれ以外にないよね。……いや、ナイトに会う、1000pt貯めるとかあったか。なんか全部今年の序盤に終わるやつだなぁ……。大事なイベントたち序盤の3ヶ月に詰め込まれすぎでしょ。


「輝夜ちゃーーん! ブラッディ! あけましておめでとう!」


「おめでとうございます」


「・・・おめでとう」


 もちろん今年もこの3人で初詣にやってきました。何か最近機嫌が悪いというか愛想が無い気がするブラッディとまた仲を取り戻すチャンス!


 というわけでまずは私の家に集合! 受験生としての初詣なんだからしっかりと改まって振袖を着て行かないとね。


「可愛い! 似合ってるよ、ブラッディ!」


「似合ってます!」


「そ、そう……?」


 ブラッディが着たのは私のお母さんの紫色のアジサイが描かれた振袖。大人な印象を与えてくれる。


「うん! 可愛い可愛い!」


「うっ……」


「可愛いよ!」


「も……やめ……て」


 顔真っ赤にしてうずくまるブラッディ。今のが1番可愛かったかもしれない。


「・・・灯? ずいぶんブラッディを褒めるんですね」


 輝夜ちゃんが微笑を浮かべながら私を見つめている! しまった! 彼女をおいてブラッディを褒めすぎた!


「あ、いや! もちろん輝夜ちゃんも可愛いよ!」


「ふふ。冗談です♪」


 半分くらい本当にジェラシーだったんだろうなぁ。なんとなくわかる。


 私と輝夜ちゃんはいつも通りの振袖を着て出発!


「うひゃあ……今年は混んでるねぇ」


 神社から溢れんばかりの人!人!人!

 ちょっとお昼後に来たのは攻めすぎたかな?


「どうする? 時間改める?」


「いえ。このまま行きましょう? 3人でいればすぐですよ」


「・・・うん。そうしよう」


 これは午後のお勉強会は無しになるかな? もう大学共通試験までは二週間しか無い。頑張らないと!


「灯の勉強の調子はどうですか? 進んでいますか?」


「サボったりしてない?」


「だ、大丈夫だよ! たぶん・・・」


 何回も過去問解いて頑張ってるもん! でも何回解いても自信はつかないね。そういうものなのかな? 受験って。


 そんなことを話しながら待っていると本当にすぐだったね。


 ニ礼ニ拍手……。[一星大学]に合格できますように、ナイトと会えますように、1000pt到達しますように。・・・なんか強欲すぎるかも。まぁそれくらいがちょうどいいということで一礼。


「ふぅ。おみくじでも引いて行く?」


「そうですね。運試しといきましょうか」


「・・・また私と輝夜が大吉で灯が他のになる予感」


「不吉なこと言わないで!」


 2年連続でそれだしなぁ……。


 お願い! 今年こそ! 大吉!


 ………≪中吉≫


 う〜〜ん。上手くいかないものだね。


「2人はどうだった?」


「・・・大吉」


「大吉でした」


 ここの神社不正してる! 美人にだけ大吉が出るようにしてるでしょ!


 まぁいいや。詳細見よ。なになに……

<恋愛>……お互いを信じよ

<勉学>……努力すれば最後は報われる


 なんだ! 結構いいこと書いてあるじゃん。心配して損した〜。


 初詣が終わってみると16時になっちゃったからお勉強会は無しでもう解散することに。帰ってからもうちょっと勉強しないとな……。


 ちょっと勉強していたら気づくともう19時前! んー! 私にしては頑張れたなぁ。まぁおみくじも努力すへば最後は報われるって言ってるし、努力してみようか!


「『マジカルインストール!』」


 魔法少女としても努力しないとね! 今日も勝つよ!


 夜の街に繰り出すと話し声が……。よし、漁夫の利するか!


「・・・ヤバ!」


 対戦する魔法少女同士の会話かと思ったらあれ……【ティクルグラント】と【リックキャンディ】じゃん! バレなかったかな……?


「おねーさん!」


「ひっ!」


「アハハッ! なんかこの構図、1年半くらい前にもあったよね?」


「あらあら〜私たちの最期の相手は【ハニーランプ】さんになりましたか〜。


「・・・ん? 最期?」


 まだ2回あるよね?


「私たちもうすぐ誕生日で20歳になるの! 一足先に引退するんだ」


 なるほど……そういえば年上って言ってたね。


「それで? 1000ptには届きそうなの?」


 私の質問に、2人は首を横に振る。


「そ、そっか……」


「でもいいんです〜」


「私たち、かけがえのないパートナーを手に入れたんだもん。これ以上の願いはないもん!」


 1000ptを目指して魔法少女になったはず。そこに到達できないと確定しても、2人は満足そうだった。


「おねーさんはどうなの? 1000いきそう?」


「私は……うん。可能性はある」


「そっかそっか! でも……」


「私たちはわざと負けるとかしませんからね〜」


 猫かぶり娘も、シスターも、闘志を見せる。


「・・・うん。私も、そんなことはして欲しくないかな」


 1対2。状況は悪いけど、ナイトならきっと勝つ。だから……私も勝たなきゃいけない。


「行くよ! [女王蜂]」


 私の真の力が、試される!

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