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12話 美少女のスメル

「うわわわ!?!?」


 勢いよく華やかなポールに引っ張られて地上へ出る。拘束された私を見て【スニフマリー】はにっこり笑った。


「うん! 可愛いデスよ! じゃあ楽しんでいって欲しいデス!」


 ちょ、この子突然目がギラギラしだしたよぉ……。


「早速デスけど【ハニーランプ】さん、失礼するデス」


 ひっ!? 一歩一歩近づいてくる!

【ネイベルナイト】もこんな気持ちで私の指歯磨きを受けたんだ……ごめんね。


 懺悔の気持ちも虚しく、【スニフマリー】は私の背後に回った。


「クスッ、背中キレーデスね。ツン」


「ひゃ!?」


 首筋から背中にかけて指でなぞられる。こそばゆくて変な声出ちゃった……。


「じゃあ、この目隠しをつけてもらうデス!!」


 目、目隠し?


「ちょ!?」


 何か黒い布のようなもので目を覆われる。


「フゥ!!」


「ひゃあ!?」


「あはは!! いい反応デスね」


 耳に吐息をかけられた。

 普段なら何ともないかもしれないけど、目隠しをされているからなのか意識が耳に集中して敏感に反応しちゃった。


「じゃあ本番、いくデスよ!」


「ほ、本番?」


「耳に息をかけるのが趣味という訳ではないデス! 本当は……」


 えっ!? 何? 首筋にモゾモゾって……。


「スゥーー」


「ひゃん!?」


 これ……髪の毛の匂いを嗅いでいるんだ!


 目隠しされただけなのに、首筋に【スニフマリー】の指が、鼻が、息が当たるたびにゾクゾクする。


「くすぐったくないデスか? そ・れ・と・も、気持ちいいデス?」


 ただ髪の匂いを嗅がれるだけで、足の指先までビクビクする……


「うっ、あぅ……!」


「う〜ん! うら若き乙女のいい匂いデス! でもでも、メインディッシュはまだこの先デス!」


「えっ……まだ……するの?」


「うひゃあ! その息切れボイスでそのセリフは反則デス!」


 どこに興奮してるんだろこの子……人の性癖って理解するの難しいんだなぁ。

 輝夜ちゃんの性癖はどんなマニアックなものでも受け入れる覚悟を作っておかないと!


「さぁ、いただくとするデスよ! んじゃちょっと失礼デース」


「きゃあ!? どこ触って……!」


 お尻のあたりに手を置かれる。


「スカートが広がらないようにするためデスよ! お尻フェチではないので勘違いしないで欲しいデス」


 その割には結構ペタペタ触ってくるんですけど!?


「んじゃお邪魔するデーズ」


 ガバッとフリフリのスカートをたくし上げらける!


「な、な、何してんの!?」


「わからないデスか? この篭ったスカートの中にこそ、最高のスメルがあるデス!」


「い、意味わかんないから! 恥ずかしいからどいてよ!」


 手を拘束されている以上押しのけることもできない。

【スニフマリー】はあろうことかたくし上げたスカートの中に頭を入れた!


「ちょ!? 本当に何してんの!?」


「直に……フッー! 嗅ぐんデス! スゥー!!」


 恥ずかしさで顔が真っ赤になってるのがわかる。


「大丈夫! パンツには興味ないデス!」


「そこじゃない!!」


 うっ、恥ずかしすぎてもう無理ぃ!!!


 バッ!? と気づいたら目に覆われていた目隠しが消え、視界を取り戻していた。

 キョロキョロと辺りを見渡す。


 さっきまでの堤防のところ……ボーナスタイム、終わったんだ……


 私は膝から崩れ落ちてしばらくそこから動けなかった。




≪【ハニーランプ】ポイント更新≫


 戦闘開始前:100pt

 ↓

 戦闘終了後:65pt

≪内訳:戦闘敗北ー20pt。 ボーナスタイムー15pt≫


≪weapos≫ 『メルヘンロッド』 sub 『未登録』


≪skills≫ 『ジャンプ能力向上』『HP+50』『未登録』


≪magics≫ 『インフェルノ』『サンダーウィップ』『ハニートラップ』『未登録×4』



 


 数分してようやく恥ずかしさも薄まってきた。よく見たらそんなにボーナスタイムでポイント取られていなかったんだね。私は興奮してなかったからかな? 向こうは興奮MAXって感じだったけど……


「部屋戻って輝夜ちゃん成分で癒してもらお……」


 トボトボと旅館へ戻る。あー、海で遊んだ何倍も疲れたぁ。


「ごめーん輝夜ちゃん。遅くなっちゃた」


「おかえりなさい。灯さん」


 ……心なしか輝夜ちゃんの顔がさっきよりツヤツヤしてる気がする。私がゲッソリしすぎなだけかもしれないけど。


「灯さん? 少し顔色が悪いようですが……」


「あぁ、何でもないよ。ちょっと堤防まで歩いて疲れちゃっただけだから」


 輝夜ちゃんに嘘つくの心が痛むなぁ。でも「私、魔法少女やってて、勝った相手にエッチなことしてるんだ♪ まぁ今日はされた側だけど♡」なんて言えるわけない……!


「もうすぐ桜さんの部屋に行く時間ですけど、大丈夫ですか? もうお休みになったほうが……」


「ううん。大丈夫。私も行くよ!」


 輝夜ちゃんを一人で桜の部屋に行かせるなんて...狼の縄張りにウサギを一匹放つみたいなもの……絶対に輝夜ちゃんを守り抜いてみせる!


 ……妹相手に何を覚悟してるんだろ、私。

ご読了ありがとうございます!

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