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123話 変態たちの最終学年

 4月1日木曜日……本日は私たちの通う[星乃川第一高校]で入学式が執り行われます!


「今日から最高学年かぁ! ついこの間入学したばっかりなのになぁ〜」


「あっという間の2年間でしたね。きっと今年も……」


 少ししんみり。卒業っていうワードは中学生の頃よりもっと悲しく感じるね。


「・・・私はリアルについこないだ来たばっかり」


「そっか! ブラッディが来てから1年経つんだ!」


 時の流れってすごいなぁ……。


「おーし、入学式始まるぞ。体育館集合な」


「「「はーーい!」」」


 入学式ね……正直そんなことより輝夜ちゃんと今年も同じクラスになれるか。今はそれだけしか考えられない!


≪新入生代表挨拶。1年1組、後藤シープさん≫


『はい!』


 ありゃ可愛い。名前的に外国人かな? シープって珍しい名前だけど。


「なっ…!」


 隣でブラッディが小さく声をあげた。


「どしたの?」


「・・・なんでもない。気にしないで」


 喉乾いたのかな? でもさっき水筒から血を飲んでたし大丈夫だと思うけど……あっ! 後藤シープちゃんか! たしかに黒髪ツインテールで見た目幼いや!


『穏やかな春の日差しが差し込む今日の良き日に、私たちは[星乃川第一高校]の一員となりました。私たちは先輩方と歩みを共にし、一歩一歩成長のために・・・』


 う〜ん。去年の桜もそうだけどよくこんな大勢の前で話せるね。




 入学式も無事終わり、いよいよクラス発表に。輝夜ちゃんと同じクラス輝夜ちゃんと同じクラス輝夜ちゃんと同じクラス……。


「・・・私は流れ星じゃない」


「一番この教室でキラキラしてるからつい……」


「うーし、新クラスを発表するぞ。席つけ」


 先生が来たっ! やばい緊張してきた・・・!


「呼ばれた順に取りに来い。相沢。上田。梅田。・・・美山。森野・・・」


 私の…3年生のクラスは……1組!


「灯は何組でした?」


「ま、まずは! まずはブラッディから!」


「・・・1組」


 あっ、ブラッディとは一緒だ。あとは……輝夜ちゃんだけ……!


「私は……に、2組……です」


「そ、そんなぁ〜!」


 終わった……私の高校生活はここで終了したんだ……。


「・・・輝夜、名前のところ」


「え? ・・・あっ! 美山じゃなくて今日お休みの武藤さんの!?」


「え? でも後ろのみんなズレてないみたいだし……」


「ふっ。引っかかったか? 森野」


「せ、先生……まさかわざと」


「さぁな。真相は闇の中ってやつだ。悪かったな美山。これがお前のクラスだ」


「は、はい。私は……1組!」


「やったぁ〜!」


 どさくさに紛れて輝夜ちゃんに抱きついちゃえ!


「ちょ! 灯!?」


「おーおー、見せつけて来るねぇ」


「・・・」



 さて新教室に移動です!


「あれ? 先生は変わりますよね? まさか三年連続なんてないですよね?」


「なんだその期待の目は……殴るぞ」


「いやーん。体罰♡」


「ちっ。変われるなら変わりたいぜ。まったく……」


 美人なのはいいけどテキトーかつ暴力的だしなぁ……。まぁイジりやすいからいいけど。


「今日はこれで終わりだ。明日からの予定は黒板に書いておくからメモっとけよー」


「「「はーーい」」」


 よーし解散解散。


「帰ろっか! それともケーキでも食べに行く?」


「すみません。今日は家族で外食に行くのでここで」


「あ、うん! また明日〜」


 輝夜ちゃんママもケーキ食べるのかな? 優雅なお昼時を過ごすんだろーなー。


「ブラッディはどうする? 本屋さんでも行く?」


「うん。行こ・・・」


「失礼しまーーす! 波田(なみた)先生いますか?」


 教室に元気な声が響く。誰だろ?って思ったら後藤シープちゃんだっけ? 入学式で新入生挨拶をしていた子だ!


「ああ、私だ」


 えっ。先生名前あったの? 「先生」って名前じゃかなかったんだ。


「これ、村上先生から預かってきました!」


「ん? あぁ! ありがと。すっかり忘れてた」


 ウチの担任のミスで来たのか……可哀想に。


 ガタッとブラッディが立ち上がった。え? まさかナンパでもする気!?


「ダメだよブラッディ! 初日からナンパなんて!」


「・・・」


 ブラッディが無言でダッシュ!? 嘘! そのままクラスを後にした後藤シープちゃんを追いかけたみたい。やば、止めなきゃ! せっかく友達を聖王国の独房から100年猶予を得たのに人間界で捕まったらシャレにならない!


 ブラッディを追いかけてたどり着いたのは体育館裏! ・・・告白かな?


「なーんだ。あっさり見つかったなぁ〜」


 この声は……後藤シープちゃんの声だね。


「・・・何のつもり?」


「何がぁ?」


「今さら私の目の前に現れて……何のつもりかと聞いている」


 あれ? ナンパじゃない? むしろブラッディ怒ってる?


「べっつにー? 聖王国に捕まった哀れな【吸血姫】さんをからかいに来ただけだよ?」


 えっ!? 今【吸血姫】って言った!? 聖王国って言った?


「・・・そう。昔からあなたはそうだものね。【バフォメット】」


 もしかして私は今……とんでもない場面に直面している!?

6月25日は百合の日です。

それを記念して魔法少女たちの日常を番外編として投稿します。誰が選ばれるか、お楽しみに!

本編の更新も変わらず行いますのでよろしくお願いします。

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