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異世界転移をした彼女は異世界の常識を変えようと試みるが、勇者がくそ過ぎて困りました  作者: 折原さゆみ
第二章 異世界転移をした彼女は女性の意識改革(服装改革)を行うことにした
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21頑固老人の説得はかなり厄介でした

 「それで、城中の男性を篭絡して、このような嘆願書を作り、女性騎士団の制服を変えようということか。ああ、この署名の中には、城下町の男性たちの名も含まれているのか。どれほどの男性がお前たちにだまされたのやら」


「実に下らん。女性なんぞ、男性のそばに控えて、愛でられていればよかろう。そのための制服だろう?なぜ、今になってそのような戯言を申すのか」


 ソフィアたちの力をもってしても、どうにもならない相手がいた。それが、今回の会議の主要メンバーとなる、各貴族のお偉いさん方の老人たちだった。彼らには、なぜかソフィアの聖女の微笑みも、女神の力も発揮できず、最後まで味方につけることができなかった。




 ソフィアとレオナ、イザベラの3人は、女性騎士団の制服改定に賛成する人々の署名をエリザベスに渡した。そして、その署名と嘆願書の内容を精査するために、老人たちによる会議が開かれていた。制服が変わることで影響を最も受けるのは、制服を実際に着用するイザベラやレオナなので、二人にも会議に参加してもらうことになった。


 ちなみに、カナデが来ると面倒事が起きそうなので、ソフィアは、カナデを会議に同伴させなかった。カナデはソフィアの部屋に待機させることにした。




 会議は、今回の議題である「女性騎士団の制服改定」に至った理由や、そのために行った署名活動などをレオナが説明し終えたところだった。老人たちからは非難の声が上がっていた。


 説明を終えたレオナは、席に着いてじっと耐えるのみだった。その様子を見ていたソフィア老人たちに意見を述べるために席を立つ。


「発言をよろしいでしょうか?」


「ああ、君が今回の件の発端となった侍女を持つという聖女様ですか?あなたも大変な苦労をしているようだ。侍女のせいで、こんな目に遭っているとは。聖女とはいえ、人を見る目はないらしい」


「まあまあ、そこまで言うものではありませんよ。それで、聖女様は、いったいどんなことを我々に教えてくださるのですか?」


「ぜひ、お聞きしたいところですな」


 嫌味を言いながらも、老人たちはソフィアに発言を許した。



「発言を許していただき、ありがとうございます。私は、この国が今よりもっと発展していくためには、女性の力が不可欠だと考えています。女性にも、国を守る力があると思います。現状は、女性の力がなくても問題ないのかもしれません。ですが今の時代、女性の戦力が必要となるときが必ず来ます。彼女たちの力を最大限発揮するためにも、今回の制服改定は意味のあるものだと」


「戦力、ね。そこまで女性の戦力が必要なほど、我々の国は落ちぶれてはいない」


「聞いて損した気分だよ。君は我々の考えに近いと思っていたが、どうやら違うようだ」


「エリザベス様、こんなくだらない議題を取り上げるのではなく、別の議題にした方が時間を有効活用できると思いますよ」


 ソフィアの発言を途中で遮り、聞く意味がなかった、時間の無駄だと話す老人たち。さらには、エリザベスにこの議題を取り上げる意味すらないと言い切った。



 女性騎士たち二人、イザベラとレオナは、ひやひやと会議の内容を聞いていた。



「戦力と言えば、隣の国では、女性スパイの育成に取り組んでいると聞いたことがある。もしそれが本当だとしたら、対策を講じる必要がある」


 老人たちに発言を促され、これまで黙って聞いていたエリザベスがようやく口を開くが、内容は制服改定に関係のなさそうなことで、老人たちに戸惑いたが広がる。


「それは聞き及んでいますよ。大陸にある「ルーシア」が、わが国「ジャポン」に女性のスパイや刺客を送り込んでいるといううわさでしょう?それが制服改定に何か関係がありますか?」


「女性がかかわっているならば、こちらも同じ女性で対処した方がいいと思ってな。そのために、女性が働きやすい環境を整えるのはいい案だと思ったのだ。その手始めは、いつも仕事で着用する制服の改定ではないかと、われは考えておる」


 エリザベスの言葉に、老人たちは少しの間、考えるかのように静かになる。しかし、すぐに反論の意見が出される。


「同性だからと言って、対処できるというわけではありません。女性のスパイだろうが刺客だろうが、別に女性が対処しなくても構わないではないですか?今まで通り、男性が対処すればいい。今までもそうしていましたし、今後もこの方針は変える必要はない」


「無理やりすぎる発言ですね」




「では、敵国の女性スパイがいたとして、あなた方は彼女たちにどのように対処するおつもりですか。まさか、彼女たちを裸にひん剥いて、検査と称して男性の欲のはけ口とするのですか?」


 ここでソフィアが老人とエリザベスの話に口をはさんだ。ソフィアの生々しい言葉に、女性陣は固まってしまうが、そんなことを気にすることなく、ソフィアは話を続けていく。


「まあ、そんなものですよね。ですが、相手も腐ってもスパイとして潜入してくる女性です。どのようにされようが、任務は遂行すると思います」


「な、何が言いたい!」


「ですから、女性の対処は女性がします、と言ったのです。女の魅力に充てられてしまってはどうしようもありません。女性に対してはこちらも女性を充てるのみです」



「そうだな。ソフィアの言う通りかもしれん。その一環として、制服を変えて、彼女たちにさらなる訓練を施すことは必要だ」


 固まっていたエリザベスも、いつの間にか復活して参戦する。


「だったらなおさら、女性たちには今までの制服で業務に励んでもらうべきだ。そうだろ!我々男性が、女性の魅力に普段から慣れ親しむことで体制を作るべきだ!」



 話は平行線をたどっていく。ソフィアもエリザベスも、あまりの老人たちの頑固ぶりに嫌気がさしてきた。しかし、ここまで頑張ってきたのに制服を変えられないのは、女性のプライドが許さなかった。



「すいません。お茶をお持ちいたしました!」


 そんな平行線な話し合いに終止符を打ったのは、会議室に入ってきた一人の女性だった。



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