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アリーの冒険所 1期  作者: 愛ちゃま@アリー
3/3

仕事の苦労

まだ、私は子供なので仕事してないです。

【6章 お姫様のお仕事】ラバ編


姫って疲れるものよ。

みんなが思っている、キラキラしたことやってないんだから。

私も、初めの方はメルヘンチックで豪華な扱いされると思ったわ。でも、そんなこと無かった。うんざりするほど仕事をさせられ、うんざりするほどフリフリしたドレスを着せられ、無理に丁寧に話さなければいけなかった。

【故郷に帰りたい】そう思うほどよ。

そういや、さっきの子…まさか、あの男の妹か友達なのかしら。そう、ふと思うと、三日前のことを思い返した。


~6月24日~


『ガチャ』


開かないでほしい、ドアが開いた。

【仕事だ…】そこには、茶髪の顔がずっとニコニコしている男が立っていた。

「No.2541。アスナ・マーガレットね」

この城の者、全員に名札をつけてるため、誰が誰だかわかるようにしてる。魔法で、一人一人詳しく書かれている閻魔表を操り、アスナのことを調べた。

読んでいくと、成績はかなりいい方で、違う世界から飛ばされて着たらしい。

「ふーん」

「話がありまして」

アスナは、そうニコニコしながら言った。

「なに?」

アスナはコホンと席をついて、

「僕の元に連れてきたい子がいるんです。その子をここに連れてきてください」

そう言った。

「はい?私にそんなことができると思うの?私はあくまでここの持ち主であり、人は配達できないわよ」

なにを言っているの?馬鹿馬鹿しい。そう思いながら私は言った。

「いえいえ、こちらに許可を得たくて」

すると、アスナが少し高そうな紙を机に置いた。

「この紙に…サインしてくれませんか?」

さっきまでニコニコしてたのに、睨みつけながら真剣な目をした。

【ひっ…】私も少しびっくりし、一歩後ろに引いた。アスナの目は、私を吸い込むかのような目をしていた。普通に怖い。

改めて、その紙を覗き込むと…。

『特定の人をこの世界に連れて行くことを許可する。

特定の日に連れてくることを許可する。

しかし、いくつかの犠牲を受けることになる。

このサインを書くのは実力がある者しか許されない。

name. 』

いかにもおかしいことがずらずらと書いている。

「こんなことが可能になるわけないでしょ。ランダムで人が飛ばされてくるのに。それに、何回も言ってるでしょ。私はここの持ち主であり、実力者じゃないと」

「何言ってるんですか。城の持ち主だけで実力者じゃないですか」

「…貴方ってものは、かなりきわどいこと言うのね」

「一般的にそう見られてるもので、持ち主なだけで強いと思われるのです。それもわからないのです?ラバ様は…自分の考えだけでしか行動なさってないのですか?」

鋭い目つきで言われ、私はその言葉に少しダメージを受けた。

「そ、そんなこと…!」

「そんなことより、ここにサインしてもらえませんか?僕、サインしてもらわないと困ります」

私の言葉をかき消し、サインを待っている姿は、なにか昔にあったかのようだった。そして、またアスナは口を開け、

「僕が【行方不明】になった時もこんな酷いやり方でここに来させられた、そのお返しです」

そう、怖い顔をしてアスナは言った。そして、アスナは何も無かったかのように素敵な笑顔をして、

「それに、単純にその子に会いたいからです♫」

「…」

どう反応すればいいかわからなくなった。

結局、よくわからないままもサインをした。後から、本当にサインして良かったのかとかも考えたが、考えても無駄だと気づき、考えるのをやめた。

「ありがとうございます」

アスナはペコリとお辞儀をしてドアを通り抜けて行った。


『ガチャ』


やはり、私はこの仕事が嫌いだ。

大変だと思うけど、いつかお姫様になってみたいものです。

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