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右も左も分かりません 作者:木浦木ロロ

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ウィンディア、初めての恋

わぁ、なんてキレイな男の人なの!

ウィンディア・ロイ・ザファーネ・バルテシア6歳は、初めて見る王子に一目で心を奪われた。

公爵でありながら、変わり者で辺境伯でもある父・フォンテ・ガル・エヤック・バルテシアに連れられて、その歳の春初めて、首都ワテレアの王城に参城した。

生まれてこのかたフォンテ公の治める地である、オルテシア領から出たことがないウィンディアは、領地を出立(しゅったつ)してからというもの、見るもの見るもの珍しく新鮮な驚きを隠せずに瞳を輝かせていた。

お父様ったら、お仕事お仕事で、ウィンのことはほったらかしなんだもの。

ウィンディアのいつもの口癖である。幼い彼女は自分のことをいまだにウィンと愛称で呼ぶ。一歳にも満たない頃に母親を無くしたウィンディアに、父だけでなく、乳母や家庭教師、執事や召し使いたちは甘い。名前ではなく「私」と(なお)すように言っても、さほど厳しくはなかったため、(いま)だに直らない。

統治や趣味で忙しい父・フォンテにも、愛情はたっぷりもらっているのは過度なスキンシップで感じてはいたが、あまり構ってもらえず、ウィンディアは寂しさを感じていた。

そんな中でのワテレアへの旅路は、ウィンディアにとって父との初めての家族旅行となったのであった。今まで我慢してきた分、甘えに甘えまくった。

お父様、抱っこして、お父様、あれ食べたい、お父様、あれ買って、お父様、あれ見たい、などなど。

父・フォンテ公もそんなウィンディアを見て、今まで寂しい思いをさせていたのだなぁ、と反省したのか、ウィンディアの好きにさせていた。

しかし、いざ首都ワテレアに到着すると、さすがのフォンテ公も仕事で来訪したことを思い出したのか、王への謁見(えっけん)や上位貴族への挨拶回りなど、再び仕事モードに復帰してしまい、ウィンディアは独り暇をもて余すことになったのである。

父・フォンテ公は、現王・カルシェンの従弟(いとこ)にあたるが王位継承権は低い。カルシェン自身に兄弟はいなかったが、幸いにも妃・エメリアとの間にはたくさんの子宝に恵まれ、王子だけでも5人もいる。余談ではあるが、既に他家へ嫁いでいった姫が3人いる。

今回の参城は、真ん中の王子の成人の義への出席が目的であった。

今、ウィンディアは父・フォンテに連れられて、王城でも一番広くて荘厳(そうごん)な広間にいる。そう、その3番目の王子の成人の義に参列しているのである。

そして、生まれて初めての恋をしたのである。
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