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「美惚、ご飯できたから、食べたい時にいつでも食べろよ。ちゃんと温めてな。」


そう言って朝陽は美惚の部屋を後にする。


「ハァ…この後は勉強だ。それが終わっら洗濯物。母ちゃんが帰って来る前には終わらせておかなきゃ。 よし!!」


気合いを入れ直して、机に向かう。朝陽は、学校で良い成績を残して指定校を狙っているのだ。一般入試を受けるとなると、努力だけで天門学園に合格最低点ギリギリで滑り込んだ朝陽には、独学だけでは無理がある。予備校の費用や参考書の費用は馬鹿にならない。明日の内容の予習をただ集中して黙々とこなしていった。



入学してから一週間、天門学園では、五月二十日にオリエンテーションで宿泊行事がある。交流を深めるための行事だ。朝陽は少し楽しみにしながら学園生活を送っている。




ピピピピッピピピピッ


学校だ… 憂鬱だ… いや、そんなこと言ってられん!休んだら評定に響く。サボるなんてことは許されない。


「おはよう。」


先に起きて準備をしていた美惚に挨拶をする。


「…」


相変わらず返事は来ない。本当に俺嫌われてるなー まあしゃーないか。



今日の夕飯は何しようかなー あーそういえば昨日数学の有理化がちょっと苦手だから復習しないとなー 昼飯何しようかなー


そんなことを考えながら電車に乗る。


前に同じ制服を着た女の子がいる。その子の後ろに手が伸びている。

あーこれあかんやつやん。



(ど、どうしよう…ちょっと普通の高校生に憧れて電車通学とかしてみたかったからやってみたけど、隣のおじさんの息が荒いし、ずっと視線を感じる。)


一瞬にお尻に何かが触れた気がした。


(もっもしかして痴◯…?嫌だ…怖い…誰か助けて…)


(あれ?おじさんの気配が無くなった…)


後ろをチラッと見てみると、同じ制服を着た男の子が私の近くに来て、痴◯から守ってくれていた。


(た、たすかった…あとでお礼言わなきゃ。)



最寄駅に着き、電車に降りる。天門学園の制服を着た高校生が一切に降りる。



(ふぅ…なんとか守ってやれたな。この時代に痴◯かー度胸あるよなー)


そんなことを思っていたら、肩を叩かれた。


「ん?」


振り返ると同じ制服を着た女の子が立っていた。


「あっあの、先程は私の事を助けていただき誠にありがとうございました。」



「え?」


「…え?いや、あの先程私の事を痴◯から守ってくれましたよね…?」


「あっああー君だったんだ。ごめん顔が見えなかったから誰だったのかわからなかったよ。」


「いえ、本当にありがとうございました。良ければ御礼をしたいので、昼休みに一緒に昼食はどうですか?」


「あーいいですよ。じゃあまた昼休みに。」


朝陽は手を振り、学校に向かう。


と思ったが手が引っ張られて引き戻された。

引っ張った本人はさっきの痴◯女子だった。



「なんですか?」


「せっかくですし、一緒に通学しませんか?」


「まあ目的地は一緒ですし、良いですよ。」


やった!と小さくガッツポーズする痴◯少女。


「お名前と学年とクラスを伺ってもよろしいですか?」


「一年の南雲朝陽です。」


「あの、クラスは?」


「そこはノーコメントでお願いします。」



むぅ…クラスくらい教えてくれても良いじゃん…


「私は2年6組の西條陽菜と申します。朝陽君は一年だったね。なら私先輩じゃん!なんか嬉しい…えへへ」


えぇーさっそくキャラ崩壊してるよこの人。お淑やかな人かと思ったらそんなマヌケな表情するんだ…


でもよく見ると容姿は凄いな。茶髪でセミロング 綺麗な二重に透き通った肌。透明感がる。これは痴◯被害に遭うのも納得できる。仕方ないよ。宝石のような顔にボンキュッボンのワガママボディなら…


「あのー そろそろ学校に向かいましょう。なんか変に注目浴びてますし…」


「ええ…そうね。じゃあ行きましょう!」


朝からテンション高いなこの人




西條先輩は凄くモテているんだろう。さっきから周りの男子からの目線が痛い。あ、やばい中学の頃の記憶が…



「南雲くんは何か部活には入る予定があるのですか?」


「いや、特に無いですね。俺は指定校で大学進学狙ってるんで、部活してたらたぶんテストで点数取れないです。俺ギリギリこの学校受かったんで。周りは凄い人達がいっぱいいるんでしょうけど。」


「あら、そうなの?指定校なら学校生活も加点されるのでは?だとしたら部活には入っておいた方がいいと思うけど…」


た、たしかにー…指定校は定期テストだけじゃなんとかならないや…


「あーたしかにそうっすねー…まあ適当に探してみます。」


「ええ…それが良いかと思います。」


……


……


むぅ…もうちょっと私のことも聞いてくれていいんじゃない?そんなに私って魅力ないかしら…


「あ、そういえば先輩は「なに!?」…」


凄く目を輝かせながらこちらに顔を近づけて、食い気味に返事が来る。


「あ…いや、先輩は何部なのかなーって」


よくぞ聞いてくれました!ちょっとは先輩らしい所を見せてあげれそうです。


「私は生徒会長です!」


エッヘンと言わんばかりの顔になってます先輩。そんなに聞いて欲しかったんですね…(笑)


「ええ!凄いですね!二年生で生徒会長は凄いっす!」


「あ、次期生徒会長って事ね。今は副会長なの」


「あっそうっすか…」


こんな美人な生徒会長がいる学校ってどれだけ楽しいことか。まあ俺には関係ないんだが。

そんなことがありながら学校に着く。


「じゃあ一年はこっちなんでさよなら。」


「あ、うん…さよなら。 あっ!お昼休み!忘れないでね!」


どうやら今日は昼休みが山場の様だ

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