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五月に入り一週間後に仲を深めるという理由で一泊二日の宿泊行事がある。今日はその班決めの時間が設けられた。清水先生を中心に班決めが行われる。
「この時間は一週間後にある宿泊行事の班決めをします。あくまでこの宿泊行事は遊びに行くわけではありません。新しい仲間との絆を深めるための行事です。ですから部屋割り決めはみんなでやってもらうけど、全クラス共通で、活動班はこちらで決めました。みんなには理解してもらいたい」
多少ブーイングがありつつも、この理由に理解を示す生徒が部屋割りは自由だから良いじゃないかと説得をしたためその場は収まった。
「オリエンテーションか〜どこ行くんだろうな?朝陽はなんか聞いてない?」
「いや、なんも聞いてないよ。班決めも良いけどやっぱり何処行くか気になるよなー
大門は何処行きたい?」
「俺は遊園地が良いな!そして女の子と観覧車に乗って頂上で…」
先生の号令で、生徒は動き始め、各々好きな人同士で班を組み始める。
朝陽と大門とクラスの男子三人の計5人班で決まった。
愛美と優美果も二人は同じ班になり、特に何事もなく班決めが終わった。
「はいじゃあ次に活動班の発表をします」
男子生徒は胸を高鳴らせる。
(((頼む!愛美さんか優美果さんと同じ班に!)))
次々と班が発表されて行く。活動班は6人で形成されている。
未だ愛美と優美果の名前はまだ出ず、先に呼ばれた男子生徒は悲鳴をあげたりして沈んで行く。
そしてD班に大門翔と綾瀬愛美と他四人、E班に南雲朝陽と桃原優美果と他四人がコールされた。
どうやら宿泊行事は何かが起こりそうだ。
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「…ぃ。ぉい。おい。大門生きてるかー」
「…ハッ!朝陽!これは夢か!?」
「現実だよ」
朝陽は大門の頬をツネり、大門を現実へと呼び戻した。
「今年の運使い果たしたわ…まさか愛美さんと同じ班になるとはな…」
「よかったじゃん」
「お前も人のこと言えねーぞ。優美果さん同じなんて、お前も気が置けないな。先走るんじゃないぞ?お前ならやっちまいそうだからな…」
「無いよそんなこと…俺ってそんなに問題児か?」
「あたりまえじゃん。この前女の子にラッキースケベかましてただろ!羨ましい!」
「あ、あれは単に事故だよ。もうその事言うのやめてくれ…」
「ハッハー まあ楽しもうぜ!俺ら班は違うけど、寝るときは一緒だしな!」
朝陽は周りを気にせず、大門と他愛もない会話をしていた。
愛美と優美果もお互い班が違って落ち込んでいるようだ。
「あーあ。私たち離れちゃったね」
「うん…そうだね…」
「愛美元気ないね…そんなに落ち込まないで?別に部屋割りは同じなんだからイイじゃん」
「う、うん…そうだよね」
愛美は優美果に返事をした直後、一瞬視線を違う方へ向けた。
愛美は異常なほど落ち込んでいる。もちろん優美果と同じ班になれなかったというのもあるだろう。だが、他になにか理由があるようにも見える。
だらだらとすみません。次回からテンポを上げるように書いてみます。それから時間があまりないので投稿頻度が落ちます。
誤字脱字、文章の構成に不備があると思いますがご了承ください。




