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「ふーんそうなんだ。どうして?」


「わかりません。最後に朝陽とちゃんと話したことがあるのは中学2年にになって間もない頃なんですけど、その時に聞いてみたんです。どうして最近関わらなくなってしまったのかって。そしたら朝陽は、『こんな時期があってもいいと思う』としか答えてくれませんでした。その時から少し避けられている気がしたんですが、案の定…」


「そっか。まあ中学生って難しい時期だからねぇ〜思春期の男子は女子と話すのが恥ずかしかったりするから」


笑みを浮かべながら、西條はそう言う。

愛美はなぜ西條が朝陽のことを知りたがるのか疑問に思う。たった一度助けてもらっただけでここまで深く関わろうとするだろうか。


「でも、私は南雲くんが愛美ちゃんのことを嫌っているようには見えないけどな〜」


西條は愛美の話題になった時の彼の表情の暗さは決して愛美に対しての嫌悪から来ているものではないと考える。




「じゃあ、そろそろ時間だし帰ろっか。二人ともごめんねー付き合わせちゃって。とっても楽しかったよ!ありがとう!」


西條はテニスラケットをケースにしまい、愛美と優美果を学校の門まで見送った。




帰り道、愛美と優美果は二人で道を歩く。二人とも地元が同じなので最寄駅まで一緒に向かう。


「いや〜西條先輩とこうやって話が出来るなんてね〜」


優美果は満足そうな表情をして愛美に視線を向ける。


「そうね。まさか朝陽のことを聞かれるとは思ってなかったけど」


「そういえば朝陽くんとはあの日以来話せてないの?」


「うん…でももう慣れたかも。朝陽には朝陽の人生があるし、私も自分の人生をちゃんと送ろうって決めたから」


「そっか。なら良かった。疎遠になり始めた最初の頃なんて愛美すごく辛そうだったし心配だったんだから…でも昔から仲良くしてた人に急に避けられたりしたら私でも落ち込むと思う。愛美は強いね」



「私は…弱いよ…」



愛美は力のない声でそう言った。この言葉にどういう意味が込められているのか優美果には知る由も無い。


辛そうな表情をした愛美が居た。

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