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第6話 観察△日目

『20△△年◯月×日


彼女が一色さんを殺した

やはり一色さんは異常だった

彼女があの日、秋風さんといたことを突き止めた

極力情報が回らないよう手配していたにもかかわらず、だ

なんという執着力だろう

死体をきちんと処理して、手紙まで用意したのに

家出と思わず、いなくなった時間を調べ、その時間に何があったのか徹底的に調べる

きっと優秀な探偵になれただろう

なる気は無いだろうけど

死んでしまったのでどうしようもないし

死体は秋風さんと同じところに埋めておいた

庭が広いと隠せて便利

今回はどうするべきだろう

家出を二度使うか、それとも別のものを考えるか

まぁ、この話はあとにしておく


⚫︎まとめ

彼女は殺人に抵抗がない

それは犯罪だとわかるから普段は隠しているだけだ

おそらく日常の行動となんら違いはないのだろう

だから忘れる

殺した相手もいつ殺したのかも

国語能力が低いのもおそらくは他人への共感力が低いせいだ

そのおかげで人を殺してもなんとも思わないのだけれど

なんともありがたい

それにしてもなんて素晴らしい生き物なんだろう

今までサイコパスとか色々調べていたけど彼女が一番素晴らしい

よく殺人が日常化しているというキャラクターほど誰を殺したのか覚えてたりするものだがそれは日常化していない

そのキャラクターは何日に何を食べたとか正確に覚えているのだろうか

覚えてないだろう

ただ単に殺人を楽しむ異常者

なんともつまらない生き物


あれは一種の進化だ

彼女は人間ではない

そんな生き物と私が一緒にいれるだなんてなんて光栄なこと‼︎

いけない、書きすぎだ

今回はここまでにしよう

彼女が来る』


ここまで書いてノートをパタンっと閉じる

南京錠がついてるので鍵をかけた

「千明ー一緒にお昼食べよー」

「いいわよ」

いつも通り、私を彼女がお昼に誘い、それに応じる

昨日一色さんを殺したばかりだというのに

「そういえばね」

急に話題を振ったのに驚いたのか、ばっと彼女が振り向く

「一色さんも行方不明だって」

私の話を聞いて、しばらく考え込む

「へぇ」

目線をお弁当に向けていた

彼女にとってこんなことどうでもいいのだろう

さっき考え込んでたのだってきっと昨日殺したのかどうか考えていただけだ

もしかすると死体が見つかっていないことについてかもしれないが、その可能性は低い

私が死体を隠すのはこれで5回目だ

死体を隠した人物が何も要求して来なければ、正体をバラす、とも脅されていないから敵対はしていないと判断されたのだろう

それでいい

いつまでもいつまでも


素晴らしいあなたでいてね、亜子


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