βテスト編 66話 イベントの予感
帰るまでが遠足です
与作さん、何やったの?
出発してしばらくたった [こん]の車内の様子。
「………この[こん]さん? ホントに馬使って無いのですね………」
「……ええ、一応ゴーレムですから。早くて便利ですよ(龍さん、キツいよ!)……」
「……そうですね。こういった荷物を運ぶのに便利ですよ(龍さん、こわいわ)……」
「……後ろの荷台はどのくらい積めますの? 」
「……(もう勘弁して)え~と約4tだったかな……」
「4t、荷馬車4台分……結構積めますね………」
リンゴさん達の苦悩は続く………
その頃の[アルファ]の車内の様子。
「まずったかな? 」
「何が? 」
「考えてみたら車両の説明は私がやるべきかなっと思ってね」
「確かにリンゴさん達にはキツいかも……どうします? 」
「休憩の時に様子を見てこっちに来てもらうか」
「その方が良いかも」
暫く走って中間地点で休憩することに。
「sinさん、乗り心地が良いですね。あれで荷馬車の変わりですか? 」
「まぁ、荷馬車の発展形かな………詳しく聞きます? 」
「えぇ、できればそちらの馬車?の説明も聞きたいわ」
「それではこちらの[アルファ]に乗ってみます? 」
「是非お願いします」
メルサさんの移動を知って裏で喜ぶ女性陣………おい!
休憩も終わり出発します。
「……それではこの車は戦闘用になるのですか」
「正確には護衛用になりますね。乗員2人、戦闘員4人で1パーティーで運用するように作りましたから」
「なるほど。パーティー毎に1台有れば良いですね。野営も楽ですし」
「まぁ、そう言う用途にも対応する事も可能ですね。用途別に作れば良いし。ただ、製造単価がいくらになるやら……」
「そんなに高いのですか。因みに後ろの[こん]だとおいくらになります? 」
「わしも聞いてなかったな。教えて! 」
「確か………200,000,000Gだったかな? なるだけ経費は押さえたんですが……」
「2……2億G………も、元が取れるのは何時になるやら………」
「すると[アルファ]は………聞かない」
「あ、一応販売は一切考えていませんよ。必要ならば先ずはマーリン師匠と相談して下さい」
「今更無理よ。オートマトンの馬を作って馬車レースで妨害工作をされて惨敗してそれ見たことかと笑われて意固地になってしまってそれ以来父とはギクシャクしていてね……」
「フ~ン………因みにそのレースってまだやってます? 」
「えぇ、次の大会はたしか………30日にこの街道でってまさか!?」
「恐らく師匠はエントリーしますね。何せトレントの丸太をかなり集めていましたし、ゴーレムエンジンは持ってますしね」
「あ、確かにsinさんが渡してましたね」
「それにこの子達を生産ギルドに預けていた時に倉庫前に商人と馬車職人がいましたからてっきり商売の方かと思ってましたが恐らくレースの方ですね」
「すると今回も妨害工作を受ける可能性が………sinさん、お願いがあります」
「待った! まず師匠の代わりに出場は却下。師匠が出なければこの場合いけない」
「はい、そうですね」
「次に主催者は誰? 」
「主催者は基本領主様です。後、運営自体は輸送ギルドがメインで各ギルドが協力する事になってますが……」
「アイツか………次にルールの方はどうなってますか」
「前回のルールですと必ず車輪は2~4輪で荷物を500kg積みこむ。途中で荷物を落としてもダメ。必ず2人のる。馬は最大2頭まで使用ですかね。たぶん明日からエントリー受付が各ギルドにて始まりますね。その時に今年のルールが発表しますね」
「ルール次第かな。後は妨害までしても勝ちたいって思ってるのは誰? 」
「元輸送ギルド荷馬車部門の責任者様とその取り巻きの馬の卸業者かな? もっとも今回はどうだろうね。バカとその卸業者は捕まったしね」
「その辺はこっちでも裏を取りますよ。ま、恐らくレースに出るはめになりそうですしね」
「龍さん、それどう言うこと? 」
「恐らくGバカが絡んでヤラカスかもね。後は……GM秘書さんがね……やるな、ついでに」
「聞くのが怖いけど何を? 」
「スレで言ってたろ。ファッションショー 」
「マジですか。デモなんで? 」
「ミシンさんが偶然にも私が世話になった裁縫店で修行していた。おそらく親衛隊がらみでやるだろうね」
「あの~ファッションショーって何の事です? 」
「女性服のできを競うレースみたいな物ですね。生産ギルドか商業ギルドがメインで仕切ると思いますよ」
途中で定期荷馬車隊を追い抜き15時にはイースト街西門に着いた。
さすがに4時間かかったがノンストップなら3時間で着くのを証明したのでメルサさんも納得するだろう。(たぶん?)
メルサさんはそのまま輸送ギルドイースト支部に行くのでここで別れた。
遠征メンバーと源さんファームに戻ると大量の丸太が山積みになっていた………なにこれ?
「龍さんおかえり。いや~このリュック良いわ♪ アックスもお気に入りになって中で寝てるよ」
アックス「(モゾモゾ)ウキ~♪」
「お、起きたな。アックス、龍さん帰って来たぞ。お礼は?」
アックス「ウキ♪」
「アックスちゃんが喜んでくれて良かったよ。しかしすごいな。この山積み」
「龍さんおかえり。もう与作さんが張り切って斧無双するから関係ない木も伐採してこの通り丸太の山が5つ有りますよ。どうします? 」白菜
「トレントの丸太何本集めた? 」
「え~と102本かな。因みに杉が150本、松が150本、樫が150本、檜が150本有りますね。与作さんの俺は樵だ~♪って笑いながらの樵無双は引きますよ」カジキ
「そうかな? 笑いながら木を切ってたか? 」
「たまたま冒険ギルドで伐採の依頼があって切った木は持ち帰りOKだったから受けて回収したらこの山積みができたんじゃないですか」
「まぁ良いけどね。ちょうど良いかな。リンゴハウスの増築か新築するかだったけど材料が有るから建てられるな。どうする、リンゴ副マスター? 」
「ウ~ン……………お姉様に相談してから決めますけど良いですか? 」
「リンゴ副マスターに任せた。良い建物建ててください」
この時の丸投げを後に後悔するとはこの時の龍さん達男性メンバーは思ってもいなかった。
まず[こん]の荷物を格納庫の脇に置いて一部(100kg位)をとっておく。
〔精錬前に実験するため〕
[アルファ]と[こん]を格納庫にしまいすでに帰って来ていた[くろ]共々点検をする。
〔仕事の後は必ず点検〕
次に源さんハウスに行く。
[トラ]の点検をしにいくと[トラ]はいなかった。
畑の方で源さんの所で何かしていた。
よく見ると………え、鍬を振って畑を耕していた………嘘だろ!?
「源さん、[トラ]が鍬振ってる様に見えるのは何故ですか? 」
「龍さんおかえり。そりゃ教えたからな」
[トラ]「クリエイター、おじいちゃんにお願いして教えてもらったの。手伝いたくて」
「おじいちゃんって(笑)。あれ、声も変わっているね………あれ? どこかで………あ!?お孫さんの声ににてる。声を変更するのどうやりました? 」
「GMさんに相談してのう……そしたらお孫さんの声のサンプル? がほしいと言うから電話して録音したりし色々とやっていたらこうなってた。不味かったかのう」
「別に問題は無いですよ。ウ~ン……専用の農具がいるかな」
〔GMさんは、たま~には良いことするな……たま~~にだけど〕
源さんに《キュクロー村》の件の報告を聞いてから用があるので街中に向かう。
中央公園ステージがまた工事中なのは何のデジャブ?
まずマリック師匠の店に行きマーリン師匠の件を聞くとやはり間違いなかった。
「………と言う訳だ。マーリンは間違いなく参戦するぞ。どうする」
「ルール次第ですね。確認してからですね。師匠は出ないのですか? 」
「ワシは出ないぞ。そもそも馬車は苦手での………」
色々と師匠と話してから土産物を渡して店をでた。
次に生産ギルドに行って話を聞くことに。
トアギルドマスターは珍しく執務室内にて書類にサインしていた。
トア「龍さん何の用? あ、第1回目の輸送は助かったわ。いつもの10倍の量は運べたわ。資源もいつもより運べたし大助かりよ。次もお願いね」
お土産物を渡して何気にレースの事を聞いてみた。
トア「……まぁ、あんまり詳しいことは明日の朝に発表なんだけどね、まぁ良いわ♪教えてあげる………」
トアさんの話では今回のイベントは4つの大会が有るらしい。
①闘技大会 冒険ギルド主催 (所謂PVP解禁らしい?)
②衣装大会 生産ギルド主催 (ファションショーかな?)
③街道馬車レース大会 輸送ギルド主催 (コレが問題だよね?)
④オークション 商業ギルド主催 (ヤバイもんは出さないようにしないとね?)
この4大会を30日に行うらしい。
ダイブインしたら明日は朝から荒れるぞ………運営は大丈夫かな?
トアさんにはファションショーに出ないのかと聞かれたがデザインセンスがないから出ないと言うと例の[Fスパイバーの反物改]を10反売って欲しいらしい。
[Fスパイダーの反物改]
品質:S
製作:sin
解説:高級品のFスパイダーの糸を使用した特殊な布地
物理、魔法防御の高い布地
ミスリルの糸を追加したためさらに防御力が上がった
魔力伝導率が高く魔道具にも使用できる
一反100m
価格:3,000,000G
確かに商品としては破格なんだろうし今の所手に入らんしな。
〔師匠から漏れたかな? ……あ、ツナギからだ! 〕
ウ~ン……10反はキツイな………装備の製作関係で出せても3反が限界ですと言うとそれで良いのとあと[ミスリルの反物改]を7反と言ってきた。
〔最初からこっちが本命でFスパイダーの反物改の方は買えたらラッキー位だな。師匠……〕
しょうがないので反物を売っておく。
トアさんには貸しですよと言うと何の事と惚けられた。
〔後でキッチリ回収しますよ! 〕
源さんファームに戻ると早速、源さんがリーダーで炭焼きが始まっていた。畑の隅で炭焼き小屋を建ててすぐに1回目の炭焼きが始まっていた。
〔源さん何気に多才だよな。農林関係は〕
リンゴハウスのリビングに行くと何やらGM秘書様と親衛隊の女子会? が開催中だった。
何してるのか聞くと何とクランFICA女子寮の建築会議をしているらしい。
〔図面を見せてもらったがとんでもない物になりそうだった〕
「え~と費用はいかほど掛かりどの様になるのでしょうか? 」
「費用に関してはリンゴさん達が自前で出すそうよ。勿論、材料は外の材木の一部を使わせてもらいますわ。一応場所はこのハウスの隣に建てますわ」
「自前って一体いくら掛かるかわからんけど大丈夫なの」
「その辺は大丈夫です。お姉様がアルバイトが有るらしくて紹介してもらいました。しかも金貨100枚の1,000,000Gの仕事だそうです。何をするかは聞いてませんけどね? 」
「何の仕事? まさかの中央公園の工事の件? 」
「龍さんは気がつきました? なら ないしょで」
「あ、察した。あの仕事か………ガンバ(笑)。あと明日の朝に発表ですよね? 」
「龍さん何か知ってるのですか? 教えて下さい」
「えぇ、明日の朝に発表しますからリンゴさん、おたのしみね。あと龍さん、たぶん想像と違う形の事になりますよ」
「その件でちょっと相談が有りまして工房の事務所で良いですか? 」
この後事務所に移動してお話し合いをした。
勿論、師匠の話もして確認してもらう事に。
〔GM秘書さんは私がイベントの件を知っていたのを驚いていた〕
この後リビングに戻って夕食をいただきました。
〔やっぱりチビッ子達はクックさんの作った食事をがっつきまくっていた〕
夕食も終わりチビッ子達を連れて工房に戻り早速、今回のキュクロー村買付物資の確認、川砂鉄の実験、GM秘書さんのオプション装備? の開発、[トラ]の改良版ボディーの開発、クランの人達のツナギの作成、与作の装備の製作、送風機の製作何かをしていた。
チビッ子達も格納庫の一部にreトレントで作ったフローリングスペース(ゴム板を付けた柵で囲ってある)で遊んでいた。
〔スノウちゃんにはスケートボートモドキにのってクーちゃんとボールのおいかけっこしていた〕
工房をでて炭焼き小屋を見に行くと第1回の焼が終ったらしい。
できを見せて(鑑定させて)もらう。
[トレントの備長炭]
品質:S
製作:源さん
解説:トレントの丸太を使った最高級の炭
1本の丸太から120本分作る事が出来る
これ以上の炭はないはず……たぶん?
魔力を含んでいるため破格の火力が期待できます
価格:5,000G(1本)
木工職人が見たら卒倒しそうな物ができたな。
明日は朝から忙しくなるので娘2人を連れて部屋に戻り休む事に。
そのままダイブアウトすることに。
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龍さん→何か裏でこそこそしてない?
Gバカ→な、ナンノコトカナ?
ザンネン→な、ナンノコトカナ?
GM秘書→な、ナンノコトカナ?
運営上司→な、ナンノコトカナ?
次は掲示板かな
1/5 修正しました
1/14 話の都合によりミスリルの反物改の取引数を5反→7反に変更します