βテスト編 15話 冒険ギルド
妖精の被害は多いらしい?
いよいよドクターKと会ってしまうのか?
「ギルドマスター、sinさんをお連れしました」
「来たか、入れ」
中に入ると厳つい狼顔のおっさんがいた。
「お、来たな。そこに座ってくれ」
「それでは失礼します」
「ギルドマスター、仕事に戻ります」
モミジさんが部屋から出て行く。
「まぁなんだ、私が冒険ギルドのギルドマスターでヴォルフだ。中は下っぱの田中だ」
「あれ?いきなり中身が有りますはまずくない?」
「まぁこの手紙にって言うかメールで連絡あったよ」
「もしかしてあのザンネンの同僚さん? 」
「不本意ながら。まぁ……騙された方かな? 」
ここにも犠牲者? がいたよ。
「それで手紙の内容は? 」
「例のゴブリンの件だね。はぁ~まだ早いんだよなぁ……予定では15日頃の予定だったんだよ」
「それはご苦労様です。まぁ当人はお仕置き決定みたいですけどね」
「俺も参加したいが立場上できないのはしょうがないけどね。殴りたいけど」
「所で私が呼ばれたのは? 」
「それはお前さんがどんな人か見ておきたいからな。色々とな? 」
「それは……まぁそうですけど」
「お前さんが今のところ全サーバーの中で生産と戦闘に関してはトップクラスだって自覚無いだろう? 」
「えぇ?そんな事は……無いよね? 」
「確かに脳筋どもと比べるのも変だが全く角兎にダメージを受けずに刈ってくるはsinさん位かな? 」
え、そうなの? マジですか……
「それにその装備! マントに隠れているからまだバレて無いようだが その破格な性能の装備、バレた場合どうなるのかわからんぞ! 」
ヤバイ……どうしよう。
「まぁ普段はその中着だけにして上に何か羽織れば大丈夫だろう。陰隠持ちなら鑑定されても見えないからな」
う~ん、街中専用の装備も作らなければダメかな?
「それにしても生産スキルが中級なんだろ! いまだに初級者しかいない中で」
はい、ソウデスネ。
「こっちには何人か来てるが生産ギルドの方はお前さんが最初の一人目らしいぞ」
やっぱりな! でなければあんな所で師匠達が酒盛りしてないよな。
「じゃ、しばらくはこそこそしてた方が良い? 」
「別に良いんじゃないか? このゲームは自由だし」
「結構アバウトですよね」
「ま、そんな所かな。後は……sinさんやそのバック余って無いか? 」
「さっきまで5個持ってましたけど生産ギルドに卸してしてしまって。欲しいですか? 」
「後で生産ギルドから回してもらうわ」
気に入りましたか……
「そうして下さい。後はなにか有ります? 」
「一応明日に東の森の調査依頼を出すがお前さんは受けなくて良いよ」
「ありがとうございます。明日は北の方に採集に行こうかと思ってましたからね」
「北か……まぁお前さんなら大丈夫か! 行く前にギルドで依頼を用意しとくよ」
「ありがとうございます? ……後何かありますか」
「用がある時は呼び出すから12日までは好きに動いて良いよ。程ほどに」
わかりました! と言い部屋を後にする。
受付カウンターに戻りカエデさんに声をかける。
「ギルドカードの更新終わりましたのでお返ししますね」
ギルドカードを返してもらい確認をする。
[総合ギルドカード]
名前 :sin
種族 :龍人族
職種 :[冒険者][製作者]
登録 :総合ギルド:ランクE
生産ギルド:ランクE
冒険ギルド:ランクE
貯金 :233,906G
あれ? 生産ギルドのランクがEになってる?師匠に気をとられて気が付かんかった(笑)
冒険ギルドのランクも、Eになってるね。Fからのはずでは?
「冒険ギルドのランクがEになってますけど? 」
「その件ですけど「色々とやらかしてるからEに上げとけ」とマスターに言われましたけど? 」
適当だなおい! まあいいか。カードをしまい帰るとしよう。
「これから依頼を受けますか? 」
「これから宿屋のお手伝いが有るので今日は帰りますね」
「わかりました。それでは本日はご苦労様でした」
「また来ますね」
冒険ギルドから出ようと出入口のほうに向かうとどうやら外から冒険者が帰って来たみたいだ。
私はすぐに出入口の死角に移動し観葉植物? の影で[陰隠]をかける。
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「いやいやあそこで俺が止めをしたから勝てたんだぞ! お陰で楯が壊れたけどな! 」
「そのわりには攻撃くらっってたよな! 誰が回復してやったと思ってんだ! 」
「あんな不味い臭い物飲ませやがって味覚壊す気か! ドクター」
「しょうが無いだろう? 今のところあれが回復量は最高なんだから!! 」
「ドクター! あんた飲んだこと無いだろう? これ」
「鑑定スキルで見るから必要無し! 効けば良いのだ!! 」
「NPC製の方が効き目が有るのになぜこれを使う? 在庫処分とか言うなよ! 」
「ソンナコトナイヨ。タマタマダヨ! 」
「ドクター、わかっ…………」
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ドクターKのパーティーかな? フルパーティー(6人)だったよな?
やれやれ、受付カウンターの方にいったか……よし、今だ直ぐに脱出だ。
後ろを見ずに走り冒険ギルドから離れた。
その後、宿に戻りトマリさんに 下ごしらえ から料理を教わり[料理]スキルを上げる。
泊まりに来た商隊の商人達を接客しながら情報収集。(やはり西か! )
後片付けが終わったタイミングで師匠達が乱入。(トアさん、キーパーさんも乱入)
そしていつものように潰されて部屋に放り込まれる。
そして7日目が終わった。
●〇〇〇〇〇
その後のドクターKと愉快な仲間達一行
「まぁなんとか依頼をクリアできて良かったよ」
「あの大きな猪? の突撃には参ったよ」
「与作さん、当たり前だ! あんなの普通はよける所だろう。受け止めるは無いわ」
「ああ、お陰で盾が一発でお釈迦ですね。盾買わないとな……」
「与作さんはドワーフなんだから自分で作れば良いんじゃないか? 」
「おれは、斧の一撃攻撃をしたくて近接戦闘できて重装備が出来るドワーフになったんだ! 悪いかエロフドクター」
「エロフでは無いわ。エルフだわ。レベル上げてダークエルフになる予定だけどね」
「ドクター、ポーションで挫折した時点で止めたら」
「「「「そうだよ、魔法職専属でやった方が」」」」
「いやいや、私はドクターKだよ! 医者なんだよ! お薬作ってなんぼなんだよ!! 」
「「「「「それはない! 」」」」」
「そういえばドクターの知り合いは見つかったの? 」
「それがどこにいるのか全くわからない。まだ総合ギルドにいるんじゃ無いの? 」
「何人なんですか? その知り合いは」
ドクターK「3人かな。1人は知ってるがあと2人は何してるのか? 」
「おいおい把握してないよな? 」
「知ってるヤツはそこの与作だけどね」
「一応リアルで世話になってるからな。後は源さんと新新さんかな? 」
ドクターK「そうそう。源さんはもともと農家だから野菜畑を造ると言ってたけど新新さんは教えてくれないんだよな。でも杖作ったって言ってたから木工師かな? 」
「なんでそんな事知ってるの? 」
「朝のダイブ前に回診してる時の雑談でね。でも新新さんは口が硬い! 」
「まぁ良いのでは? ここは自由なんだし何していても」
「よし! 今日もたくさん薬草採取してきたから今から調薬ダー!! 」
「「「「「青汁はやめて! せめて味見して」」」」」
この後NPCのショップで[HPポーション+]が売られていたのを発見。(20本限定)
しかも効果が+50回復し、まさかの製作者PC表示でドクターKが暴れて衛兵さんに厄介になったらしい。
「どうやって作ったんだ~!! 」と叫びながら。
●〇〇〇〇〇
与作 :一緒にβテストに来た入院仲間の1人 sinに中途半端な知識(ゲーム)を教えた張本人 会社員
本名 森田光広 33歳 交差点を横断中に飲酒運転の車に引かれ右足を失う
●〇〇〇〇〇
ドクターKとはニアミスでした
双子姉妹が言っていたのはドクターKみたいです
sinさんの入院仲間の1人がすでに捕まっていました!
3/16 修正しました。