表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

詐欺師シリーズ

セイリオスの逃亡

元詐欺師の女がいる。元、だ。……じゃあ今は、誰なんだろう?
「ずっとずっと、歩いて来たんだ……そうしたら、わたしはわたしが今誰なのか、わからなくなった」
 幼い顔をした彼女が、その深い深い黒い眼をふわりと上げた。
「わたしがわたしを捕まえる。―――そうしたら、この逃亡劇はきっと終わり」
 どうかな。そう簡単に、君は捕まりそうにない気がするけど。

灰色の眼をした彼との時間が過ぎ、黒髪の青年と離れ海と空を越えた彼女は、心の底から疲弊したまま『逃亡』をはじめていた。
血の繋がらない弟、腹に一物抱えたカメラマンたち、送りようのない手紙を抱える学生、スランプのモデルに雨と霧の街の保安官。彼らの眼の前に、或いは誰かの心の先に、彼女は通りかかり、そして去って行く。

 嘘と詐欺のあとに、残ったものの話をしようか。
 大丈夫。怖がっていていい。
 この手をしっかり握っていて。
 これは君が逃げた跡であり、君がどんな風に世界を愛していたかという話なんだ。

 大丈夫。これだけは言える
 だからきっと覚えていて。お守りのように胸に刻んでいて
 君はすべてを失くしたわけじゃないんだ

 君がいる。君がいた。
 ―――その世界を、愛そう。

―――前作、『マクデブルクの半球』『アステリスクの邂逅』『セントエルモの光跡』の続編です。
どうぞ、前作を読まれてからお読みください。
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 101 ~ 148 を表示中
セイリオスの逃亡 17
2016/12/12 00:00
アウロラの夜明け 2
2017/01/18 00:00
アウロラの夜明け 3
2017/01/20 00:00
アウロラの夜明け 4
2017/01/22 00:00
アウロラの夜明け 5
2017/01/24 00:00
アウロラの夜明け 6
2017/01/26 00:00
アウロラの夜明け 7
2017/01/28 00:00
アウロラの夜明け 8
2017/01/30 00:00
アウロラの夜明け 9
2017/02/01 00:00
アウロラの夜明け 10
2017/02/03 00:00
0
2017/02/19 00:00
ナコイ トオル
2017/02/23 01:00
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 101 ~ 148 を表示中
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ