ツクヨミ様の影の薄さは異常
東京。
日本の現在の首都であり世界でも有数の大都市でもあるのですが、江戸時代の時点でもう世界でも類を見ない都市整理がされ上下水道整備されていたり、そもそもその基礎に風水が使われまくってるリアル呪法都市だったりと色々おかしい街でもあります。
あと都庁は変形して巨大ロボになるとかいう噂もありますが、当然ただの噂です。
あれはどう見てもツインサ○ライトキャノンの砲台でしょう。
「にゃー」
「うむ……なるほど。そうか」
そしてそんな東京に夜の帳が落ちた頃。
人気のない建物の屋根の上で何やら頷いているのは、鮮血の公爵(笑)ことグラウゼさんです。
そんな彼の周りには、大量の猫が。
どうやら街を監視するために配下にした猫たちの集会に紛れ込んでいるようです。
猫集会に参加するおっさん吸血鬼。さすが日本ならではの光景です。
「にゃー」
「何だと? あの屋台最近見かけないと思っていたが、駅前に移動していたのか。よくやった。このジャーキーをやろう」
「にゃー」
しかしどうやら割とどうでもいい情報も集まってくるようです。
それでもご褒美のスティックジャーキーを忘れないグラウゼさんは猫相手にも紳士です。
でもはたから見るとおっさんが猫にたかられてるようにしか見えません。
「にゃー」
「むう。やはりこの街でも外国人の流入による問題は起きているか。豊かな島国は純朴な人間が育まれやすいというが、反面異分子の流入に弱いのが欠点だな。それにしてもマナーのなってない連中が多いが」
自分(異世界人)を棚に上げて外国人問題を語るグラウゼさん。
おまえが言うなという光景ですが、残念ながら猫さんたちにつっこみを入れるほどの知性はありません。
ちなみに日本人の外国人への耐性の無さというか、外国人恐怖症はかなりの筋金入りであり、鎖国政策などはその顕著な例と言えるかもしれません。
ついでにキリスト教の弾圧などもやらかしちゃってますが、これは当時の宣教師が奴隷売買に関与してたり、信者が寺や神社を破壊したりとやりたい放題だったのが原因だったりします。
つまり外国人の横暴に我慢できなくなった日本の最終兵器が鎖国(引きこもり)だったのです(極論)。
さすがはアマテラス様(引きこもり)の子孫の国です。
「にゃー」
「なに……おやじ狩りだと!? 汗水垂らして家族のために働くお父さんのお小遣いを奪うとは、断じて許せん! 案内しろ猫!」
「にゃー」
犯罪が行われていると聞き、猫を肩に乗せ飛び立つグラウゼさん。
どうやら明日の紙面にも吸血鬼風貴族メンによる活躍が乗ることは決定したようです。
今日も日本は平和です(予定)。
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一方高天原。
「ねえツクヨミ。『月に代わっておしおきよ』って言って」
「断固拒否します」
グラウゼさんの活躍を見ていたアマテラス様からの提案を一刀両断するツクヨミ様。
月に代わってと言うかツクヨミ様が月じゃないのかというつっこみは野暮なのでしてはいけません。
「何をどうしてそんな発想に至ったんですか。確かに夜に猫をおともにそれっぽいことをしていますが、肝心のヒーロー(ヒロイン)が少女ではなく吸血鬼ですよ」
「……つまりツクヨミが猫をお使いにして女の子を」
「やりません」
何か目を輝かせて計画を立てちゃってるアマテラス様に、相変わらずクールに言い放つ今日も冷静沈着百合好きなツクヨミ様。
吸血鬼仮面様!
「何でそこまで美○女戦士を推してくるんですか?」
「だってツクヨミだけ人間の間で影が薄いから、ここらで一発やっておけば知名度(ネタ的な意味で)も上がるんじゃないかなって」
「姉上ー? 今ぼそっと何を言いましたか?」
「にゃにもひってにゃいでひゅ」
笑顔で姉の頬をつねり縦縦横横するツクヨミ様と、涙目で謝るアマテラス様。
今日も高天原は平和です。




