知り合いが販売ノルマがあるので売り込みに来る
「そういえばクリスマスケーキの予約を始めたんですけど、騎士団の皆さんで買いませんか?」
「クリスマスのない異世界でクリスマスケーキの予約を??」
メルディア王国の王宮の食堂にて。
警備が終わりクリームシチューを食べていたオネエと、いつの間にか相席してプリンアラモード食いながらなんか言い始めたミィナさん。
プリンアラモードが実は日本生まれだという話はしたな?
……してなかったっけ。
まあいいか!
「売れるのそれ?」
「まあ宣伝はしてますから。クリスマスが何か理解されなくても『この時期は色んなケーキが買えるんだな!』と認識されればそれでいいかなって」
「発想が日本人」
みんな美味しいものが食べられるなら細かい理由は気にしないからね。
「でも確かにこういう機会でもないとケーキなんて食べないものね。誕生日を祝うような歳でもないし」
「国生さんまだ二十代ですよね?」
連載開始して十年経ってるからね。年齢設定と言ってることが嚙み合わなくなっても仕方ないね。
「予約しちゃおうかしら。騎士団の連中に見せるための見本のチラシとかあるかしら」
「どうぞ。予約用紙もついてます」
結構乗り気なオネエと、待ってましたとばかりにチラシの束をズバッと差し出すミィナさん。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「プリンアラモードって日本生まれだっけ。本当意外なものが日本生まれだったりするよね。クリスマスケーキも日本生まれだったりしない?」
「クリスマスにケーキを食べる習慣自体は各国にありますね。有名なものだとフランスのブッシュ・ド・ノエルなどでしょうか」
「流石に日本生まれじゃないか」
「しかしケーキの代表格なショートケーキは日本生まれです」
「マジで?」
案の定予想外のものが日本生まれで驚愕するアマテラス様。
そもそも日本が海外の食べ物を日本流に魔改造しすぎとも言う。
「ショートケーキ自体は海外にもありますが、日本のそれとは別物なんですよ。例えばアメリカのショートケーキはビスケット生地を土台にしておりサクサクしていますね」
「それはそれで美味しそうだけども、確かに日本のとは別物っぽい」
「日本で主流のショートケーキは、アメリカのショートケーキを参考にした菓子会社が1922年に販売を開始したとされていますね」
「百年以上前じゃん。そりゃ元が何なのかとか誰も気にしないわ」
なお当初の日本のショートケーキは、生地がカステラやそれに近いものだったそうです。
また生クリームではなくバタークリームが主流であったとも。
「あーそういえば昔はバタークリームのショートケーキもよく見かけたような。なんで生クリームばっかりに?」
「元々バタークリームが使われていたのは、保存性に優れているという点もありましたからね。1950年代に家庭用冷蔵庫が急速に普及したので、生クリームの需要が増えていったそうです」
「あー冷蔵庫が三種の神器の一つだとか言われてた時代ね」
なお50年代に三種の神器として宣伝されたのは冷蔵庫、洗濯機、掃除機ですが、60年代に入るとカラーテレビ、クーラー、自動車が新三種の神器として宣伝されています。
「え? じゃあうちしばらく前まで新三種の神器なかったじゃん。元祖三種の神器を持っていたこの私が」
「元祖を同列に並べないでください」
エアコンは最近まで学校でも設置数が少なくて問題になってたからね。アマテラス様が持ってなくても仕方ないね。
今日も高天原は平和です。




