学生時代苦手だった英語を必要にかられて嫌でも覚える
「サロス、丁度いいところに。今日の夕飯は餃子なので、自分が食べる分は自分で包んでください」
「えー。まあそれくらいならやるかって多!?」
ケロス共和国のとある村にて。
台所を通りかかったらイネルティアさんに声をかけられ、中に入ったら大勢のエルフやダークエルフたちがひたすら餃子を作ってて驚くサロスくん。
餃子くらいなら誰でも作れるからね。
と思っていましたが、学校の調理実習で他の班員が水を入れず蓋もせず箸で突っつきながら焦げるまで焼いていて「元々知らないにしても先生の事前説明すら無視だと!?」となったので、誰でもは作れないかもしれません。
「ええ……。人見知りなアルカの兄ちゃんまでいるじゃん」
「ちょっと待て。貴様、私のことをそう認識していたのか」
元ダークエルフのリーダーなアルカさんまでいるのを見て驚くサロスくんと、人見知りと言われてちょっと待てやとなるアルカさん。
実際ダークエルフの皆さんはアルカさん含めて根がビビりばっかりだからね。
「何でエルフで集まって餃子作ってんだよ。というか肉食えないのに餃子って」
「もちろん私たちの分は肉なしです。代わりに豆腐を入れると良いと聞いたので野菜オンリーではありませんが」
「豆腐、肉の代わりにされすぎじゃね」
大豆は畑のお肉だからね。仕方ないね。
「私が餃子を作っていたら自分たちも食べたいと言い出したので。しかし数が多すぎるのでもう自分で作れと」
「あーアスカが居たときと同じノリでたかっちゃったかあ」
「たかったわけではない」
アスカさん体力有り余ってるせいか大量生産が得意だったし、なんだかんだで世話焼きだったからね。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「なんかアメリカで日本の冷凍餃子が売られ始めて、軽くお祭り騒ぎになってるみたいなんだけど」
「東京オリンピックで選手たちに無料提供されたのをきっかけに、知名度があがっていたそうですね。その後アメリカの一部企業で取り扱われ始めましたが、最近アメリカの大手の食品メーカーが次々と日本の冷凍餃子の取り扱いを始めて話題になっているそうです」
「あーそんなこともあったような」
他にもコンビニ大好きな外国人が誕生したりしていました。
なお日本企業の傘下に入ったアメリカの某コンビニチェーンは、順調に取り扱い商品が日本化されていっているそうです。
「中国にも輸出されていて『日式餃子』と呼ばれているそうですね」
「また日本で魔改造された中華料理が日式呼ばわりされてる」
実際別物だからね。仕方ないね。
「それこそ水餃子もたまには食べたいかなあ。水餃子も日本のそれとは違うのかなあ……って、ツクヨミ」
「何ですか」
「今餃子についていろいろ検索してたらさあ」
「ドラ〇ンボールが出てきたとかじゃないでしょうね」
「マッチョ餃子が出てきた」
「日本餃子協会のマスコットですね」
「何で一瞬で分かるの恐」
マッチョ餃子ってなんだよと言われそうですが、実際マッチョ餃子なので他に言いようがありません。
「ちなみに名前はちゃ〇ず君ですね」
「それ名前として使っちゃって大丈夫なの」
「大丈夫も何も餃子の中国語読みですからねチャオズ」
なお発音的にはチャオズよりジャオズの方が近いとも。
実際の発音とズレたカタカナ表記というのは結構ありますが、言語によっては完全に発音が一致するカタカナが存在しないからね。仕方ないね。
「まあ多少違っても人間の耳と脳は補正して聞き取りますからね。ジョン万次郎は『ウォーター』を『わた』もしくは『わら』と聞き取ったとされていますが『わた』の方がネイティブには通じやすいという話もありますね」
「マジで」
掘ったイモいじるな。
今日も高天原は平和です。




