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夕立の勢いが凄い

「きゅうりです。きゅうりを食べなさい」

「いきなりなんだよ」


 ケロス共和国のとある村にて。

 きゅうりの浅漬けを差し出しながらなんか言ってるイネルティアさんと、この姉ちゃん美人なのにたまにおかしくなるのなんなのとドン引いているサロスくん。

 多分エルフは大体美形な上に大体おかしいです(偏見


「スクナヒコナ様からお告げがあったのです」

「お告げも何もあのチビ神いつもその辺にいるし、今も姉ちゃんの肩に乗ってるだろ」

「きゅうりだ。夏はきゅうりがいいぞ」

「……と」

「うん。俺にも聞こえたわ」


 リアルタイムなお告げにとりあえず納得しておくサロスくん。

 お告げじゃなくてただの雑談じゃねえかとは言ってはいけません。


「で、確かにしょっぱくて食感も良いから食いやすいけど、なんできゅうり?」

「いやイネルティアがダイエットをしたいみたいだったから、カロリーが少なくて夏向けの食材をだな」

「クッ! 日本から送られてくるお菓子が憎い!」

「なら食うなよ」

「私に死ねと言うのですか!?」

「ええ……」


 きゅうりの浅漬けをコリコリ食べながら至極真っ当なつっこみをしたら、生死の話をされてさらにどん引くサロスくん。

 どうやら日本に居る変態神官ことナタンさんから送られてくるお菓子攻撃は、順調に成果を上げているようです。


「でもきゅうりなら食べても太らないのは何となく分かるけど、夏にいいのか?」

「おう。単純に水分が多い上に、カリウムっていう汗と一緒に体から出ていくもんが含まれててな、体のむくみやだるさを解消してくれるぞ」

「へーすげえなあ」


 理屈はよく分かんないけど神様が言ってるんだから本当なんだろうなあと受け入れる、割と素直なサロスくん。


「まあ何でも一種類だけ食べすぎるのは良くないけどな。夏は夏野菜食っとけば大体大丈夫だろ」

「大雑把だな」

「なるほど夏野菜。またウェッターハーンのお嬢さんにレシピ本を頼んでおきましょうか」


 もう何作るか考えるのめんどいから、夏野菜全部つっこんでカレー作ろうぜ!

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「あれ? きゅうりってなんかビタミンCを壊しちゃうんじゃなかった?」

「アスコルビナーゼという酵素がビタミンCを破壊するという話がありましたが、近年の研究では否定されていますね。実際にはビタミンCを破壊ではなく酸化する効果があり、酸化したビタミンCは体内に入れば酸化前のビタミンCと同じ働きをするので、ほぼ問題ないとされています」

「へーじゃあ別に組み合わせとか考えなくていいんだ」


 ちなみに破壊しないと分かる前は、加熱することによりアスコルビナーゼの効果を抑制できるので、加熱調理も推奨されていたそうです。


「でもきゅうり食えと言われても、きゅうりって大体生か漬物ばっかりで、そんなレパートリーあるイメージないんだけど」

「中華などでは割と炒め物などにも使われますよ。あと夏ならば冷やし茶漬けなどに入れるのもいいのでは」

「あー冷やし茶漬け。食欲なくてもするする食べられちゃうよねえ」


 ちなみに冷やご飯とお茶のカテキンには脂肪を燃焼させる効果があるので、ダイエットにも効果的です。


「ダイエットにも効果的って言われても、結局運動も一緒にしないと筋肉も落ちるから健康に悪いんじゃあ」

「まあ無茶なダイエット後のリバウンドの原因の一つは、筋肉も減って太りやすい体になるからですからね」

「うーん。でもあんまりムキムキになりたくないっていう人もいるよね」

「そんなことを言っている人間の頑張り程度ではムキムキにはまずなれませんので大丈夫かと」

「お、おう」


 ムキムキへの不安をバッサリ斬るツクヨミ様と戸惑いながらも納得するアマテラス様。

 そんな簡単にムキムキになれたらボディービルダーの人たちとか苦労しないからね。


 今日も高天原は平和です。

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