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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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風邪は万病の元、酒は百薬の長

 風邪。

 多くの人が経験したことがあるであろう病気であり、万病の元と言われることもある病気ですが、それは風邪の初期症状に似た病気がいっぱいあるせいだからだったりします。

 つまり単に風邪をこじらせる以外にも、風邪だと思ったら違う病気だったぜ☆というパターンもあるわけです。

 皆さんも風邪をひいたと思ったら、市販の風邪薬ですませないでなるべく病院に行きましょう。


「……喉痛い。頭痛い。怠いです」


 そしてそんな風邪をひいてしまった人が安達家に一人。

 異世界から来た見習い召喚師にして現役中学生なエルテさんです。

 熱があるのか、顔を赤くしながら布団にくるまっています。


「37.5度。今日は学校はお休みですね」

「そうでござるな。では拙者が登校ついでに中等部に寄って話をしておくでござる」

「お願いしますね」


 エルテさんの看病をするシーナさんに頼まれて、ブレザーの制服を着たヤヨイさんが心得たと頷きます。

 先日安達くんと柳楽くんの説得を受け高校に通い始めたヤヨイさんですが、警備などの問題からエルテさんと同じ中高一貫校に通っています。


 異世界から来たオッドアイの猫耳侍女子高生。

 ヤヨイさんの属性過剰積載が止まるところを知りません。


「時間になった病院に行ってお薬をもらいましょうね」

「……粒のお薬飲めません」

「じゃあ砕いてもらいましょうか」

「苦いの嫌です」

「我侭言うんじゃありません」


 風邪で弱っているせいか、いつもより遠慮が無くなり甘えがでているエルテさん。

 しかしそんなことは、安達家のオカンことシーナさんが許すはずもありません。


「あと食事は……おかゆの他にはうどんが消化に良いんでしたっけ」


 風邪の時は消化に良いものを食べるべきですが、他にも風邪に効果のある食材を入れるとさらにベターです。

 例えばシイタケとか。


 嘘じゃありません。本当にシイタケには風邪に効くんです。

 江戸時代には干しシイタケの戻し汁が風の特効薬になると信じられていましたし、近年の研究でシイタケには強力な抗ウィルス作用があることが分かっているのです。


 みかん!

 みかん!

 みかぁーん!(控えめなミカン推し)


「エルテさんは何か食べたいのもはありますか?」


 ともあれ、食欲があるなら本人に食べたいものを選ばせるのも良いかもしれない。

 そう思いシーナさんが聞けば、エルテさんは布団を口元までかぶったまましばらく悩み、そして期待に満ちた目で口を開きました。


「かつ丼が食べたいです!」

「病人がそんなもの食べるんじゃありません」


 娘の無茶な要求を切り捨てる安定のオカン。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。

 いつものようにトヨウケヒメ様の作ったご飯を満足そうに食べているアマテラス様。しかし不意に何かを思いついたようで、左手に持っていた茶碗を掲げて何やら底を見つめ始めます。


「……何をしているのですか姉上?」

「うん。風邪の神は膳の下って聞くけど、実際には見たことないなと思って」

「むしろ見たくないですよそんな神」


 お膳の下にひっついてる神様。

 例え神様でも実際に目撃したら黒いG並みのショッキング体験です。


「それにその言葉は、たくさんご飯を食べて風邪にならないようにしようという教訓であり、別に風邪の神が膳の下に待機してるわけではありませんよ」

「え? じゃあ風邪の神は普段どこで待機してるの!?」

「知りません」


 ツクヨミ様から知らされた事実に驚愕するアマテラス様。

 まるでサンタクロースの正体が両親だったと知らされた子供のようです。


「そもそも貧乏神等と同じ疫病神の類ですからね。風邪の神を祀っている場所など無いでしょう。風邪の神を追い出す儀式はあるようですが」

「……風邪の神可哀想」

「疫病神に同情しないでください」


 風邪の神様の境遇を知り憐れむ、相変わらず少しズレたアマテラス様。

 今日も高天原は平和です。


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