仕事が休みになるレベルはビビる
「そういえばここって大雨降ったら浸水したりしないんですか？」
「少なくともわしらが住み始めてからそういうことはないのう」
安達家のリビングにて。
台風が来たと思ったら風よりも雨がやべえことになったのを思い出し、居住地の災害情報が気になるカガトくんと、暑いので水出し緑茶を飲みながら答えるリィンベルさん。
水出しに限らず緑茶をいれるときは軟水の方が茶葉の成分が抽出されやすくて甘みと渋みのバランスもいいらしいよ！
「まあ今まで百年くらいなくても突然来るのが災害じゃからのう。油断はせぬ方がいいじゃろうが」
「普通の人間は百年生きられないんですよ」
でも地震とかはそれくらいの間隔でくるのも珍しくないし。
最近の地震で南海トラフ地震という言葉がニュースでちらほら見られましたが、当の南海トラフの影響が懸念される地域ではここ十年以上地震があるたびに「南海トラフへの影響はないのか？」と取り上げられて「そろそろ来るだろ？ 来たか？」とめっちゃ警戒されてたりします。
「グライオスのやつも洪水が予想されるたびに車をビニールで包んでおるの」
「あれ雨避けとかじゃなくて洪水対策だったんですか」
まあ実際水害による浸水対策を名目に売ってる車カバーあるし。
実証実験で実際に車を水に沈めて浸水してないことが確認されている商品もあります。
「え、実際そういう確かなやつなんですかあのビニール？」
「通販で買っておったから、わしは半分くらい怪しいと思っておる」
「あー」
通販サイトで商品を買うときは、できる限り販売元が信用できるところか確認しようね！
「むしろあやつ実害がない範囲ではたまにハズレが来るのを楽しんでおるからな」
「人生全力で楽しんでますよねあの人」
グライオスさんだからね。仕方ないね。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「災害用の非常食を自分が食べたいものにしておけば、消費期限で入れ替えるたびに好きなものを食べられるのでは？」
「いやまあそういう楽しみ方もありだとは思いますが」
何かを思いついてしまったらしいアマテラス様と、非常食になるものは消費期限長いだろうに待てるのかと疑問に思うツクヨミ様。
食べてしまうたびに買い足してたら非常食ではなくて常備食です。
「といいますか、以前から疑問だったのですが、姉上が災害用の非常持ち出し袋を作ったところで何に使うのですか？」
「スサノオが暴れた時に天岩戸に持ち込む」
「ああ……」
納得過ぎる答えが返ってきてむしろ返す言葉がなくなるツクヨミ様。
なんかもう天岩戸がシェルターみたいな扱いですが、実際そうだから仕方ありません。
日本最古のシェルター。
「しかしこちらとしてはそんな準備万端で長いこと籠られても困るのですが。日食的な意味で」
「……日食だとしたらツクヨミが頑張って月をずらせば回避できるのでは？」
「そこで頑張るなら姉上を引きずり出す方が楽だし早いですね」
流石のツクヨミ様もアマテラス様の尻ぬぐいで日食回避とかいう疲れそうなことは嫌な模様。
逆にアマテラス様の日食発動条件がゆるすぎます。
日食発動条件ってなんだよ。
「じゃあ原因をツクヨミがタコ殴りにするとか」
「なるほど」
アマテラス様の思い付きに納得してしまうツクヨミ様。
この作品のスサノオ様割とやらかすたびにツクヨミ様にぶん殴られてるからね。いつものことだね。
今日も高天原は平和です。
