外交でも食絡みだと割とすぐキレる
「日本への輸出品をもっと増やしたいと思うのだが、何がいいだろうか」
「食べ物」
「即答!?」
フィッツガルド帝国の皇帝の執務室にて。
呼び出されたと思ったら今更なことを聞かれて雑に答えるローマンさんと「あれもしかしてコレもっと早く聞いといた方が良かった?」と気付く皇帝陛下。
気付けただけ偉い。
「いやしかし食べ物? 言っちゃなんだが食事に関してはあちらの方が洗練されてるだろう」
「逆に美味しければなんでも受け入れますからあの国。性交渉よりも美味しいもの食べた時の方が幸せだという調査結果がある国ですよ」
「なんだその調査」
なんだと言われても実際そういう調査結果があるという事実。
とある会社が九カ国に対し「最も快いと感じるのはどれか?」というアンケートを取ったところ、他の国がほぼ全部一位が「S〇Xをする」だったのに対し、日本だけ「美味しいものを食べる」が一位という結果になっています。
ドイツは「S〇X」が一位ではありませんがそれでも二位となっており、日本だけ五位とかなり異色の結果となっています。
ちなみに二位は日本も含めてほとんどの国が「愛する人と共に過ごす」となっています。
「ええ……。何その食事に人生かけてる民族」
「全体的に飲食店で外れの店というのもあまりありませんしね。住宅街にある寂れて見えるような個人の店でも、食べられるものが出てくるか、むしろ当たりなことも多いですし」
ちなみの他にも日本人が食事にこだわる例として、海外のほとんどの国では食事内容にそれほどこだわりがなく、同じメニューが続いても気にしないというのもあります。
逆に言えば毎日別のものを食べようとする日本の方が珍しいです。
「なのでこちら独自の食品、あるいは日本では栽培が難しい農産物とか。あとは畜産物は輸入に頼っている国なので狙い目かもしれません。あちらの基準に合わせるのめっちゃ面倒でしょうけど」
「あーでも多少面倒でも輸出入のバランス取りたいからなあ」
学校で貿易摩擦とか習ったね。
これに限らず小説のために調べものしてると「これ学校でやったところだ!」となり教育の重要性を再確認するとともに「……内容よく覚えてねえ!」と自分の頭の残念さも自覚することとなります。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「私が顔出し配信するのが問題ならV〇uberになればいいのでは?」
「何言ってんですか」
唐突になんか言い出したアマテラス様とつっこむツクヨミ様。
アマテラス様ゲームやってもすっごいポンコツプレイで逆に人気になりそう。
「そもそも信仰を集めるために配信しようかというアイデアだったでしょう。ガワを被ったら意味がないではありませんか」
「うん。だからアマテラスというキャラだという体で売っていこうかなと」
「それは……ありなのでしょうか」
アマテラス様のフリをして配信をするアマテラス様。
もうこれ分かんねえな。
「いや、やはりダメでしょう」
「えーなんでー」
「姉上の普段を言動を鑑みるに、姉上本人ならギリ許されそうですが、他人が成りすましてると思われたら間違いなく炎上します」
「断言された!?」
このアマテラス様割と迂闊だからね。仕方ないね。
「というか調べたら既に天照大神を名乗るV〇uber居ますね」
「居るの!?」
流石日本自由だな!
今日も高天原は平和です。