気温が微妙過ぎて何を着て外出すればいいのか分からない
「アグレッサーをお願いしたいのよ」
「あぐれっさー?」
アルジェント公国のとある町にて。
突然オネエが訪ねてきて突然意味の分からないことを言われて首を傾げるカオルさんと、何故か人の家の台所でチキンライス作ってるオネエ。
カオルさん料理雑だからね。オネエとしては見てられないよね。
あと個人的にはオムライスは半熟ではないほうが好きです。
半熟のやつって卵が強すぎてジャンル変わってない? などと意味不明の供述をしており(ry
「要は仮想敵よ。本来は戦闘機でやるのをアグレッサーっていうらしいけど」
「まあ確かに先輩は戦闘機並みですけど」
「流石に空は飛ばないわよ私」
でも竹やりで戦闘機撃墜しそうだし、なんなら跳躍だけで戦闘機がいる高度まで飛びそう。
「というかなんで俺に?」
「普段からチーム分けしての演習はやってるけど、たまには違う状況を体験させないと慣れちゃでしょう。要はそろそろ不意打ちがほしいのよ」
「あーだから先輩や団長だとダメだと」
そもそも一人に仮想敵頼むのはおかしいだろと言われそうですが、現実でも基地への侵入者を想定した訓練では、少人数の仮想敵による演習が行われることはあります。
その際侵入者側が陸のプロフェッショナルで、侵入される側が地上戦をあまり重視していない海や空だと、一人の侵入者が無双してしまうこともあったりします。
こええよ。ス〇ークかよ。
なおそうなったら侵入された側も次から本気出して攻略が難しくなる模様。
訓練の目的には沿ってるな!
「でも俺だってそれなりに忙しいんですけど」
「報酬なら出すわよ。それに騎士団が強くなれば、わざわざあんたが引っ張り出される案件は減るでしょうし」
「本気でいきますね」
「そんなに嫌だったの?」
自分が引っ張り出されることが減ると聞いてマジになるカオルさん。
カオルさん強いけど基本的には面倒ごと嫌いな小市民だからね。仕方ないね。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「動物園で動物が逃げたときの訓練やってるんだけど、逃げた動物が着ぐるみなのはいいのアレ」
「まあ確かに見た目は緊張感がありませんが」
ホワイトタイガーのかぶり物をした人間が動物園内を徘徊し、その後ろでライオン(本物)が「なにやってんだあいつら」という顔をしている動画を見て首を傾げるアマテラス様。
でも実際こういう訓練大事。
「中の人ノリノリすぎでは?」
「まあ実際の目的は動物の捕獲そのものの訓練ではなく、動物が逃げた際にどういう行動をすべきかという手順などの確認でしょうし」
「あー戦闘訓練までは目的じゃないと」
「まず動物の捕獲で戦闘訓練になるのがおかしいでしょう」
でも逃げたライオン(着ぐるみ)がキャメルクラッチキメてきたりするし……。
なおこの着ぐるみを使った訓練は割と各地の動物園で行われており、なんなら愛媛(地元)でも客が居る状態でやってました。
いつやるか知ってたら見に行ってたのに……!
「でも熊の話の時に、麻酔銃で捕獲するのって難しいって話をしてなかった?」
「難しいですよ。実際動物園の捕獲訓練でも、麻酔銃で撃つ前に職員たちが網や棒、バリケードなどを使い体をはって対象の動物を麻酔銃で狙える距離にまで追い詰めていますし。撃った後も麻酔が効くのに時間がかかるので、体をはって逃げるのを阻止しています」
「それ実際にやるとき大丈夫なの?」
まあ動物の扱いに長けた専門家たちなので大丈夫なのでしょう。多分。
相手が着ぐるみではなく本物なら何人か逃げ出しそうな光景ですが。
「人間は使命感があると案外命がけの状態でも逃げ出さないものですよ」
「ええ……」
実際作者も自衛隊に入るときは「男なら死ねい!」くらいの勢いで入隊しました。
今は民間人なので死にたくないです。
「まあ逃げ出さないように管理するのが一番でしょうが、地震などで施設が壊れることもありますからね」
「あー。なんか地震の時にそんなデマが流れて問題になったこともあったね」
なお動物の脱走は最近ではチンパンジーが逃げたりしていますが、チンパンジーはテレビなどのイメージとは異なり狂暴な上に力も強いので、見かけてもマジで近寄らないようにしましょう。
「え? チンパンジーってそんな危険なの?」
「知人が飼っていたチンパンジーに襲われ、顔面を失った女性などもいますね」
「顔面を失う??」
意味が分からな過ぎて?が乱舞するアマテラス様。
多分そのまま理解しない方が幸せ。
今日も高天原は平和です。