だからUI変更は余程劇的に改善しない限り文句言われるだけだと
「そういえば日本だと円周率は3.14じゃなくて3で計算するようになってるらしいけど、こっちだとどうなの?」
「あー3.14ですけど。そもそもその『円周率は3で計算するようになった』っていうの嘘ですよ」
「なん……ですって……?」
ガルティアとメルディアの国境にある学校にて。
衝撃の事実を聞いて差し入れのアップルパイを片手に固まるオネエと、気にせずもくもく食ってるリョウコさん。
アップルパイは何故あんなにカスが(ry
なお「円周率は3」が話題になった時期を考えると、オネエがそれを知っているのはぎりぎり二十代だというのが怪しいことになりますが、連載開始してから十年近く経ってるので仕方ないね。
エルテさんだって現実と同じ時間が経ってたら二十歳越えてます。
……二十代女性の猫耳フードはありなのか。
天然の猫耳娘も二十代後半になっちゃうし問題ないな!
「厳密には『目的に応じて3で処理する』っていうのが、全部3で計算すると誤解されたみたいなんですよね」
「目的って?」
「概算でざっと見積もりする場合とかですね。あと最初にとりあえず3で計算しといて、あとで3.14で計算してみてズレすぎてたら計算ミスしてるかもしれないみたいな」
「あーあくまで目安として使うのね」
何故このような誤解が広まったかについては、とある学習塾が円周率を3で計算することを批判する広告を出し、それにマスコミも便乗して同じ内容の報道を繰り返したことが原因とされています。
また創作などでも円周率が3になったことを研究者が嘆くなど、誤情報を信じた表現が散見されたそうです。
「あら? じゃあ今でもあの面倒な計算はやってるの?」
「面倒て。まあ実際面倒なんですけど、電卓の使用が4年生からになって、円周率は5年生からなんで、電卓の使用が推奨されてるはずですけど。今はどうなってるのかちょっと」
「あー電卓。確かに3桁以上になると使いたくなるわね」
なお算数の問題で電卓を使っていい場合には電卓のマークが書かれていたりしたのですが、2010年代初めごろに計算力を高めるためなどの理由でなくなったそうです。
しかし近年になって「無意味なことをさせず電卓などのツールを使わせるべき」と逆の意見が目立ってきている模様。
「まあ専門の研究者だって、それこそ見積もりならともかくデータとかの計算には電卓やパソコン使うわよね」
「ですねえ。入力ミスとかで間違った結果になったときに気付くために、見積もり程度の計算はできた方がいいんでしょうけど」
実際日本人の暗算力は世界的に見れば高い方であり、海外での買い物などの際にお釣りに端数が出ないように小銭を出したりすると驚かれることがあります。
なおインド人。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「アメリカとかでは3月14日は円周率の日でパイ食べるらしいんだけど、πとパイって発音同じなの?」
「綴りはpiとpieですが発音は同じですね」
円周率の書かれたパイ(食べ物の方)を見て首を傾げるアマテラス様と「あ、これパイ食べたいとか言い出すやつだ」と察してトヨウケヒメ様に目配せをするツクヨミ様。
なおこのパイの日は単なるシャレというだけではなく、2009年に米国議会にて正式に3月14日は円周率の日として指定されています。
「というか何でそんな日を?」
「科学や数学への関心を高めるという名目らしいですね。実際学校などではパイの日に因んだイベントをすることもあるそうですし」
「イベント?」
「パイを食べたり、パイ投げをしたりするそうですね。あとはπが関わるクイズや計算問題等も出すとか」
「ほう?」
「一応言っておきますが。うちでやったら怒りますよ」
「やりません!」
あ、これ冗談抜きで怒られるやつだと察して、脳内で計画したパイ投げパーティーを即破棄するアマテラス様。
でもスサノオ様あたりが聞いたら、怒られる(構ってもらえる)こと自体がご褒美みたいなものなので強行されます。
「姉上だと悪気なく出来立てのやつを顔に叩きつけてきそうですし」
「あーそこまで考えてなかった。出来立ては熱いよね」
「あとは相手に怪我をさせないように緩衝材としてクリームを塗るのが暗黙の了解だとか」
「あれ見た目が面白いからじゃなかったんだ」
そもそも最近の日本人はモラルや行儀の良い人が増えているので、そういう文化だと分かっていても食べ物で遊ぶのに抵抗のある人多そう。
今日も高天原は平和です。