歩き回るGOなゲームのせいでアメリカでメートル法の認知が上がったらしい
「あー、数字の言い方なら割と早いうちに気付きましたし、数日で使い分けに慣れましたけど」
「ええ……私全然慣れないんだけど」
メルディア王国の王宮にて。
いつの間にかハインツ王子の許可貰って出入り自由になってたミィナさんと、見かけたついでに先日リョウコさんから聞いた数字の言い方について尋ねてみたオネエ。
なお翻訳バグは見事に発生し、オネエちょっと困り気味です。
軍に限らず様々な運用で数字間違えるってシャレにならないからね。
「これが若さか」
「国生さんまだ二十代ですよね?」
若いというか学生の頃の吸収力って高いからね。
一度勉強の仕方を忘れると社会人になってから何かを学ぼうとしたときに苦労するよね。
そういう意味でも「勉強の仕方」を学生の内に身につけておくのは大事です。
「うーん。語学ならエロ小説で勉強するとすぐ身につくって聞いたんですけど、数字だとどうしたらいいんでしょうか」
「女の子がエロ小説とか恥ずかしげもなく言うんじゃありません!」
ミィナさんがあけすけなせいでオネエがオカンに。
でも実際人間のエロへの欲求は侮れません。
まだ一般家庭向けのパソコンがあまり普及していなかったころには、多くの野郎どもがエロゲーをやりたいあまりにパソコンの使用方法を身に着けたなどという話もあります。
「やっぱり慣れしかないんじゃないですか? それか数字に欲情する特殊性癖に目覚めるか」
「失うものが多すぎないかしらそれ」
数字に欲情するとは?
探せばいそうだなそういう人。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「横棒四本の漢字の4がかつて存在しただと……」
「ああ『亖』のことですか」
「……なんて読むのそれ?」
「『4』ですが。といいますか、私たち口頭で会話してますよね」
のっけからメタな会話をするアマテラス様とツクヨミ様。
なお「亖」は存在があまり知られてないわりに漢和辞典にも載っていたりします。
「元々中国では『亖』の方が数字の4として使われてましたが、同じ発音の『四』があて字として使われるようになり、そのまま取って代わられたそうですね」
「ええ……」
ちなみにローマ数字の「4」も「IV」という書き方が知られていますが、昔は縦棒四本の「IIII」が使われていたとされており、時計などでは「IV」ではなく「IIII」の方が使われていることもあります。
では何故「IIII」ではなく「IV」になったかについては諸説ありよくわがんね。
「じゃあもしかして『四』って元は別の意味の漢字だったの?」
「元は息を表し、形も口、あるいは鼻から息が出るところからきているとされていますね」
「あー言われてみればそう見える……かも?」
「なので水に関する部首であるさんずいに四と書く『泗』は『はなじる』と読みます」
「それ本当? ネタ? どっち?」
いつも真顔でジョークを言うので怪しまれるツクヨミ様。
なお本当の模様。
今日も高天原は平和です。