やはりパソコンで書くほうが早いな!
「何で人類ってクソ暑い陸上で暮らしてるの? マゾなの?」
「人間目当てに自分から陸上に上がってきた人魚がなんか言ってる」
足立家のリビングにて。
買い出しに行って戻ってくる間に茹で上がったらしく、エアコンの効いてる部屋で扇風機を強にしてぐだってるフェリータさんと、呆れた目を向けながらつっこむエルテさん。
ちなみにアクア説と言って、人類の祖先は一時期半水中で暮らしてたのではという説もあります。
「え? 人間目当てでって、その割にフェリータさん家にいることが多いような」
「人間(男)目当てですから。夜にたまにナンパに行ってますよ」
「……」
「どういう感情よその顔は」
フェリータさんがナンパに行ってると聞いて、背景に宇宙を背負った猫みたいな顔をするカガトくん。
カガトくん肉食系女子には苦い思い出があるからね。仕方ないね。
「そうだ。この際カガトでもいいや。私と番にならない?」
「うわあ。見境なくなってるこの人」
ついに身内の、しかも未成年にも手を出し始めたフェリータさん。
一方カガトくんの反応はというと。
「……え?」
「何その間が開いた上に微妙な反応は」
「え、いや、ごめんなさい。フェリータさんをそういう目で見たことなかったんで」
「なんでぇ!? 自分で言うのもなんだけど美人だしスタイルも垂涎ものでしょ私!?」
「中身が残念じゃないですか」
冷静につっこむエルテさんですが、そもそもカガトくんトラウマのせいで恋愛感情死んでるからね。仕方ないね。
ちなみに昨今では、女性と関わることのリスクを強く認識しすぎて、カガトくんのように恋愛をしたがらない草食系どころか絶食系男子がマジで増え始めているそうです。
早くお嬢様に押し倒してもらわないと(使命感
「うん。まあ俺ちょっと惚れたはれたは苦手なんで。フェリータさんにはきっともっといい男性が見つかりますよ」
「その断り文句言ったのあんたが何人目だと思ってんの!?」
「ええ……」
むしろその断り文句を複数回言われるって何やらかしたんだと呆れるカガトくん。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「パソコン蛾物故割れた」
「どうやって口頭で伝わるように発音してるんですか。というか今の若い人には分かりませんよそのネタ」
起動しないパソコンの電源ボタンをポチポチし続けるアマテラス様と、その様子をボタン押したら餌が出てくるのを覚えた猿みたいだなと失礼なことを考えるツクヨミ様。
ちなみにボタンを押したら低確率で餌が出てくるように一定期間した後に、ボタンを押しても餌が出てこないように設定を変更すると、猿は確率で出てくると思い込んだまま延々とボタンを押し続けるそうです。
なにそれ怖い。
「起動すらしないなら電源周りですかね。何か事前におかしなことはありませんでしたか」
「……そういえばなんかバッテリーが劣化してるから取り替えろとか出てたような」
「何でもっと早く言わないんですか」
「いや性能が半分以下になってるって警告だったから、一割以下になるくらいまではギリギリいけるかなって」
「いけませんよ」
なおほぼ実話な模様。
いや新しくパソコン買うのは決めてたからそれまではもつかなって。
「まあノートパソコンは最悪バッテリーなくても動きますからね。起動しないなら漏電もしているかもしれませんし、とりあえずバッテリーと電源を抜いて様子を見ましょう」
「えーと、バッテリーだけ買いなおすとかできるの?」
「できますが、いい加減新しいパソコンにしたほうがいいのでは。下手をすれば十年近く使っているでしょうこれ」
「え? たった十年でしょ?」
「神の感覚を精密機械にあてはめないでください」
数年前は高性能だった、たっけぇパソコンが見事に型落ち品に!
ちなみにパソコンでイラストを描く場合も、レイヤーを重ねまくると重くなるので性能はそれなりに高いほうがいいぞ!
小説? テキストファイルって軽いね!
「……あと十年くらい頑張ったら付喪神になって物質の限界とか越えてくれないかな」
「全然足りませんよ」
九十九と書いて付喪神だからね。あと九十年くらい頑張らないと無理だね。
今日も高天原は平和です。




