工業大学入ったら錬金術についての講義があった
「そういえば、カガトさんって大学はどうするんですか?」
「うーん。できれば早く向こうに戻りたいんだけど、魔術に応用が効きそうだし色々学びたいことはあるんだよね」
安達家のリビングにて。
暑くなって来たのでバニラアイス(ラクトアイス)食ってるエルテさんと、初夏なのに雪見な大福食ってるカガトくん。
バニラアイスは下手に気取ったのより、安物の溶けかけが美味しいよね!(個人の意見です
「あー、数学やら物理やら化学は理屈として学んどいて損はなさそうですけど、そんな簡単に魔術に組み込めます?」
「え? 移動魔法とか作るのにめっちゃ役に立ったけど」
「なるほど。これが天才というやつなんですね」
知識として覚えててもそんな簡単には応用効かないだろうと思ったら、元々理系なせいか既に実践済みなカガトくん。
流石スペックと境遇だけ見たら主人公やっててもおかしくない男だぜ!(なお本作中での扱い
「いや俺ぐらいのレベルならその辺にいるでしょ。グラウゼさんとかリィンベルさんも、俺が作った魔術なんて説明しなくても理解してたし」
「比較対象がおかしいっつってんですよ」
どっちもそれぞれの種族でトップクラスの魔術師だからね。仕方ないね。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「魔術みたいな不思議パワーに現代科学意味あんの?」
「まあその現代科学と深い関わりのある魔術もありますし」
魔術と科学が頭の中で結び付かず首を傾げるアマテラス様と、さらっと魔術にも精通してるらしいツクヨミ様。
まあツクヨミ様が戦うとしたら後衛魔術師型なイメージだし。
「科学と関わりの深い魔術?」
「錬金術ですよ。中国だと錬丹術も近いものですね」
「ああ、あの金作ったり不老不死が目的な。というか錬金術って魔術扱いなの?」
「厳密には異なりますが、中世のヨーロッパなどでは同じものと認識されていたそうですね。あと現代でも創作では魔術扱いされることが多いです」
「あー。何かと便利ポジションに置かれ気味だよね」
金を作るだの不老不死だの目的だけ見ると胡散臭い錬金術。
しかし錬金術がやっていることは、物質同士を混ぜ合わせてみたり熱してみたりと、やってることは化学変化を用いたものであり、現代科学の基礎とも言える試みだったのです。
実際錬金術の研究により見つかった薬品や物質などもあり、立派な学問の一つだったと言えます。
「中国で火薬が発明されたのも、錬丹術の副産物とされていますね」
「なんで不老不死の薬作ろうとして火薬ができるの」
なんでだろうね。
なお一説によると火薬を生み出したのは完全に意図しない事故だったため、作った本人は顔を火傷した上に家は全焼したそうです。
大惨事じゃねえか。
「なにそれこわい」
「あれですね。科学の発展に犠牲はつきものですという」
「それツクヨミが言ったら洒落に聞こえないんだけど」
「何故ですか?」
なんでだろうね。
今日も高天原は平和です。