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「よく連絡してくれたねカガト」

「いや。そりゃローマンさんにはそれなりにお世話になったし、無視したりはしませんよ」


 夜も更けた安達家の一室にて。

 なんかミィナさん経由でローマンさんから手紙が来て、久しぶりに魔術を使って異世界と通信してるカガトくん。


「むしろお世話になったどころか良いように使われてなかったか?」という印象もあるでしょうが、カガトくんはその手の無茶ぶりには皇帝陛下で慣れていたし、分からないことがあると大抵ローマンさんに聞いていたので本当にお世話になったと思っています。


「でも何でわざわざ通信で? 手紙では伝えづらいことですか?」

「ああ。こればかりはヴィルヘルミナやミィナには聞かせられない」


 そう机に肘をつき、口元を両手で隠しながら真剣な様子で言うローマンさん。

 その様子に一体どんな難題がくるんだと身構えていたカガトくんでしたが。


「婚約者にバニースーツを着てもらいたいのだが、どうにかして輸入できないだろうか」

「お疲れさまでした」

「待って!? 閉じないで!?」


 真顔でトンチキなことを言い出したローマンさんに、さっさと通信を切ろうとするカガトくん。

 魔術を使った通信とかローマンさん側からはどうしようもないので、この場ではカガトくんが珍しく圧倒的優位です。


「というか何でバニースーツなんですか」

「いや。こう仕事の息抜きにネットを眺めることがあるんだけどね」

「ネット繋がるのかよそっち」

「今年の日本は卯年だという理由で、バニースーツを着たイラストやコスプレ画像が流れていて、これは素晴らしいなと」

「知らんがな」


 ローマンさんが阿呆すぎて徐々に敬語が取れてるカガトくん。

 むしろ今まで敬う心が持続していたのが奇跡だったのかもしれません。


「婚約者ってヤヨイさんですよね。輸入したところで着てくれるんですか」

「土下座すればワンチャン」

「アンタ貴族の矜持とかないのか」


 ローマンさん日本に来た経緯のせいでプライドとかぽっきり折れてるからね。仕方ないね。

 あと土下座すればワンチャンあるのはローマンさんの希望的観測なので、実際にやったら多分そのまま顔真っ赤にしたヤヨイさんに袋叩きにされます。

 斬られないから大丈夫だなヨシッ!


「というかそもそもバニー着せようにも自前の耳と尻尾あるじゃないですか」

「そこは大した問題じゃない。それに君だって例えばヴィルヘルミナがバニーを着た姿をみたいだろう」

「は? 〇すぞ?」

「恐」


 ローマンさんが軽率にヴィルヘルミナさんの名前を出したせいで、殺意の波動に目覚めるカガトくん。

 あなた疲れてるのよ。


 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「あの子馬鹿なのかな?」

「そうですね。本格的なバニースーツは個人の体型に合わせたオーダーメイドが基本なので、本人の同意を取って採寸をしなければ良いものは手に入らないでしょうに」

「同意されたはずなのに予想外の情報が来てお姉ちゃん今年一番困惑してる」


 何故かバニースーツについて詳しく語り始めるツクヨミ様。

 月の神なので兎さんに詳しくてもおかしくはないな!


「え? バニースーツってそんな手間がかかるものなの?」

「それはもう。そもそもバニースーツはレオタードのようなものだと誤解されていますが、生地に厚みがありボーンやワイヤーの入ったコルセットに近い構造ですからね。なので体型を引き締め美しく見せる効果もあります」

「あー、何で胸元ぽろっとめくれないのか気になってたんだけど、ワイヤー入ってるからかあ」


 ちなみにワイヤーとか入ってない安物のバニースーツはどうなるのかというと、普通にめくれるので大抵透明の紐とかで肩から釣る構造になっています。

 コスプレ衣装とかは大体それなのですが、人によっては画像加工によって紐を消すという努力の跡がうかがえます。


「というかオーダーメイドなら高いんじゃないの?」

「まあ販売している所にもよりますが、大体三万円は越えますね」

「たっか……とも言えないのかな手間暇を考えたら」


 個人的には本格的なバニースーツと燕尾服の組み合わせは普通にカッコいいと思います。


 今日も高天原は平和です。

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