でも魔法円より魔法陣の方が字面も響きもカッコいいし…
「カガトよ。エルテに結界関連の魔術を教えてやれ」
「いきなりなんですか」
なんかいつの間にか増えているみかんを消費するためにノルマを消費していたカガトくんに、突然エルテさんの指導を任せるリィンベルさん。
ダンボール入りのみかんを買う時はよく考えてからにしましょう。
まだ食いきってないのに知り合いから送られてきたりもするぞ!(みかん県人
「おぬし結界関連は得意じゃろう」
「そんな結界以外は得意じゃないみたいな」
実際得意かどうかと言えば、用心深いせいで身を守るための技術はずば抜けているのがカガトくんです。
というかリィンベルさん基準で得意と評されるあたり、本人自覚がありませんがマジで百年に一度とかそういうレベルの逸材です。
「それに人に教えることによって分かることもある。勉強の一環じゃ」
「はあ。……あれ? でもエルテって召喚師でしたよね。ある意味結界の専門家では?」
「それがあやつ、結界をほとんど使わずに召喚していたらしくてな」
「なにその自殺行為」
一般的に召喚魔術を使う際には、術者は魔法陣(魔法円)の中に入り、召喚対象から己の身を守るものだとされています。
……一般的な召喚魔術ってなんだよ。
ちなみに召喚というとむしろ魔法陣から召喚対象が出てくるのをイメージする人も多いと思いますが、これについては諸説ありますが、水○しげる先生の作品での描写により広がったイメージではないかとされています。
「ちゃんとした指導を受けずに独学で学んでいた弊害じゃなあ。召喚は普通にできておったので、まさかそんなところが抜け落ちているとはわしも思わなんだ」
「マジでよく生きてましたね」
むしろ召喚に関してはオネエを召喚したりとある意味全ての元凶なエルテさん。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「あの妖怪大先生ってそんなイメージ広がるほど影響力凄いの?」
「まあ妖怪に関して言うなら、現在一般人でも知っているような妖怪を調べたら、大抵絵になってるというくらいカバー範囲が広いですね。むしろそれまで一般人には馴染みのなかった妖怪を広めたのがゲ○ゲな例の作品だとされてますし」
実際日本では定期的に妖怪ブームのようなものは起きましたし、妖怪の情報をまとめる人間は居ましたが、時に途切れてしまうそれを再編成し現代に伝えたのが水○しげる先生だと言えます。
というかオカルトもの書いてる時に調べものしてたらマジで水○しげる先生にぶつかりまくるし、当たり前だと思ってた認識が先生の独自解釈だったりする場合があります。
「例えばすねこすりは姉上も知ってますね」
「ああ、あのどう考えても猫なやつ」
「その猫というイメージは平成以降に多いもので、それ以前は犬っぽいというのが主流でした。この変化は彼の描いたすねこすりが猫っぽかったからだという説もあります」
「マジで妖怪のイメージ変えてるじゃん」
なおその猫っぽいすねこすりですが、実際には犬の根付けを元にデザインされたそうです。
嘘やん。あの丸っこさは猫やん。
「まあ何作目かのゲ○ゲに登場する時は猫として飼われていたそうですし」
「ああ。何だかんだで十年に一回くらいアニメ作られてるよね」
最近では妖怪たちが普通にスマホとか使ってるからね。
今日も高天原は平和です。