あたたまろうとして酒を飲むのは長期的には逆効果
「街が酒臭い」
「いやそう言われても。……わさ○ーフ食べます?」
「いただこう」
安達家にて。
帰ってくるなり何か言い出したマカミさんと、何を言われてるのか分からないけど、とりあえずお疲れのようなのでスナック菓子を勧めてみるカガトくん。
いやなんかワクチンうったらね、体調は全然悪くならなかったのに何故かものすごくわさび食べたくなったんですよね。
「ふう。そろそろ忘年会シーズンだからな。街中でいざこざや犯罪も多い。夜出歩くことがあるなら注意した方がいい」
「えー、忘年会って年末にやるもんじゃないんですか?」
「基本はそうらしいが、年末は忙しいし店も予約がつまっているので、早めに済ませてしまうところも多いらしい」
「なるほど」
師走は忙しいからね。仕方ないね。
以前書いたように師走は実はあて字で語源はハッキリしていませんが。
「でも気を付けろと言われても、むしろ気を付けた方がいいの酔ってる人たちの方じゃあ」
「その酔っぱらい共が『目が合ったから』とかいう理由で喧嘩を始めたりするからな」
「ヤンキーかな?」
嘘みたいな話ですが、警察官の方によるとマジでそういう普段ならありえない理由で喧嘩や暴力沙汰が起こるそうです。
酔っぱらい同士が喧嘩してるならある意味自業自得ですが、うっかり巻き込まれないよう注意しましょう。
「あとは路上で寝てる酔っぱらいだな。危険なので見かけたら容赦なく通報してやれ」
「ええ……一々対応する警官大変じゃないんですか」
「放っておいた方が事件や事故になる可能性があるので遠慮するな」
なお寝ている人が事件や事故に巻き込まれる危険もありますが、そもそも実は路上で寝るのは場合によっては違法となるので、酔ってもそのへんで寝ないようにしましょう。
そもそもそこまで飲むな。
「マカミさんはそのへん大丈夫なんですか?」
「俺は下戸だからそもそも飲まない」
「ええ、あんなに大食いなのに?」
「大食いは関係あるのか」
いや何となくイメージで。
今日も日本は平和です。
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一方高天原。
「え? 道端で酔って寝てたら違法なの?」
「酔って寝るのが違法というか。交通の妨害となる寝そべり、座り、立ち止まりなどが禁止されているので、そこに触れる可能性があるという話ですね。要は酔ってるかとか寝てるかとかは関係なく『てめえ邪魔だ』ということです」
「なるほど」
ツクヨミ様の噛み砕かれ過ぎた結論に納得するアマテラス様。
なお路上寝で警察に検挙されることはそうありませんが、実際に適用された場合は五万円以下の罰金が科せられるそうです。
「というか実際そんな気にするほど道端で寝てる人いるの? しかも年末のクソ寒い時期に」
「やはり暖かい地域で多いらしく、特に沖縄で多いので沖縄県警だけが路上寝の数の統計をとっているという話もありますね。その沖縄では年間で五千件を軽く越えるそうです」
「予想以上に多かった」
凍死する心配が少ないからね。仕方ないね。
なお毎年それなりの数の人が酔ってその辺で寝て凍死するのが問題になってる某国。
「ええ……そんな気付かないものなの?」
「アルコールは過剰に摂取すると身体機能が低下し体温も低下しますからね。十九度以下でも凍死した例があるので屋内でも危険です」
「恐」
凍死というと日常からは遠い死因のような印象がありますが、実は年間の死亡者は熱中症より凍死の方がはるかに多かったりします。
基本的には高齢者が多いのですが、前述したように泥酔からのコンボで凍死するケースも多いので、マジで気を付けましょう。
「つまり酒を飲むなら暖房をガンガンたくべきだと?」
「そもそも飲み過ぎないでください」
日本の神様酒が好きだからね(先週も言った)。
仕方ないね(先週も言った)。
今日も高天原は平和です。