飲みにケーションとかいういらん概念
「ふう。今年も無事稲刈りが終わりましたね!」
「涼しくなったらいきなり元気になってんなイネルティアの姉ちゃん」
「まあ秋は運動がしやすい季節だとされていますからね」
稲刈りが終わりすっきりした田んぼを前に額の汗をぬぐうイネルティアさんと、これ夏と本当に同一人物かと胡乱な目を向けるサロスくんと呆れるフィデスさん。
しかし相変わらず令和ちゃんの気温調整が極端なため、最近はドジっ子ではなく実はサディスト幼女説が出始めています。
「というかチビはお椀みたいなのもって何飲んでんだ?」
「お椀じゃねえ、お猪口だ。いや試行錯誤してた酒造りがようやくそれなりの形になったらしくてな。味見を」
「ついにできてしまいましたか」
「なんでイネルティアの姉ちゃんは嫌そうなんだよ」
お猪口を両手で抱えてご満悦なスクナヒコナ様とは対照的に、顔色が悪くなっているイネルティアさん。
まるで夏真っ盛りだったころに戻ったようです。
「私は酒が苦手で。一杯くらいなら大丈夫なのですが、限度を越えた瞬間意識が飛んでしまい」
「それもう何かの病気じゃね?」
そんな大げさなと思う人も居るかもしれませんが、アルコールがダメな人は一口どころか本当に匂いだけでぶっ倒れたりするので、アルハラはやめましょう。
一気飲みコールなどは場合によっては強要罪が成立することもあるので、ノリでやってはいけません。
「ここではぶどうを栽培していないのでワインはできないと踏んでいたのですが、まさか米から酒を作るとは」
「というか当の爺ちゃんは何処に居るんだ?」
「いい歳こいて飲みすぎてぶっ倒れてたぞ」
「いやそれ普通に危なくね?」
高齢になると若い頃よりも血中アルコール濃度が上がりやすくなるので、高齢者の飲酒にもマジで気を付けましょう。
イサオさんなら翌日になればケロッとしてそうですが。
今日も異世界は平和です。
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一方高天原。
「ハロウィンでカボチャを見かけるたびに、脳内でカボチャ男が例のダンスを踊り始めるんだけど」
「もうアレ去年のネタですよ」
インパクトが強いからね。仕方ないね。
曲自体は名曲なのも印象に残りやすい原因な気もします。
「そういえば最近アニメの映画のヒットが多くない? 前からこんなものだっけ」
「アニメ映画が他の邦画を抜いて興行収入トップを独占したりしてますからね。外出自粛の空気と噛み合ったのもあるのでしょうが、一昔前とアニメへの社会の意識が変わったのもあるのでは?」
「あー大人のくせにゲームアニメなんてって風潮あったよね」
作者の子供の頃も、知り合いのお兄さんが「大人なのにまだゲームをやってるのか」と責められていて「大人になったらゲームしちゃダメなのかあ」と思ったのをよく覚えています。
まあ大人になってもやってるけどな!
「まあ私には関係ないね」
「そうですね」
一瞬「どっちの意味で?」と思ったものの、顔には出さずとりあえず肯定しておくツクヨミ様。
見た目は子供。頭脳は……うん。
「といいますか、漫画アニメで育った世代が偉くなったので、やりたい放題になってる側面もあるのでは」
「あー農林水産省のアカウントが鼻毛漫画のネタ呟いて話題になってたりしてたね」
国の中枢に潜伏していることが判明したハジ○リスト。
……あれこの国終わりでは?
今日も高天原は平和です。