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おばけなんてないさ(強制)

「良かったねカガト。ついに君を日本に帰してやれることになったよ」

「何を企んでいる!?」

「ふふ。泣いていいかな?」

「自業自得では?」


 フィッツガルドの帝都にて。

 甘い言葉をかけられ警戒心剥き出しのカガトくんと、信頼度が低すぎて涙目な皇帝陛下。

 でもローマンさんが言ってる通り割と自業自得です。


「ただでさえ信用ないのに結論から言うから警戒されるんですよ。カガトにはもっとクッション代わりの段階を置いて優しく説明しないと」

「小動物か何かかな?」


 どうやら短い付き合いながらもカガトくんの特性を大体察しているらしいローマンさんとつっこむ皇帝陛下。

 小市民だからね。仕方ないね。


「まずはカガト。君が日本に無防備に帰ると利用されるかもしれないという話はしたね?」

「えーと。日本人で唯一まともに魔術が使えるからですよね」

「そうだ。アダチ閣下もその点は気にしていたのだけれど、流石のアダチ閣下も独断で君の身柄をどうこうすることは難しい。ならこちらの世界の事情でごり押ししちゃえ作戦だ」

「今ごり押しって言った!?」


 自分の身柄がごり押しで決められたことに不安を覚えるカガトくん。

 大丈夫。まだストレス耐久値には余裕があります。


「まあ要は君は既にフィッツガルドにおいて重要人物だから手を出すなって話だね。その上で私から提案してさらにもう一つ守りをつけることに成功した!」

「い、一体何を?」

「リィンベル様に君が住み込みで弟子入りしたがってるって吹き込んだら了承されたよ」

「リィンベルさんって誰!?」


 いつの間にか知らない人に弟子入りすることが決定していることに驚くカガトくん。

 しかもその人が居候してるのは総理大臣の家だったりするのですが、今知らせたらストレスが限界突破するので黙っておきましょう。


「君が日本に居た頃には召喚されてなかったのかな? ダークエルフの女性だよ」

「あーなんかそんな人も居たような」


 割と早い段階で異世界に召喚されたので、日本に居る異世界人はあまり把握していないカガトくん。

 女性恐怖症気味なカガトくんをリィンベルさんに弟子入りさせるのはどうかと思いますが、リィンベルさんはBB……淑女なので問題ありません。


「政治的に手を出しづらくしたし、物理的にも手を出せない人に預ければ大丈夫だろうってね」

「その物理的に手を出せないヤバい人に委ねられる俺の安否は?」

「身内には甘い人だから大丈夫だよ。多分」

「今多分て言った!?」


 ローマンさんの言葉に過剰反応するカガトくんですが、実際リィンベルさんは子供には結構優しいので大丈夫でしょう。

 阿呆なことしたらローマンさんのように容赦ない制裁を受けますが。


「むしろリィンベル様以外の住人がヤバいしね」


 そしてカガトくんには聞こえないようぽつりと漏らすローマンさん。

 むしろリィンベルさんが一番常識人とすら言える安達家でカガトくんは生き残ることができるのか。


 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「肝試しがしてみたい」

「幽霊消し飛ぶのでは?」


 真剣な顔で何か言い出したアマテラス様に冷静につっこむツクヨミ様。

 太陽神だからね。仕方ないね。

 なお一般的に心霊スポットと呼ばれる場所は、私有地だったり物理的に危険だったりヤバい人がうろついてたりするので、実際に突撃するのは控えましょう。


「数百年クラスの気合入った悪霊なら大丈夫じゃないかな?」

「大丈夫じゃないです。むしろ姉上の肝を試せるレベルの悪霊が日本に存在する方が大問題です」

「……まさ」

「本気でヤバいのを出さないでください」


 現在でも一部で祟りで恐れられてる人の名前出そうとしてツクヨミ様に止められるアマテラス様。

 そのお方に限らずオカルトものの創作をしていると寄ってくるという話もあるので、そういうのが気になる人は気をつけましょう。

 作者もオカルト話を書いてるときに、シャワーのお湯が熱くなったり冷たくなったりしました(冷水サンドイッチ現象)。


「ああ。姉上でも肝試しのできる場所がありましたね」

「え! どこ?」

「黄泉です」

「さあお風呂入って寝よう!」


 肝を試すどころか確実に恐怖が待っているスポットを出されて聞かなかったことにするアマテラス様。

 ある意味日本最古のホラーだからね。仕方ないね。


 今日も高天原は平和です。

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[一言] 300話おめでとうございます!!
[一言] 祝300話!!これからも楽しませせてくださいませ。
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