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宇宙ヤバい

「異世界おかしい」

「いきなりどうしたの?」


 ガルディアメルディア連合の学校にて。

 今日も今日とてちびっこ教頭として忙しい日々を送るリョウコさんに差し入れを持ってきたらいきなり愚痴られ、オネエは呆れながらもお茶の用意を始めます。


「いやこっちの世界って一年が地球と同じ365日じゃないですか」

「そうね。いくら何でもできすぎだと思うけど」

「でもうるう年ないらしいんですよ」

「あら?」


 リョウコさんの言葉にはてと首をかしげるオネエ。

 そもそも既に異世界にきてから四季が五回くらい巡ったはずなのに、一年経ったかも怪しい気がしますが多分気のせいです。


「公転周期とのズレがまだ発見されてないのではなくて?」

「それがそっちが専門の先生に聞いてみたんですけど、計算した上でズレてないらしいんですよ。いやズレ自体はあるみたいなんですけど、一年で1分ちょいくらいなので千年以上たってようやく一日ズレるくらいだそうです」

「学者さんもよくそんな計算するわね」


 意外に発展していた異世界の天文学に感心するオネエ。

 でも実は地球でも紀元前には現在とは違う形ではありますが、既にうるう年があったくらい天文学は発展していたりします。


「ということは四年に一回あっちとこっちで日付がズレていくの?」

「そうなりますよねえ。今は偶然一致してるからいいんですけど、何年かしたらあっちとこっちで書類やり取りする必要があったら面倒なことに……」

「そのうちあっちとこっちで共通の新しい暦とかできそうね」


 それはそれで面倒くさそうだと頭を抱えるリョウコさん。

 ちなみにこの異世界間の日にちのズレについては、両世界の指導者たちもうっかり見逃してしまっている重要事項だったりします。

 しかしただの教師であるリョウコさんと騎士であるオネエは、自分たちが実はすっげえ重要な事話している自覚がありません。


「私こっちの世界って地球に似てる部分が多すぎるから平行世界的なものかと思ってたんですけど、そうじゃないっぽいですね」

「んー何かのきっかけで地球と公転周期がズレた可能性もあるんじゃない? 神様ならその辺り知ってるのかしら」


 そう言うオネエですが、この作品の神様は揃ってアレなのでそこまで把握しているか怪しいです。


「ローファンタジーな設定なら実は異世界は遥か宇宙の彼方にある星だったってのもあるんですよね。いつか物理で異世界に行けるようになっちゃったりするんでしょうか」

「ファンタジーとSFの境界が薄れるわね」


 そんな一部のファンから怒られそうなことを言うオネエ。

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「二月に二十九日があるの見ると世界がバグったような気がしてくるよね」

「むしろバグらないようにするための日にちですよ」


 カレンダーを見ながら言うアマテラス様につっこむツクヨミ様。

 リョウコさんは異世界暮らしが長くて忘れていましたが、今日この瞬間に地球と異世界で一日ズレました。


「でもうるう年って4の倍数でもうるう年じゃない年もあるんでしょ?」

「100の倍数でかつ400の倍数でない年ですね。八十年先のことですので今から覚えておく必要もないかと」

「百年毎かあ。百年に一回とか普通の人間なら死んでるもんね」


 君は生き残ることができるか。

 ちなみにうるう年の二月二十九日生まれの人は誕生日が四年に一度しか来ないなどと言われることがありますが、法的にはうるう年でも平年でも二月二十八日の二十四時に年齢が加算されることになっています。


「え? そんなことわざわざ法律で決めてるの?」

「決めないと公的な手続きなどで不備が出るでしょう」

「あー、年齢で決まってること多いもんね人間って。飲酒とか」


 どうやら見た目のせいで店で酒を飲めないことを未だに気にしているらしいアマテラス様。

 でも最近の若者は酒も家で飲むことが多く、外飲みの割合は減っていってるそうです。


「誰が年寄りだ!?」

「まだ何も言ってませんよ」


 どこかから電波をキャッチしたのか怒鳴るアマテラス様とつっこむツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。

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[気になる点] 1日が微妙に長くて公転周期自体は4年でつじつまが合うとも考察できますがそれ考え出すと議論百出になると思います。 [一言] >「ファンタジーとSFの境界が薄れるわね」 D@rkover年…
[一言] 閏年の考察よりも冒頭に出てきたサザエさん時空疑惑の方が重大では・・・
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