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異世界召喚が多すぎて女神様がぶちギレました【連載版】  作者: 湯立向日/ガタガタ震えて立ち向かう


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お見合いでの肉じゃがの圧倒的支持率の謎

 ある日アマテラス様は思いました。

 どうすれば威厳が出るのだろうかと。


 弟であるツクヨミ様が聞いたら鼻で笑いそうな悩みでしたが、最近主神でありながら何かとヘタレ扱いされているアマテラス様にとっては重要な問題です。

 何よりスサノオ様には振り回され、ツクヨミ様には掌で転がされているのは姉の誇りが許せません。

 お姉ちゃんの言う事はちゃんと聞かないといけないのです。


「ならとりあえずご飯食べて元気出しましょう。はい副菜はこれで全部ですよー」


 そんなアマテラス様の悩みを聞いているようで流しているのは、アマテラス様の御三どんこと豊宇気毘売神(豊受大神)です。

 イザナミ様の孫にあたる神様であり、保食神や稲荷神と同一視されることもある食物を司る神様です。


 因みに伊勢神宮に祀られたアマテラス様に「一人じゃごはんが美味しくないよぅ」と呼びつけられた神様でもあります。

 アメノウズメ様の件といい、アマテラス様に百合疑惑が出ていますが深く気にしてはいけません。


「トヨちゃん今日のお肉少なくない?」

「お肉はこの間たくさん食べたでしょう。その代わりと言ってはなんですが、味噌汁はお揚げ入りですよー。こちらの漬物も私のお手製です。はい、あーん」

「あーん」

「……何をやっているのですか貴女たちは」


 トヨウケヒメ様に餌付けされるアマテラス様と、それを見て呆れた目を向けるツクヨミ様。

 因みにツクヨミ様にはトヨウケヒメ様と同一視されている保食神を斬り殺した前科があったりするのですが、古事記ではその役目をスサノオ様に奪われてさらに影が薄くなっています。

 月の神様だからね。仕方ないね。


「あらツクヨミ様。ヤキモチですか?」

「何を馬鹿な」

「ツクヨミはトヨちゃん大好きだもんね。結婚しちゃえばいいのに」

「もう、からかわないでくださいアマテラス様」

「……」


 突如自分を本題にして始まったガールズトークに、いつも沈着冷静百合好きなツクヨミ様が苦虫を噛み潰したようになっています。

 保食神を斬り殺しちゃったツクヨミ様ですが、伊勢神宮に祀られてからはトヨウケヒメ様のところに夜ごとに通っちゃってたりします。

 ツクヨミ様が祀られている月夜宮と、トヨウケヒメ様の祀られている外宮の間の道が神路通りと呼ばれているのはそのせいです。


 因みにその伝承を「馬鹿馬鹿しい」と笑い、道のど真ん中でふんどし一丁になりツクヨミ様の進路妨害をしようとした男が居たらしいのですが、翌朝から気が狂いそのままお亡くなりになったそうです。

 ツクヨミ様マジ容赦無ぇ。


「あら、怒っちゃいましたかツクヨミ様? 私の卵焼きあげますから機嫌直してください」

「……仕方ないですね」


 顔では仕方なさそうにしながらも、素直に卵焼きをもらうツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。


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