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ごぼうのから揚げ美味しいです

「ユウキ先輩馬の乗り方分かりますか?」

「分からなかったら騎士になってないわよ」


 ガルディア王国の王宮の食堂にて。

 いつも通り稽古に引っ張り出されていたカオルさんに聞かれ当然のように答えるオネエ。

 ちなみに騎士と騎兵が必ずしもイコールであるのかないのかたまに議論されることもありますが、騎士自体が騎乗兵から派生した称号であるとともに騎士身分なら当然戦場で重要な馬くらい所有してるものではあるものの必ずしも騎兵がその身分にあるとは限らないという――。


 要するに場合によるのでこまけぇこたぁいいんだよ。


「ほら。神様から馬もらったじゃないですか。たまに散歩はさせてたんですけどやっぱり物足りないみたいで」

「あー。結局そのままだったの」


 以前ポセイドン様からもらった馬ですが、カオルさんは馬には乗れないしかといって売るわけにもいかずそのままずるずると今まで飼い続けていたようです。


「そんで今日連れて来てるんで先輩が乗ってくれませんか?」

「なんでそこで自分で教えてもらって乗ろうってならないのよ」

「神様の馬だから乗った瞬間とんでもないことにならないかなって」

「そのとんでもないことになりそうな馬に誰を乗せようって?」


 そう文句を言うオネエですが、多分オネエならそのまま勢い余って宇宙空間まで飛び出しても余裕で帰ってきそうな信頼感があります。


「教えてあげるからアンタが乗りなさいな。というか馬具つけなさいよ。素人が鐙もなしに乗ったら疲れるどころの騒ぎじゃないわよ」

「鐙って……あーあの足ひっかけるやつ」


 カオルさんが連れて来ていた馬を見るなり、馬具を持ってきてテキパキと取り付けていくオネエ。

 心なしか馬の方も「おっやっと乗る気になったか」とワクワクしているように見えます。


「これでよし。じゃあとりあえず乗ってみなさい。頭のいい馬みたいだしこっちの意も汲んでくれるわよ」

「本当ですか?」


 オネエの言葉に半信半疑ながらも鐙に足をかけ馬に乗るカオルさん。

 ちなみに馬の上というのはかなり視界が高くなるので慣れてないとそれだけでビビる人も居ます。


「手綱もってるわね。じゃあ歩き始めるときはお腹をかるく蹴って」

「蹴ってえええええぁぁぁあああぁぁっ!?」

「」


 オネエに言われてお腹を蹴った瞬間ロケットスタートを決める馬とドップラー効果を残しながら連れ去られるカオルさん。

 あのオネエが呆気にとられた隙に見えなくなるほどの快速っぷりでした。


「あれ? 今日カオル来てるんじゃなかったか?」

「夕飯までには帰ってくると思うわよ」


 まあ神様の馬だし乗り手を死なせたりはしないだろうと楽観的に考え団長の疑問にてきとーに答えておくオネエ。

 ちなみにオネエの予想通り馬は無事夕飯前に帰ってきましたが、上に乗っていたカオルさんは宇宙猫状態になっていました。

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「秋と言えば炊き込みご飯だよねー」

「収穫の秋で炊き込みご飯に合う食材が多いですからね」


 炊き込みご飯をかっこんで味噌汁をずぞーっと飲むアマテラス様と、一見上品に見えて食べるスピードは速いツクヨミ様。

 ちなみに一部地域では炊き込みご飯のことを「加薬ご飯」と呼ぶのですが、そのせいで作者は幼い頃炊き込みご飯を火薬を使って調理する危険な料理だと思っていました。

 ハロー注意報。


「そういえばごぼうって日本でくらいしか食べないんだっけ」

「そうですね。そのせいで戦時中に捕虜に木の根だと勘違いされたという話もありますが」


 炊き込みご飯に入っていたごぼうを見ながら言うアマテラス様と優雅に味噌汁を飲んでから答えるツクヨミ様。

 ごぼうは元々は中国から伝わったとされていますが、その中国では一部地域を除いて薬用に用いられており、日本でも食用として広まったのは江戸時代から明治にかけてと割と最近のことだったりします。


「え? そんな最近だっけ?」

「平安時代にはもう煮物にされていたという記録もありますが、一般に広まったのはそれくらいですね」


 ちなみに中国では日本向けに輸出するためにごぼうを栽培している地域もありますが、やはり自分たちでは食べずに輸出するだけだそうです。

 解せぬ。


「美味しいのにねー」

「まあ味覚も国によって差がありますからね」


 なおごぼう茶なるお茶もあるのですが、味については賛否両論あるので覚悟してからお試しください。

 今日も高天原は平和です。

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― 新着の感想 ―
[一言] ごぼう茶はあれですねお茶じゃなくてスープとして飲むと美味しいですよ(胡椒混ぜながら)
[一言] ごぼう茶・・・あれはアカン・・・
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