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虚無の酒マジヤバい

「謀ったな皇帝おまえもか!?」

「混ざっとる混ざっとる」


 魔王様の泊っているホテルの一室に入ってくるなり咆哮するミィナさんと律儀につっこむ魔王様。

 ナチュラルに名前出されてる皇帝陛下は今回は関係ありません。多分。


「どしたん? まさか商売絡みで下手打ったん?」

「下手打ったくらいならさっさと次の手を打って倍にして返してもらいます」

「やろなー」


 転んでもただでは起きないことに定評があるウェッターハーン商会(近日ホムラ国に出店予定)。


「じゃあどないしたん?」

「ほら。私ってフィッツガルドの学園卒業してるじゃないですか」

「うん。それがどしたん」

「その学園ってこっちの学校と違って一般教養はそれほどでもないんですけど、専門的な分野ではかなり実践的な範囲まで学べるんですよ。だからこちらでの高校に相当するのか否かでもめてたらしくてですね」

「ああ。上にもう一つ大学はちゃんとあるんやっけ」


 ちなみに大学の歴史というのは意外に古く中東、ギリシャ、中国では紀元前には大学の先駆けともいえる高等教育機関が存在していたとされています。

 また現在と同じ意味合いでの大学も十二世紀には誕生しており、日本人でも知っている有名なオックスフォード大学などは十一世紀末にはその基盤ができています。


「で、やはり教育システムが違い過ぎるからと保留されたらしいんですよ」

「まあ無難やね」

「つまり私の最終学歴が宙ぶらりんなんですよ!」

「あー……」


 再び咆哮するミィナさんに同情の目を向ける魔王様。

 ちなみに海外移住などで外国の学校を卒業した場合も同様の面倒くさい状態になることはあります。

 そしてそういう人たちにも役に立つのが高等学校卒業程度認定試験。一昔前で言うところの大検になります。


「ああ大検ねえ。ならそれ受ければええやん」

「それが四月と八月にしかやってないんですよ。ついこの間終わっちゃってるんですよ。何で誰も言わないんですかもー!」

「あー……」


 そりゃ荒れると思いつつも、どうせ向こうの世界を主戦場に商売してるんだから高卒資格なくても大丈夫なんじゃとは複雑なお年頃相手なので言わない魔王様。

 今日も日本は平和です。



 一方高天原。


「何でもかんでも資格やら免許やらで人間って大変だねー」

「姉上も免許取れたら居酒屋などで二十歳以上の証明に出せるんですけどね」

「神も免許取れるように国会に法案提出されないかな?」

「……」


 冗談で言ったのにまさかの食いつきに思わず沈黙するツクヨミ様。

 アマテラス様の生年月日が正確に記された証明書を出されたら店員大混乱待ったなしです。


「何故そこまでして店で飲みたいんですか。下手なお店よりトヨウケヒメの料理の方が美味しいでしょう」

「たまには体に悪そうな肉やら油の塊を大量摂取しながらお酒飲みたいんだもん!」

「体に悪そうと思うならやめてください」


 体に悪いと思ってもやめられないからみんな健康診断にひっかかる。

 今日も高天原は平和です。

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