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曼殊沙華とかいう中二心をくすぐる名前の花

「ただいま戻りました陛下」

「ああお帰りローマン。てっきりそのまま戻ってこないかと思ったよ」


 フィッツガルドの王宮にて。

 ホムラ国から帰還したローマンさんと、割と本気で戻ってこないことを覚悟していた皇帝陛下。

 大体アフロ様のせいですが、道理蹴とばして愛に生きようとした前科のある男だからね。仕方ないね。


「おやお耳が早い。彼女の父上に婚約の許可を頂いたのを既にご存知でしたか」

「ご存知じゃないし何その急展開!?」

「いきなり結婚じゃないのだから急展開でも何でもないでしょう」


 ちなみに今まで何故逆召喚被害者がいるホムラ国があまり積極的に関わってこなかったのかというと。

 最初はフィッツガルドの不手際に巻き込まれたと聞き「お、これなめられてる? やっちゃう? やっちゃう?」と一部の武士(バーサーカー)たちが色めき立ちましたが、むしろ平和な国で無事にやってると聞き落ち着き「命があるならよし!」と大雑把な価値観で流されたせいです。

 ヤヨイさんのお父さんは静かにバーサクしたままでしたが、武士としては中堅なので同じく流されました。


「というかよく生粋の武官の家相手に君みたいなもやしが婚約認められたね。わしに勝つまで婚約は認めんとか言われなかったの?」

「むしろうちは政が苦手なものばかりだからと歓迎されましたよ。戦働きはうちの娘に任せろと」

「君それでいいのか」


 男のプライドはないのかという皇帝陛下ですが、ヤヨイさんは猫人間であり素の身体能力だけでも普通の人間からは一歩どころか十歩ぐらいリードしてるので普通の人間が張り合うのは無理です。

 グライオスさんと安達くん?

 普通の人間だと言っただろうが。


「そういうわけで今後は私にあまり重要な案件は回さないでくださいね。回してもいいですけど覚悟しておいてください」

「君祖国への愛国心とか手心とかないの?」


 あるのかと聞かればねえよんなもんと答えるローマンさん。

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「八月が終わったのに暑い」

「八月が終わった瞬間に涼しくなったらむしろ体調を崩しますよ」


 相変わらず畳の上でだれているアマテラス様と、今日も背筋伸ばして正座で待機しているツクヨミ様。

 むしろ実は背筋伸ばしたほうが正座していても足への負担は減ります。


「暑さ寒さも彼岸までー」

「お彼岸というのは秋分の前後のことですから九月下旬ですね」

「マジで!? まだ半月以上あるじゃん。こんな時期に運動会やってる小学生はカグツチの化身か何か?」

「まあ子供は大人と違って後先考えずに限界まで動き回りますからね。だからこそ大人が気をつけないといけませんし、最近では運動会も午前だけという所があるようですが」


 子供は風の子

 子供はヒノカグツチの化身←NEW


 ちなみに足元がアスファルトなどだと、地面からの熱の放射によって背が低い方が熱中症を起こしやすくなるので子供の様子にはマジで気をつけましょう。


「午前で終わりかー。いいいよねーって午後から一番熱い時間帯じゃん。遊びづらいじゃん」

「だから休みにするんでしょうが」


 発想が小学生と同じなアマテラス様とつっこむツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。

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