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気温が体温を越えてからが本番

「ハッハッハ。忙しくて吐きそう」

「吐くならトイレに頭つっこんできてください陛下」

「私の部下から労りがなくて辛い」


 フィッツガルドの帝都の王宮にて。

 大量の書類を前にして顔が白くなってる皇帝陛下と、見た目いつも通りに淡々と仕事を捌いていくヴィルヘルミナさん。

 今日もフィッツガルドは修羅場です。


「何でこんなに忙しいんだ」

「勇者様が日本に帰ってしまって頭を押さえられていた俗物共がバカを始めたからですわ。これでもローマンが先帝陛下の名前をうまく利用して半分は継続して押さえ続けてますのよ」

「……何で彼公衆の面前でやらかしちゃったの?」

「若気の至りでしょう」


 事前の情報収集で分かっていた典型的な貴族のドラ息子と今のローマンさんが結びづかず疑問を抱く皇帝陛下と、その辺りはもう受け入れているらしいヴィルヘルミナさん。

 大体アフロのせい。


「それに何故ローマンをホムラへの特使にしましたの。ただでさえ人が足りないというのに」

「だって彼上手いこと手柄を他に譲って功績少なく見せてるんだよ。このままだとこき……昇進させられないから分かりやすい箔をつけようかと」

「彼の思い人はホムラに居るのですから、下手をすればそのまま取り込まれますわよ」

「何でそれ派遣する前に言わないかな」


 優秀な人材を手元に置くために工作したつもりが、その優秀な人材がそのまま戻ってこない可能性が高いことに今更気付いた皇帝陛下。

 日本でローマンさんがどんな交友関係築いてたとか分かりづらいからね。仕方ないね。


「それにカガトを私の許可なく連れ出したりしてるし」

「陛下。カガトの主人は誰でしたかしら?」

「ごめんなさい」


 許可も何もカガトの直接の雇い主はてめえじゃねえだろうゴルァと笑顔で言われ、思わず素直に謝る皇帝陛下。

 今日も異世界は平和です。



 一方高天原。


「新しい夏が来たー地獄の夏ーがー」

「もう少し喜びに胸開いて大空を仰げないんですか」


 畳の上でだれたまま何か歌ってるアマテラス様と、冷静につっこみをいれるツクヨミ様。

 ラジオ体操は真面目にやると結構しんどい。


「今年は冷夏だってツクヨミ言ってなかった?」

「七月中旬頃まではと言ったでしょう。梅雨が明ければいつも通りの夏ですよ」

「おのれミズハッチ!」

「そんなこと言ってたらまたお仕置きされますよ」


 ちなみに八月はほぼ平年並みの気温ですが、九月は平年と同じか少し高いと予想されているようです。

 地獄は……終わらない。


「まあ平年並みということは今年も十分耐えられる暑さだということでしょう。なんだかんだ言って姉上も夏を乗り越えて生きてますし」

「ツクヨミ血液流れてる?」

「それ言われたのが私じゃなかったら確実に誤解してますよ」


 いきなり「てめえの血は何色だ」的な発言をするアマテラス様に対し「暑くても平然としてるし血液の代わりに冷水でも流れてんの?」と言いたいのだと察する流石のツクヨミ様。

 今日も高天原は平和です。


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